図鑑057

沖縄女子制服ノート第89回は、向陽高校の現行夏服を紹介する。

新しい学校の現行制服は、いろんな人がイラスト描いてるし、ネット上にもいろんな情報があふれているから、ね。

新鮮味もないかもしれないけど、他の学校と公平に取り上げて紹介したいから、がまんして。

90年代、島尻A高校として計画されて誕生した制服は、制服図鑑完成目前の段階でも決定していなくて、当時のイラストはない。

だから、他のイラスト(解説用)を流用して急遽作成していみた。

ということで、細かい紹介はイラスト参照。

 


イラストでも解説しているとおり、県内の高校の夏制服で、袖口にライン等が付いている例はこの学校だけ。

本土の夏セーラー服だとわりと当たり前みたいなんだけど、沖縄県内では、この袖口デザインは本当にまれ。戦前までさかのぼれば、存在するのだけど、戦後に制定された制服では、私が知る限り皆無。中学校は私の守備範囲外だけど、それでも、那覇市立金城中くらいなもので、非常に少ない。金城中の制服が、県内でわりと人気なのは、他の中学と違って、その本土的なデザインが垣間見えることにあると思う。

じゃあなんで、沖縄の制服に袖口のライン等がないのか?

これはあくまでも推測なのだけど、ひとつはコストを抑えるため。もうひとつは、亜熱帯故の暑苦しさを防ぐためだったんじゃないかと思う。

今となっては、意味のない理由だけど、一旦消えてしまったイメージ、デザインを復活させるのは勇気がいるのかもしれない。県外からの有名デザイナーの提案ということで実現した、めずらしい事例ということになるのかも。(注/金城中の制服デザインは、県外から来た転校生の制服デザインを参考にしたと言われている)

沖縄の公立の進学校3K、4Kを構成する高校のひとつだけに、デザイナーズブランドを採用した制服は、地元カラーを前面に押し出して、存在感を増している。……のかな?

 渚 美鈴/記  NAGISA MISUZU