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月刊『 本棚の溜息』88号(1997年10月号)


【本・本・本】

「デザインの現場」(美術出版社)
八月号の特集は「本づくりと紙」、 祖父江慎氏や新潮社装丁室の仕事などが紹介されている。興味深いのは本文に二十種以 上の紙が使われているところ。頁を読み、指で感触を楽しむことができる。

「ミニコミ のつくり方」は近藤恵著(情報センター出版局)。
インターネットなご時勢に、いまさ ら、という気もするが、十数年前現役のミニコミ制作者時代から殆ど何も変わって無い なー、という感想。
別冊宝島と決定的に異なるのは、そこに主義/主張が一切含まれて いない点だろう。ハウツー本に徹していて、これはこれで読める。

「カルトな本棚」は 唐沢俊一著、同文書院刊。
「と学会」山本氏や日曜研究家/串間努氏など、濃い! きつい! 素晴しい!  本棚を見物しつつ、対談を行っている。
その会話の中身も、濃い。

「書 店員の小出版社ノート」は東京堂書店の小島清孝氏著、木犀社刊。
影書房、径書房、技 術と人間、めこん、現代企画室などなど十社について、フェア等を通じてふれあった方 々との話が掲載されている。出版の志が伝わってくる内容である。

「活字浪漫」は目黒 考二著、角川書店刊。
目黒さんの本の腰巻はいつもよい。今回は「本より大事なことは ある」うーん、奥深い。初出は「本の旅人」「海燕」「週刊現代」ほかとバラエティー に富んでいる。従って内容も本関連から競馬本評まで幅広い。

「ヴィレッジヴァンガー ドで休日を」は菊地敬一著、リブリオ出版刊。
週刊新刊全点案内(図書館流通センター )の連載をまとめたもの。この本屋はいろいろとメディアに取り上げられたり、FC展 開を始めるなど、話題には事欠かないが、本人の口から(筆から?)まとまった形で直 接語られるのは初めてではないだろうか。巻末には本屋の悩み相談がついているなど、 一般読者から同業者まで楽しめる内容になっている。

「差がつく書店の数字」長島俊男 著、メディアパル刊
買ってみたが、素人の私には難解な哲学書よりも難解だった。 まあ、素人が買う本ではないよなあ。

【ジュンク堂池袋店オープン】

八月二八日地上九階、地下一階、坪数千六十二のジュン ク堂池袋店がオープン。
坪数を競う昨今の状況に、眉をしかめる向きもあろうが、ユー ザーとしては歓迎したい。開店に当たって用意されたアイテムは「ぶっく、ぶっく、ぶ っく池袋」という冊子と、池袋地図とフロア案内。冊子は、本の街池袋を強調、エリア の他の書店まで案内している。各フロアの担当者の顔もプリクラで紹介。プロの書店員 として各自のキャラクターが前面にでてくるのは良いことだ。
書皮の図柄は池袋周辺の 地図だが、こちらも他の書店の位置まで示してある。「座り読み歓迎」「喫茶店併設」 というのは、難波の店舗同様。奥行きが狭く、棚の背が高いので多少の圧迫感があるが 、それが独特の他店とは違う雰囲気を作っているのならば一つの特徴として良しとしよ う。

【木版画装丁展】

多田進・多田順木版画装丁展が八月二九日まで、渋谷のウイリアムモ リスで開催された。
ここは、喫茶店であるが壁面に作品が展示されるギャラリーでもあ る。多田順さんの版画と、多田進さんの装丁本が一つの額に上下に並ぶ。手刷りという オリジナルと、印刷されたマスプロダクトの対比が面白い。
値段も手に届く範囲で、つ い欲しくなってしまったが、「壁もないのにこれ以上どこに飾る気なのよ」、と詰問す る妻の顔が脳裏を横切り、涙を飲んで思いとどまったのでありました。

【ネットワーキングフェア開催】

十月十七日から十九日まで、横浜みなとみらい地区の パシフィコ横浜(桜木町下車、ランドマークタワー、クイーンズスクエアの先)で「女 性のためのネットワーキングフェア」を開催。(主催・横浜市、日本経済新聞社)。
家 族で楽しむホームコンピューティングライフがテーマで、初心者から、ネットワーカー まで楽しめる内容になっている。託児所も設置。
セミナーテーマも真面目な仕事の話か ら、軽やかなエンターテインメントトークまで、硬軟取り混ぜて幅広い。金土は朝十一 時から午後六時まで、日曜日は午後五時まで。「どむか」関係者も多数参画 、なんとあの梶村までが・・・!

【どむか】

十月十八日(土曜日)午後七時より十一時頃まで、横浜/桜木町の「ラパロ クラブ」(横浜市中区本町六の五二エクセレント地下一階、電話〇四五・二一二・五〇 六〇)。同じ地下一階にある「ルース」との往来可。「ネットワーキングフェア」の非 公式二次会と合流し、イベント参加者、関係者、講師等との交流も図りましょう。会費 は五千円。パシフィコ横浜会場を見学いただき、当日五時半から六時の間に、会場内「 ライフアップキャリアアップパビリオン」の「ソニー生命ブース」を訪れて下さい。そ こに梶村「どむか」幹事長(携帯〇二〇・五三六一五九六)がいますので、会場の場所 等の確認ができます。(ついでに自分のライフプランを占ってもらうも良し、保険に入 るも良し)集まって、タクシーに分乗してお店に向かうという方法もあります。常連は 必ず、そうでない方もこの機会に、ご家族、カップル、友人等お誘い合わせの上、是非 お越し下さい。

【急募】

年末まで営業の予定だった「キングスベンチ」が急遽九月末で閉店、パブパル コのビルが閉鎖ということに相成ってしまいました。十月はスペシャルで横浜ですが、 十一月からの定例の「どむか」会場が決まっておりません。希望としては渋谷近辺、予 算は四ー五千円、趣があって、しかし金曜日でもいい加減な予約で最大十五名位まで収 容できること。食事が充実しており、そこそこおいしいワインや日本酒が飲めるとなお 嬉しい。こんなお店をご存じの方は是非お教えください。


★どむか主宰・「本棚の溜息」編集発行人/帰山健一
★平成9年10月9日発行
★ E-mail:BXJ05656@nifty.ne.jp
★勤務先/100-8066日本経済新聞社総合事業部Tel5255-2847、fax 5255-2860
★E-mail kaeru@tokyo.nikkei.co.jp【どむかPATIO】GFA02534パスワードchoryu1#

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