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月刊『 本棚の溜息』96号(1998年6月号)


【今月の本棚】
「世界古本探しの旅」(朝日新聞社)は「小説TRIPPER」が初出。
パリ、ロンドン、フィレンツエ、ボローニャ、アメリカ南部、ミューヘン、マドリード、南仏、ミラノ、ローマでその筋の方 々が古本を探す旅をレポートする。
オールカラーで、見出し等の色使いも落ちついている。ジャケットも良い。
が、ジャケットを取ると表1・表4がちょっと落ちる。3200円なので、ハードカバーまでは望めないが、せめてジャケット並の色使いを期待したい。

枯野社より「カフェ」創刊。書皮をお店独自のマッチに準える視点が共感お呼ぶ。
カフェ・レポートや、カフェの雰囲気・文化にこだわったエッセイなどが多数。新書版で題字・表紙の雰囲気も上々。ちょっと表紙の紙が厚すぎて開 きにくいのが唯一の難点か。

「21世紀のマスコミ04・出版」は大月書店刊。
副題が「出版文化の崩壊はくい止められるか」だが、視点は大月書店的。
出版文化はひょっとしたら崩壊しているかもしれない。産業としての出版という観点で考えれば、売れなくては自転車操業さえも 出来ない、という事実がある。
受け手の視点で考えれば、自分にとっていかに「読書文化あるいはブックライフの崩壊をくい止めるか」も大事 だろう。

【ブックファースト】
「はじめにいきたい本屋さん」というキャッチフレーズで、阪急系のブックファーストが5月6日に神田東口前にオープン。
6月11日には、渋谷に3050平方メートルの大型店をオープンさせる。
神田店は前田書林の前、1階と地下1階に2フロア。ONとOFFのコンセプトで、CD、ビデオも扱う。神田に似合わない広々とした明るめの色調。
でも朝8時半に店が開くのは、出勤前のサラリーマン狙い、という意味で神田っぽい。
私はオープン2日目に行ったが(会社から昼休みに歩いて行ける距離なのだ)、出版社の営業関係者や、「C Dも扱っている」等、店内を見ながらメモ帳に書き込んでいる同業者っぽい人を多く見かけた。「ブックファーストニュース」創刊準備号には フロアマップとブックフェアの案内(ワールドカップフェア)の案内が載っている。
書皮を貰うために、1冊「漫画王国の崩壊」を取りあえず購入。

【ヴィレッジヴァンガード】
下北沢に出来たヴィレッジヴァンガードへ乗り込む。
評判通り、凄い。場所は本多劇場1階のモール。何にも知らない人には、下北沢っぽい雑貨屋さん、本も置いてあるちょっと変なお 店、っていう感じだろう。
私なんぞは評判や本を複数冊読んでしまっているので、初めっから構えて見てしまう。そうゆう目で見ると、ヴィレ ッジヴァンガードを一生懸命演じている、と見えなくもない。
だが、あの雑然さは心地よい。家具があって、もちろん本があって、小物があって、一角に変わったグッズをまとめて、壁からもインテリアをつるして 、という自分の部屋の延長上的ながらも、少々異界がかっている、というその辺りの心地よさだ。ここでは、「原始メール(1)今日も元気で す」(三心堂出版)を購入。
原始メールとは葉書通信のことで、二人のやり取りを纏めた内容。入れて貰った書袋を見ると、24店舗もの住所 が載っている。今年下北沢と千葉にも出店しているので、直営とフランチャイズ合わせて26店。なかなかの数字である。
ついでにワン・ラブ・ブックスにも立ち寄ったが、本の割合がずいぶんと低くなっていた 。「マッチのラベル」(クレオ刊)を購入。
書袋は新聞紙で作った袋に、絵の具で「ONE LOVE」と手書き文字。
これぞ一品モノである。


PS NEWS!.飯島永美画伯のファンクラブ設立準備委員会を「どむか」内に開設。
発起人、委員長、その他会員も大募集!!!
★どむか主宰・「本棚の溜息」編集発行人/帰山健一★
平成10年6月5日発行

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