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月刊『 本棚の溜息』95号(1998年5月号)


【今月の本棚】
「古本マニア雑学ノート2冊目」(唐沢俊一・ダイヤモンド社)は、題の通り2冊目ということで、1冊目が好評だったのだろう。
本人は、もちろんマニアなのだが、プロではなく、ユーザーの視点が入っているところが共感を呼ぶのだ。

「本屋の法則」は池田良孝著、同文書院刊。著者は出版社営業マン。
内容的には「ゴーゴー本屋さん」で取り上げた分野とそう違わない。エピソード紹介形式で、一つ一つに掘り下げが少ないので、「ゴーゴー本屋さん」の方が、一般の人には読んで面白いかもしれないなあ、などとふと思ったりしたのではありました。

「AMUSE」はときどき本関連の特集を行うが、4・22号は京都の古本屋総案内。
カラーで全店紹介されることはあまりなかったので興味深く読んだ(見た)。いまいち雑誌のカラーがはっきりしていなくて、一方で新聞社から出ているということで、全方位的な編集方針を取っているようなところも見受けられるが、いっそのこと、本関連のややマニア向けに編集方針を固めてしまったら面白いのではないかなあ。
本だけではなく本に関わるライフスタイル誌を是非標榜していただきたいものである。

【パワーアップ】
わが家のマシン、MAC.LC475を、河野さん宅に一時帰休、精力剤注入をお願いしたところ、ジャンク屋でLC630を見つけてきてそこに32メガのメモリーと2、1ギガのハードディスクをぶち込んでいただいて、一回り(10回り以上!)大きく立派になって戻ってきた。
OSも最新のMAC・OS.8!この号はそのような環境で、いろいろな機能を確かめながら書いているのである。
これでCD−ROMも画面や音飛びなく、残メモリーを気にすることなく作業が出来る。河野さんに感謝、感謝。

【本屋さんサロン】
この前のブックフェアで目立つブース出展していた「BOOK CLUB本屋さん」の1号店「本屋さんSALON」が霞ヶ関ビル3階にオープン。
12坪の本屋で、面積は狭いが更に売場を削ってパソコンが置いてあったりベンディングマシンが置いてあって、サロンを表現しようとしている。パソコンもまたバーチャルな本棚である、ということだ。リアルな棚になくても検索して入手できる。当然ネットを通じて在宅での利用も可能。(会員制)
品揃えは、網羅主義を取り得ない、かといって土地柄趣味にも走れない、その辺の苦労を読みとることが出来る。
読者と本の関係を見直し、中小書店のモデルケースとして誕生させた、と挨拶文にある。読者はだれか、誰のための本屋か、あるいは本屋とは何か、とか当たり前に考えていたことを一つ一つ疑ってかかると、新たな本屋像が浮かんでくるかもしれない。
新しい試みは、とりあえず歓迎したい。

【出版業界のすべてがわかる】
「これからの出版業界のすべてがわかる本」(山下出版)刊行を記念して、「出版おめでとう、能勢仁さんを励ます会」が日本出版クラブ会館で行われた。
発起人が大手出版社、取次の社長がずらっと並んでいたので、少々悩んだが、事務局が書籍情報社だったので参加することにした。
会場はやはり、年長者が多く、どこかで写真で見たことのある人的な方々で溢れんばかりの盛況ぶりだった。能勢さんも娘さんも覚えていて下さって、親しく言葉を交わすことができた。河野さんからも何人か紹介してもらった。この場では、「日経の帰山」より、「本屋さんかの帰山」の方が通りがよい。
本の内容は、出版社、取次、書店に分かれて、川上から川下まで出版全般について一望できる構成になっている。
なかでも、書店が今後どうするべきか、というところに少々重きが置かれているように思われる。日米比較、オンライン、古本などに関しても触れられている。挿入されている表も役に立つ。

【注文の多い展覧会】
「どむか」認定公式画伯であられるあおぞらアート・飯島永美画伯の個展「注文の多い展覧会」が4月25日から5月14日までフジタヴァンテ(代々木駅徒歩3分)で開催(木曜定休)。10時から18時まで。
5月2ー5日、9・10日は午後1時よりワークショップを開催。
画伯は会場に常駐とのこと。ゴールデンウイークは、差し入れを持って、いざヴァンテへ。




★どむか主宰・「本棚の溜息」編集発行人/帰山健一★
平成10年5月5日発行

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