99年7月前半の学芸員日誌



[表紙][最新][BACK][NEXT][学芸員日誌のもくじ][館内案内]
日記猿人に参加しています。よろしければこのボタンを押してください。初めて押した場合、登録手続き画面に飛びますが、驚かないで下さいね。

7月15日(木)晴 暑い

職場につくなり、インターネット接続講習会とあいなった。
なにー、ODNだとホームページは持てないの?

7月14日(水)雨

明け方近くまで起きていた。いつも明け方に一度、次男はのどが乾くらしくて「ぶー飲む、ぶー飲む」といって起きるのだが、からだを抱いてほっとしたね、熱くないのだよ。夜ふかしの疲れも消えた。
子どもはクスリもきらいだが、体温計もきらい。最近はまともに測ったこともない。さわればわかるもん。そんなの、いちいち体温計ではからにゃならんとは思わんね。

というわけで、ひとまず保育園にもつれて行った。保育園で、もし体調をくずしたとしても発熱するのは決まって昼寝のあとだからな、これで時間はかせげる。

で、ただいま出張先の名古屋へ向かう車中であります。先週の水曜日は楽しかったよね。

7月13日(火)雨

熱さがらず。

7月12日(月)曇のち雨

熱さがらず。

7月11日(日)晴

土曜日から次男が風邪で発熱のため、何もしないで一日家にいてすごす。
実家の母は「子どもが病気だってのに平然とし過ぎだ」といつもわたしに怒る。
が、子どものほうは熱があっても、けらけら笑って遊んでいるのに一体なにをどうしろというのかね。母は薬を飲ませたかどうかをうるさくいいすぎる。
こちとら妊娠中に風邪ひいて薬をくれと医者にいっても相手にされず「おくすりで風邪がなおるわけではありませんのでね」といわれたことが頭にあるわけだよ。
自分の薬のことでもノイローゼになるくらい頭の中くすりのことでいっぱいにして、もっと気力をつけてくれよ。頼むぜ、かあちゃん。

7月10日(土)晴

昨日の続き。
ちんたらちんたらやってる連中にしても、もし自分のクラスだったら、そんなにむげにはできないだろうなあ、と思う。
だって、そんなきびしくやってたら生徒いなくなっちゃう。
来年よほどのことがないかぎり、自分に1年の担任がまわってくる。最近はそういうことが気になる。
たぶん、このところの傾向で定員をオーバーして志願者が来て、最初は40人でいくんだろう。いろんなやつが来るんだろうな。ヤンキーもいるに決まってるしな。なだめたりすかしたりしてやっていくんだろうな。
今からそんなこと心配してどうなるもんでもないが、「やつらをちゃんと指導してんのかよ」とか上の学年からどうせ言われるんだろうな。

7月9日(金)晴

球技大会。

どうもこう、うちの学校というのはちんたらちんたら生きている人ときびきび行動している人との意識に大差があって、なんだかなあ、であるよね。

ちんたらやってるやつらは、さぼらんで来てやったんだから、おれらはえらいだろう、と思っている。
そういうのをえらいっていうかやあ?

最近のがきどもは「別にあんたに迷惑かけてないからいいじゃん」といってとても恥ずかしいことでも平気でするな。舗道もない車道に座ってるやつを今日も見た。
電車の中で化粧するやつをワイドショーで特集するくらいだから、教室で化粧するやつが必ずいても全国平均ってことか。
わたしは子どもの頃、親から「人に迷惑をかけちゃいけない」なんて一言もいわれた覚えがない。わたしが思うにだね、そんなことは当たり前のことじゃないですか。
あんまり、その1点ばかりを強調すると「他人に迷惑さえかけなければ、何をやってもいい」ということになりゃせんか? 

7月8日(木)晴

5年生の長女が今年の夏休みに2泊3日で林間学校に行く。その説明会。
14:00に小学校の体育館に行くと、椅子がいっぱい並んでいる。児童も親もいっしょに聞くのであった。
椅子ならべの時、ある子が「先生、おかあさんたちの席はもっと離したほうがいいよ。おかあさんたちうるさいから」
ははは、1本取られましたね。わたしはうるさくないですよ。静かに昨日の日記を打ってましたから、HP200LXでね。
「それ、なあに? 何か書いてらっしゃるの? モバイルっていうのかしら?」とMちゃんのママ! あああ、のぞきこまないで。ってよほどの視力でないと字なんて読めませんよね。

ひととおりの説明のあと、質疑応答。これ、生徒方がばんばん手をあげてきくわけ。
「バンガローにコンセントはありますか?」「ありません」
「夜更かしして、虫取りに行ってもいいですか?」「だめです。早く寝ましょう」
「眠れないときは小説を読んでいてもいいですか?」「消灯時間を過ぎたら暗くて読めません。目をつぶって早く寝ましょう」
「夜、寝るときはパジャマなんですか? 体操服のままで寝るんですか?」(持ち物のところには寝巻き類はまったく書いてはなかった)「ふつう寝るときは着替えをしますよね」

母親たちはドライヤーを持っていってもいいのかしら? バッグはどうしようかしら? 他人とお風呂に入るのはいやって子どもが言ったらどうしようかしら? てなことを心配してるわけなの。
その中で先生はいいこといったなあ。
「大切なことは、まず自分で考えて判断するということです。なんでもかんでもあれはいいんですか? これはだめですか? と聞く前によく自分で考えてみましょう」

こういうことが新鮮に響くほど、この手の学校行事の持ち物の規制が普通はキビシイわけなのだよ。特にわが県というのはね。

説明会のあとで、どんちゃんに電話したら、うちから後妻にいった旧HDDのガラス盤が割れてしまい、昨夜、昇天とのこと。うわあ、きついぜ。

7月7日(水)晴

大須までがちゃがちゃをやりに行ってきました。たは!
今年3回目の電脳お買い物ツアー。参加者はどんちゃん、KANさん、だんな&me。

でもね、さしあたって欲しいものがないのよね。
欲しいものがないっていうのは、つらいわ、こりゃ。何かおもしろそうなソフトを……とも思ったが、財布のひもがまるでゆるまない。パソコンを使ってなにかするといっても、わたしは今まで原稿書きとnetworkしかやったことがない。
この前書いた『香港キッス』を見るなどというのは、めずらしいことなのだ。あれは紙の写真集では出来ない芸当だ。荒木さんだから4800円出そうという気になるが、他のソフト? だってわたし、ゲームさえしないんだよ。

てなわけで、サンダーバードのがちゃがちゃにはとても興奮しちゃいましたさ。
@200円よ。1号2ケ、3号4号各1ケ。一番欲しかったずんぐり深緑の2号は箱の中にはすでに一つもなかった。お金がつまったので店の人にふたを開けてもらった時に確認。悔しいなあ。

アニメイトでガンダム鑑賞の手引き(そういう書名ではないぞ)を買う。放映20周年ですか。今思うと以前『菊屋』のコラムに榊原淳子さんが富野作品について書いていたけど何のことかピンと来なかった。でも、あの時は見たいって思わなかった。淳子さんの感性には勝てないと最初からあきらめていたからなのか。
実際カミングアウトすると、わたしには『巨人の星』から『美少女戦士セーラームーン』まで、20年間というすごい空白があるわけよ。『あしたのジョー』さえ知らないからなあ。

7月6日(火)晴

テスト問題を作り終わるとほっとして、採点まで頭がまわらない。むかしからのわたしの悪い癖だ。あさってにはもう返却したり評価を出さなきゃならんのに、このザマだ。

前の晩に年がいもなくチャットやったせいかなあ。眠い。

英会話。ほとんど1時間Jefが話していて終わったような気がする。敬語の特訓。
このごろ少しは大体なにを言ってるか、わかるようになってはきたが、一方的に話されるとなんだか釈然としない。わたしにも英語しゃべらせてくれよ。
古文のテストで上級者向けの問題を作る際は、敬語でせめたてるわけだが、日本語と同じように尊敬語と丁寧語の表現はあるわけだ、英語にも。謙譲ってのはないんだろうな。
今までこういうふうには教わってこなかったように思う。Jefはかなりきちんとそのあたりをわたしにたたきこもうとしている。話す相手、状況に応じた最適な表現をしないとほめてはもらえない。
きみはガイジンの感覚で話せるから、まだましなほうだけどね、とのことではありますが。

「すとれんじゃー (略)ふぁーすとたいむ みーてぃんぐ (略)ぐっ まなー」はじめて知らない人と話す時は丁寧ないい方をするものだ。人は誰も礼儀正しい人だと思われたいからね。と、Jefは言う。
そこいくと最近の日本の若い衆(の一部)はなってないね。知らない人にはとことん無礼である。親しくなってやっと普通のいいまわしで話したりする。とんでもないやつらだ。

それから、逆に最近の日本語の、やたら「……させていただく」っていいまわしも嫌いだ。消えてなくなれと思うぞ。へりくだる気持ちはわからんでもないが、へりくだったふりだけで実がともなわない。必要最小限にしろ。

7月5日(月)晴ときどき曇一時にわか雨

実家で荒木経惟『香港キッス』(97年/ジャストシステム/4800円)を見る。

iMACは『香港キッス』再生装置になってしまったのか。やっぱり常に手の届くところになければ上達はのぞめない。

次女の日本脳炎予防接種。まだ長男も打たねばならんのになあ。

はじめて某サイトのチャットに普通に参加する。
リアルタイム会議なんて、むかしはとんでもない言い方してたもんさね。>にふちー。

Y田先生が中2のご長男のためにWINマシンを購入。窓になれるべく特訓開始。
どちらが先に林檎と窓の両刀使いになれるか、って宣戦布告されてしまったのだが、わたしに勝ち目はあるだろうか?
数学の先生と勝負? 
「マウスにボタンが2つあるのは、じゃまだ」
林檎の人はみなさん、そうおっしゃいますが……。

7月4日(日)曇のち快晴

小学校の日曜参観。

だいたい、ここの一部の親は学校を社交の場と勘違いしている、ということは以前にも書いた。今回そんなに親の私語はないかと思ったら、やっぱり少しはいたね。
5年生の廊下から(廊下ならいいだろうという考えが間違っているんだよ)大きな話し声が聞こえるので誰か携帯でなんかしゃべってんのか! どこのバカ親だあ! と怒って見てみると、教育論をぶちかましている父親がいたんだよ。教育が必要なのはお前だよ!
「ほんっと、うるっせーやつだな!」というわたくしの下品なひとりごとを隣にいたM奈ちゃんの母上に聞かれてしまったじゃないか! ブランドきんきらきんの母親の世間話も、やなんですけどね。あのおやじにガツンと直接いってやればよかったなあ。

児童の自主性や個性をおもんじるという校風はいいとして、「そんなことで必要な学力は身につくのか!」とあせる親もいるし、「塾にまかせてあるから大丈夫」という親もいる。
うちはまだ野放しです。が、問題はこれで中学校にいって何点くらい取れるのかってことしか親たちの頭にないとしたら、そういう親の子は不幸だよってことだ。
しかしなあ、最近おかしいからな、うちの県は。中学校の成績だけで入れる高校が自動的に決まってしまって、どこの高校出たかで、その後の評価を世間が下しすぎる。
そうならないように、世間の評価に左右されない家風を先につくっておいたんだが、凶と出るか、吉と出るか。

パンちゃんの映画採点簿に今年見た映画のほとんどの採点を14本一気にまとめてアップ。お世話かけました、パンちゃん。
★★★★★=最高。★★★=普通。★=金返せ。という基準なんですが、また、わたしが暮れになって一覧表にしてみると★の数はかわってしまうと思う。同じ★★★★でも、『恋におちたシェークスピア』は映画館にいる間はとても楽しかった映画であるし、『永遠と一日』は映画館の椅子にすわったとたん、眠ってしまうという退屈さでありながら、その中のいくつかのシーンは今も時々、わたしの頭の中でくるくるまわるんである。

さて、どっちの映画の評価が高いのか? わたしは映画としてすぐれているとかなんかより、自分の好き嫌いを全面にだして★の数を決めようと、あらためて思ったね。
映画を、おもしろいか、おもしろくないかで評価したりもするけど、おもしろかったけど嫌いな映画もわたしは多いし、退屈だったけど好きな映画っていうのもあるのさ。

今度みんなで『スターウォーズ』見に行こうね、なんて話も出ているけど、最初からわかっているのは、わたしはたぶん『S.W.』をおもしろくは見るだろうが嫌いだろうなってことだよ。

7月3日(土)雨

自分が卒業した高校に勤務している、ということは以前にも書いた。
時々、ふっと現役の生徒さんのはずなのに、自分の同級生にあまりにもそっくりな人であるために「あ、……さん!」と目をみはってしまうことがある。

今年の1月に亡くなったU田M弥子が歩いてる! 髪型も背格好もそっくりじゃないか! 生き返ったか? まさかそんな。そう思ってよくよく見たらば、あーら旧1年1組のS島さんじゃあありませんか!

むかしのことですけどね、ちょっとおしゃれな人は校則では丸襟のブラウスになっていたのを男物のボタンダウンのシャツを着るのが流行っていましたね。
わたしのようなださださの演劇&文芸部員はそんな格好をしても「何、勘違いしてんの?」って見られて終わりだったでしょうが、M弥子とかAおいちゃんとか、そういうおしゃれな人たちのことですけどね。

7月2日(金)曇のち雨

こんな雨の日だが、とても楽しみにしていたイベントのために名古屋へ行く。

短歌を絶叫してきかせる歌人=福島泰樹のコンサートだ。
ご当地、初見参の福島。河出書房新社から全歌集刊行を記念したブックフェアと同時開催のこのイベントの仕掛人は、ちくさ正文館の文芸書の鬼=古田氏である。
氏から直接ご案内をいただきながら、きっとこの日はテストのせいで休みはとれないものとあきらめていたところへ、出来あがった時間割を見たら「これなら休める!」。ありがとう新人王。これで<絶叫>はわたしのものだ。

さて、正文館についたらレジのところに福島泰樹とおぼしき長身の帽子の男。
レジにいた店員が「先生」と呼んでいたから間違いない。なんだかなあ、どきどきするぜ。

この日わたしの購入予定の書は田村隆一最後の詩集『1999』(98年/集英社刊/2800円)。装丁が多田進氏であるのが大きな要因だが、この前、荒木さんが葬式の写真を撮っていたことを書いたせいもある。
絶叫ライブの前売券を買って、いざ今池。

途中、ビルの1階を屋台風に改造した飲み屋を発見。いい店だなあと中をのぞきこむと……そこに、福島泰樹を発見。あああ、一緒に飲めたらなあ。ライブの前に燃料補給か。すごい。

『絶叫 福島泰樹總集篇』(91年/阿部出版刊/3000円)と題されたひじょうに分厚い歌集を、わたしは持っており、とりすましたお上品な歌人らとは、一線もニ線も画した彼の歌をわたしは好きである。
できることなら、わたしも絶叫したい。叫びたいココロはあふれるほどあるのだ。

迫力あった。太く力強い声には十分魅了された。
だが、わたしには彼ほどに語り継いでいかねばならないと感じる<闘争>がない。
へたすると<逃走>しかないかもしれない。
しからば、いかにすべきか。「寺山さん」と彼のようには寺山修司のことを呼べないわたしは、これから何を書いてなにを叫ぶというのか。
田口RANDYは寺山さんに手紙を書いて返事をもらい、天井桟敷にもかかわっていたという。すごいよな。やろうと思えばなんだって出来たはずなのに、なんでそういう行動力が、当時の自分にはなかったのか。
手紙、出してみればよかったじゃないか。
後ろを振り向くな。振り返るな。過去は過去。前を向いて生きろ。

岸上大作も好きだ。彼の歌もたくさん叫んでくれてありがとう。
わたしには<闘争>はないが、かといってなんにもないわけではない。叫ぶぞ、わたしも。

外は雨の夜であった。

今、ふと気付いたんだけど、校長って岸上大作と同学年じゃないか?

7月1日(木)快晴

市制記念日で小中学校は授業がない。長男・次男は市の保育園に入れているが、保育申込書を出しておいたので子どもを見てくれる。休ませている親もいるが、うちにとっては、これはありがたい。
県立高校は休みなし。当たり前だ。でも休んだ奴がいた。中学生のまんまやんけ。だめだめだよう。

先述のhitomiの歌詞のことでメールをもらった。たぶんhitomi本人が作詞しているだろうとのこと。そうか、じゃあ、どこで「疾走するかなしみ」という言葉を聞いたんだろう。
小林秀雄は高校の比較的難解な現代文の教科書に掲載されることが多い。TKなら自分の高校時代にちらっと教科書で読んで知っていたかもしれないと思ったのだ。
そうだなあ、筑摩書房なんか小林秀雄が好きなんじゃないでしょうかね。

昨夜ここにいらしてくださった方が相当数みえる。なぜだろうと思ったが1行コメントの文言のせいだと気付いた。
荒木経惟について語るならば、性欲も食欲も出世欲もみんな横並びで上も下もないということをいいたかったというわけなのだが、言葉足らずだったか? コメントの割りに期待されるような扇情的な記述はなかったわけで、申し訳ない。



[最新][BACK][NEXT][学芸員日誌のもくじ][館内案内][表紙]

README