99年11月前半の学芸員日誌


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押してくださるとうれしいわ。

11月15日(月)曇のち雨

土曜日にオフに行く前『肉屋』というイタリア映画を見た。
国際的な指揮者の妻はベジタリアンだったが、過労で倒れた際、医者から健康のために毎日、肉を食べるようにいわれ、肉屋に通ううち、その肉屋と目と目だけで契りを結ぶ約束をかわす。そして……。筋書きはこれだけ。
肉屋が肉をさばく場面が延々とくりかえされると、官能的な気分がどうしても高まってくる。わたしら人間も肉のかたまりであるのね。
最近はこういう映画を見ることは少なくなったけど、嫌いじゃないです。はい。筋書きで見せる映画じゃないの。じゃあ映像的に満足したかというと、ちょっと肉屋の男があたしの好みからはかけ離れているのでアウトだわ。

11月14日(日)晴 暖

長男ぼうずがふざけて、次男の髪の毛をむちゃくちゃに切ってしまい、恥ずかしくて七五三どころではないので、散髪。
ここの床屋は子どもの散髪もいやがらずにやってくれるので、少々遠いし、2人で¥5,000もとられちゃうのだが、行っている。はあ、散財だわ。

空メールです。このボタンを押して、あなたがここに来てくださったことをわたしに知らせてください。
どっちがお好き?  

11月13日(土)晴 暖

14:00。
今から名古屋。例のごとく車内でぷちぷち。先日配信された『MYCOM PC−NEWS』のコラムにも200LXの記事があった。本当に生産中止になったんだなあってしみじみしちゃったぜ。

21:07
通信系のオフに出てましたあ。帰りの電車の中でーす。酔っぱらってまあす。

11月12日(金)雨のち曇

「今日は雨だから、寒くないよね」なんて会話がかわされるようになると冬支度をせねばなるまいて。

まる庄画廊でH枝ちゃん(という呼び方はオトナの女性に対して失礼なのだが)の水彩画を拝見。絵のお仲間にかつてのO高3大美人の一人N崎M美ちゃんの母上がいらっしゃるというので、まあ世間ってなんて狭いんでしょう! という話題でしばし歓談。
それにしても自分の出た高校に子どもを入れるってことが、こんなに困難でいいんでしょうか? うちはもうあきらめたからいいけどよ。
さてM美ちゃんの母上もH枝ちゃんも短歌をやっておられるとか……、ふむふむ。わたしも実は……。でもねえ、短歌はなんだかなあ。とにかく【結社】ってやつがね、やなのよ。
そういえばこないだ超結社の句会から誘いがきていたのだった。行ってみる? 所属は現代詩ってことで。

11月11日(木)晴のち曇

画材の鴨下さんの2階に画廊”むらずみ”がリニューアルオープンした。むかしは別のビルに入っていたのだ。
K藤さんにも久しぶりに会う。「かわらないわね」といわれるが、K藤さんも変わってない。ところで、そこでもらった次回の展覧会の案内はがきの見覚えのある名前を発見。
確認してみると、ビンゴ! 高校1年の時、美術選択のクラスにいたんだけど、同じクラスの子が画家になっていたのだ。
「すごい力量と技術の人よ! 若手じゃあ一番ね」とK藤さんはほめちぎる。そうか、そうか。
「まる庄画廊で女の人ばっかりのグループのね、20号展を今やってる最中よ」だそうだ。あしたはまる庄か。行かねばなるまいて。

そういえば4年生の授業参観と学級懇談会。運動場で体育。種目はバスケット。
担任のM野先生は国語が専門だが、バスケットの顧問歴ありと見た。教室にいる時とは生徒も先生も違う感じ。ボールの扱いも素人とは違う。うちのムスメはボールを逃がしてばかりじゃのう。
懇談会の最後に、学級HPを作成中という話題が出た。先生いはく生徒の名前をフルネームで出すのは、いかがなものか。写真もしかり。判断に迷うところで、悩んでおられるようだった。まだ非公開で、大学のサーバーには未送信とのこと。
どこにどんなストーカーがいるか、わかんないご時世だ。小学生の美少女・美少年の写真は扱いが難しいと、わたしも思う。

11月10日(水)晴

フィギュアを作ってくれた柴田さんの授業のある日。
いつもなら美術室に行くのもとても楽しみなんだけど、気がすすまない。じーっと職員室にいた。H原氏やF中卿とかが、それをまたからかうんだよね。フィギュア壊されてからというもの、わたしはとてもヒステリックでブルーだ。別にヴォーカルがおんなじ名前のたま絵ちゃんだというのに、かけているわけじゃないんだが。

11月9日(火)晴

疲労困憊。理由は8日の日記を参照されたし。

クスリの受け取りのため、ドミー襲撃。
KANさんにコーヒーをいれてもらい、少し話して帰宅。ページの更新が全然できていない自分を反省。

11月8日(月)晴ときどき曇一時雷雨

最低の一日。

まず、保育園から帰ってきたら、駐車場に知らないクルマが……。クラクションを何度鳴らしても停めたやつが降りて来る気配がない。なんとか自分のクルマは停めたが、怒りがおさまらない。
紙に筆記具では、おさまらない。思い付いたのは口紅。フロントグラスにこう書いてやった。

迷域だ

あれえ、なんかへんだぞ。はて?
書き直し。土を消して心を追加。わたしの手も赤く汚れたし、フロントグラスもざまあみろ状態。

迷惑だ

紙とボールペンが車内にあるので「車のとめかたを考えろ」と書いて、ワイパーにもはさむ。仕返しされるといけないので、ナンバーも控えた。ふうう。

フィギュアを壊された。
一年生の女子2名。絶対許さんぞ。人の大切なものを床に落として壊しておいて一言もあやまろうとしない。
そりゃあ、あたしもヒステリーを起こして大声で叫んださ。あたしは普段へらへらしてるから、びっくりしたんだろうなってのはわかるけど「何で怒るう。何で怒るう」って怒るに決まってるだろうが!
なんで、人が大事にしてるものを壊して平気でいられる!
「そんなの、さわるなって書いてないもんいかんじゃん」っていうんだろうよ、お前らは。レベルが低いんだよ、それじゃあ。レベルが低いと、いくらさわるなって書いてあってもさわって壊したりするんだよ。
ちょっとでも想像力があれば、眼で見て、こういう素材のものは落とせば割れるってわかるんだよ。だから落とさないようにそおっと扱おうとするさ。
いくら大切なものでも「さわるな!」とか書いてまで守ろうとするのはさもしいから、したくない。手に触れてさわって確かめたい、というのが自然だろ、人情だろ、気に入ればさ。そう思った時、大事に扱ってくれる人には触らせてあげたいのだよ。
お前ら、せめて謝れよ。ほんとにもう、どいつもこいつも。

サラダをひっくり返した。
仕事すんで帰宅。「適当に晩御飯を作って帰りを待て」という指示が入ったのが、もう22:00すぎ。ゆでたたこをスライス。野菜と練り物のおつゆ。肝の煮物。漬物。
さて、サラダ。大根刻んでまぜよう。スイートコーンの缶詰。これはうちの子どもたちの大好物。とっとっと。菜箸で引っかけてサラダボウルの中身を全部、床にぶちまけた。万事休す。さようなら。

11月7日(日)晴

第一日曜はやすらぎ公園へ墓参。いい天気だったので弁当持参。

11月6日(土)晴

文化祭、2日め。
1年生でお茶会をするので、おつきあいでわたしも着物を着てコスプレ。
今まで基本的に教室での開催にこだわってきたけれども、給食用の食堂で全校一斉に。これはこれで楽しかった。予餞会やらないって決めたこともあるしな。
あっというまの2時間でした。また着物きちゃおう。

11月5日(金)晴

文化祭、初日。
映画館で封切り映画を見るのだ。いい企画だ。どの映画にするかで、いつももめるんだが、今年は『マトリックス』しかないでしょう。と劇場の人もいうので、『マトリックス』だ。生徒会サイドの策略も多少はあったけどな。
わたしは2回めになる。やっぱ、2回めだと、気づかなかったことにも眼がいくなあ。好みの映画ではないが、2回めなりの収穫はあった。最後に「王子様はお姫様のKISSで命拾いしました」にしても、最初はずいぶん唐突な愛の告白だ、と思ったが、今回はかなりこの女、キアヌ・リーブスに好き好き光線を送っているのが見てとれた。ま、いっか。

11月4日(木)晴

『ラインハルト・サビエ展』の図録を持って、ノブギャラリーへ。
アシスタントのみきさんに絵の説明をしながら、自分の中で、昨日見た作品の印象を整理する。
パンフに載っている作品や図録の写真では平面としか認識できないが、実はそうではない。
額の厚さは5cmから8cmほどもあり、一番奥に肖像画の描かれた紙がまずある。これは大きく波打っていたりもする。必ずしも平坦ではない。
それから、これが一番の特徴だが、額の表面のガラスが裏側から塗料で汚されているのだ。曇ったガラス、汚れたガラス越しに作品を覗かなければならない。ここで感じるもどかしさやいらだちがそのまま文明批評につながってしまうのは短絡的だが、大はずれでもなかろう。
ガラスの表面でなく、裏に塗料が塗られている。つまり、鑑賞者がそれを自分の手でぬぐうことなどできないわけで、鑑賞者はここで立ちすくむことしかできないわけだ。
「なんで、わざわざこういうふうに額のガラスをよごすのかねえ。絵が見にくいじゃんねえ」腕組みをした中年のおっさんが美術館の制服を着たおばさんに質問していた。 「そうですよねえ。そうは思うんですけどねえ。作者がそういうふうに意図して作品にしているわけですからあ……」このおばさんはパートさんかボランティアらしく、説明にはなっていない。二人で頭をかかえているだけだ。

11月3日(水)晴

カナちゃんとカナちゃんのおかあさん、さらに妹さんの3人&うちの次女、長男、次男という7人でもって、刈谷市美術館まで『まなざし−−ラインハルト・サビエ展』を見に行く。
人間の顔が描かれてはいるが、単なる肖像画ではなかった。衝撃的な人物像の数々。パンフレットの女性像が繊細かつ奇妙な魅力に満ちていて、それだけでも他にはどんな絵があるのだろうと思わせるに充分。お客は臨時駐車場が必要な程に、大入りであった。
うちのちびすけどもは「怖い、怖い」と恐れをなし、小学生の次女も「気持ちわるうー」と不評。子どもにはこのメッセージはわからないのか! いや、怖がるということ自体メッセージは伝達されたのであるかも。
同時併催『絵本の100年展』は子どもに好評でしたが。『三匹のやぎのがらがらどん』とか『くまのプーさん』の原画が人気。
原画展といえば、去年、高浜市かわらの美術館で『【ぐりとぐら】原画展』があって、軽い気持ちで自分のクラスの生徒にチラシを渡したら、本当に見に行ったらしく、かえってこっちがびっくりしてしまったことがある。20歳になっても自分が大好きだった絵本のことを忘れていない少年のココロっていうのはいいですよね。

11月2日(火)晴

国語教育研究会という名目でわが町の美術博物館を見学。学芸員さんのお話&見学解説&セレーノのお茶つきという豪華メニュー。満喫いたしましたわ。

中国の古墳から出土して、’77年にも日本で公開されたことのある金る(どんな字だっけ?ころも偏に「婁」ね)玉衣を見た。これはわたしにとっては衝撃的な出土品。なんかさあ、すごいと思うんだよ。玉の小さなプレートを金糸でつないで死体を覆う。玉の枕も、ペニスケースも付いている。むかし、夕刊の一面で見て、ほほーっと思ったのを覚えている。実物が展示されているとは知らなんだ。ってチラシの裏にもちゃんと載ってら。
ちなみに展覧会名は『シルクロードの煌き』である。今回は中国のものが多い。先回の『黄金のシルクロード』展は中東の金製品が中心で、きんきらきん過ぎて辟易したが、中国まで来るとやはり日本に近いね。
中国まで来ても、シルクロードの終点の奈良までは来なかったものもあり、それを学芸員氏は「日本人はちゃんと日本人の美意識で取捨選択をしたんですね。誇りに思っていいことだと思います」
どんなものが取捨選択されたかというと、きんきらきんなもの。ど派手なもの。は日本人はやっぱり嫌いで、落ちついた渋い趣味が定着したんだって。ふむふむ。じゃあ、するってえと安土桃山文化ってえのは鬼ッ子かい?
それにつけても正真正銘の学芸員さんを前にすると緊張が走るわ。わたし単位不足で学芸員資格ないんですよね。考古学実習も2単位は取ったんですけどねえ。もうひとふんばりだったなあ。実に惜しい。社会教育系ばっかりたくさん取ってもだめだったか。

11月1日(月)雨

英会話。今日は『インディペンデンス・デイ』のシナリオを読んでいる。



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