図鑑055

沖縄女子制服ノート第77回は、陽明高校の初代夏服を紹介する。

1995年、旧・大平高校は、大胆な学校改革の取り組みとして、県立高校としては初めてとなる校名変更を実施した。(注・戦後の復興期と祖国復帰による琉球政府立から沖縄県立への校名変更を除く)

それと同時に、同校は校章、校歌も変更し、なんと、変えたばかりだった女子の制服についてもモデルチェンジを行った。

今回紹介する制服は、そのモデルチェンジによって登場した県下初の新型の夏セーラー服。

 

 まるでライトノベルにでも出てきそうな、後ろが五角形のセーラー服!(本土でも数少ないはず)

 構図も含めて、イラスト化するのは長いタイムラグを超えて、苦労して描いてみたのだけどどうだろう。魅力は再現されただろうか?

 実物は、本当にカワイイ!

 一時期、ネット通販でこの旧制服が販売されていたようなので、一部のマニアは承知していると思うのだけど、この制服が実在していたのは、まちがいなく本当だし、私自身、何度か目撃して記録していたものでもある。メモの切れ端が今も残っているし、地元の新聞でも紹介されたことがある。

 陽明高校へ校名変更した時期のモデルチェンジのトレンドは、すでにブレザーに彩り鮮やかなチェック柄のスカートという組み合わせとなっていたのだけど、新生・陽明高校があえてそのトレンドを無視したのには、旧・大平高校創設時のブラウスの夏服が不評で、翌年にはセーラー服へ変更したという前歴があったからだと思う。また、校名変更前のMCで夏服、冬服ともにセーラー服に統一した直後ということも影響したのかもしれない。

 それと、県下で続々と新設整備された新設の3k進学校(向陽高校、球陽高校、開邦高校)のうち2校、そして前年の沖水のMCした夏服がセーラー服となっていて評価されていたことも、セーラー服採用の背景にあったかもしれない。

 だから セーラー服!

 学校としては、これまでの生徒の好みに合わせた、とても魅力的、かつカワイイ制服を採用したという自信があったと思う。それはイラスト見ても十分うなづけると思う。他のセーラー服とも一線を画するほどのデザインで、見慣れない制服ということもあって、かなり注目を集めていた存在でもあった。

これで、校名変更とともに学校の魅力も高まり、志願者も増えて……となるかと思われたのだけど。

 すでに時代は、生徒の意識までもすっかり変えてしまっていた。(いや、大平高校時代から続く、この学校の天邪鬼的伝統かも?)

「セーラー服は、中学校までで十分。」「高校でまでセーラー服は着たくない」という不満の声に押されて、この新制服は不評となったようでー。結果として時代のトレンドに沿った形に再度MCして、この画期的な夏服のセーラー服は21世紀を迎えることなく、消えていってしまいました。

 そして、前身の旧・大平高校の最後の冬制服とともに、この陽明高校の初代夏服も、記念誌にもまったく記録されることなく消えていった。

 あああ、本当に幻の制服になってしまってる。信じられない!

なので……同校の先生たちですら、その存在を知らないのも当たり前かな? 

それでも学校改革は成功したはずだから、少しは力になったと評価したいのだけどー。ダメかな?

 可愛すぎる制服はダメ?

 うーん。これは制服のモデルチェンジの難しさを語る事例の一つなのかもしれない。

 渚 美鈴/記  NAGISA MISUZU


陽明高校の現行夏服を紹介する。

確定申告とかで忙しくて、長いこと休んじゃって、原稿づくりの感覚が狂ってて、ちょっと舌足らずになりそうだけど、その時は勘弁してね。まあ、全然イラスト作成してなかったわけじゃなくて、ペーネミュンデでV2ロケットにつけられていたテールアート?のデフォルメイラスト描いてた。10枚程度って聞いてたから、描きやすいの選んで描いたんだけど、あとからあとからどんどん追加されてくもんだから、もう、ほぼ全部描くことになっちゃって、おまけに米軍とか英軍とかにも風呂敷広げたもんだから、3年前のイラストから選んだのをカラー化して提供したりして、はあ。

ああ、話がそれちゃった。

で、陽明高校の現行夏服。初代が五角形襟のセーラー服だったんだけど、現行の夏服は普通に、ブラウスにチェック柄のスカートになった。

下のイラスト参照。

 

初代セーラー服喪失に寄せられる嘆きの声が外野から多く聞こえてきて、この学校は本当に罪づくりだと思う。けど、時代はどんどん変わっていくから仕方ない。制服ファンは、ネットオークションで大枚はたいて旧セーラー服を獲得するんだろうか。最近は。中国からも買い手が現れてるから、きっとプレミアがついて、とんでもない値段がつくかもしれない。

現行の解説は、イラスト内にあるからいいかな? 昔のイラスト色付けいろいろとたいへん。

細かい解説すると、生徒指導に影響しそうだから、勘弁。

渚 美鈴(NAGISA MISUZU)/記

 


沖縄女子制服ノート第104回は、陽明高校の初代冬服を紹介する。

この時代、私自身仕事のトラブルとかでとても精神的に辛い時期だったので、この制服の実物を見た記憶がない。

なので3年近くかけて、いろいろと資料や情報を集めて復元したもの。エンブレムとかについては、幸いなことに新しい校章をそのまま採用してくれていたので、助かった。もし、そうでなければ絶望的なものになっていたと思う。

それにしても、よく制服が変わると思う。あと1回紹介したら完了するかなぁ。

 

詳細解説は、イラスト参照。

あんまり書きすぎるとよくないらしい。 美鈴/記