98年9月前半の学芸員日誌


[最新][BACK][NEXT] [学芸員日誌のもくじ] [館内案内]
日記猿人に参加しています。よろしければこのボタンを押してください。
初めて押した場合、登録手続き画面に飛びますが、驚かないで下さいね。

綱引き

9月15日(火)曇のち雨 夜半は久々の台風でいっ!

結婚したD達くんとMるちゃんにウルトラマンの絵葉書を送ったら、メールでお返事がきた。
「はがきに書かれたメモを読んで二人でけらけら笑ってしまいました」
あああ、いいなあ。こういうの目に毒。うらやましすぎるぜ。うちらにも共通の友人がいないわけじゃないさ。同級生なんだから、そりゃあ連名で年賀状が来たりもする。だがな、わたしほどには手紙やはがきに思い入れがなさすぎるというか、通信手段はすべて電話なんだな、やつは。
だから、はがきなんか来ても、フンって鼻で飛ばしかねないそっけなさ。なんだかなあ。同級生からの電話だってこっちにはまともに取りついじゃくれない。
「K澄くん、なんだって?」と聞いても木で鼻くくったような返事だしな。翌日、別の友だち=Y本さんがあたしに直接電話してくれて、はじめて全貌があきらかになったことだってあるのだ。このまえの同年会のことだけど。
で、その電話をめぐってK澄くんとY本さんの会話。(二人とも市役所にお勤め)
「あの夫婦ってほんとに会話がないんだね」
「だけど、子どもが4人もいるんだよね」
ま、子ども作るのに、いちいち会話はいらん。
そうさ、恋愛の延長線上で結婚した人たちもいるし、恋愛とは別に結婚相手を選んだ人たちもいる。
うちらはこんなにかみあわなくて、まるで仮面夫婦のまま、いつまでもいきそうな感じだってのに、なんであんなに愛にみちていたM加ちゃんとこやF川さんとこが破綻しなきゃいけないのか。苦しい道のほうをあえて選んだM加ちゃんより、あたしは相当うそこきだ。

親愛なるニコラス・ケイジさま
昨日は<大根役者>呼ばわりして、ごめんなさい。なんだかんだいってもニコちゃんのことは好きなんだからね。『City Of Angel』は駄作(その後、これは前言撤回することに……)だったとしても、次回に期待しています。今度はまたぜひ冷徹な悪役なんぞをやってください。極東の島国より、愛をこめて。

そうだ、D達くんにはその昔、NIFTYの小説工房というフォーラムにあたしが書き込んだものを、データライブラリにまとめておさめるというのを手伝ってもらったことがある。(その節はたいへんお世話になりました)自分が今まで書いたもの、パソコンも2台め、3台めになってくるとハードディスクに入れてはあるんだが、わけがわかんなくなってやしないか?
うううん、フロッピーに保存した記憶もかすかにはあるが……。あてにならん。ま、活字になったものや、NIFTYにアップしてあるものは安心してていいわけだが(ほんとか?!)他のものだっていつ消えてなくなるか、こうなりゃいっそのことHTMLファイルにして、いつでも読めるようにしておくのもいいかな?
と、さっきまで思っていたんだけど、やっぱり<過去は過去>だね。見せたいものとしまっておきたいものの区別は厳然としてあるね。なんでもかんでもさらしてしまうのは考えもの、表現者として許せる、許せない、恥ずかしいというレベルの設定は不可欠。
『定時制高校物語』とかは公開しようか。どう思う? D達くん。

9月14日(月)晴 夜半に雨

明け方、ずいぶん気温が下がるようになって、次男がかぜを引き、あたしも調子が悪い。

『コン・エアー』がやっと借りられたんで、見た。ふふふ、でも、ひょっとしてニコラス・ケイジって大根? おんなじ表情だぜ『FACE/OFF』の時と……。
となると『シティ オブ エンジェル』でもあの顔でいくのか? さっそく見てきたパンちゃんの映画採点簿によれば、なななんと酷評。★は最低の1つだけ=金返せ、だってよ。
そうか、そうか、そうなのか。『FACE/OFF』の時、黒いコートで空港にあらわれたニコちゃんがあんまりかっこいいんで「こいつで一発ひともうけ」ねたは『ベルリン・天使の詩』でいくべ。とあっさり企画がまとまり、安易なストーリー展開で客をだまして金もうけって魂胆だったというわけさ。
見たかったんだけどな。恋におちる必然性がないんだって……。そういうラブストーリーだったら嫌いだ。
『コン・エアー』を返しにいったら『ベルリン・天使の詩』を借りることにしよう。

むかしの男から電話。「伊藤俊也っていえば、むかしは『女囚・さそり』を撮ってたやつだぜ。そいつが撮ったんだから『プライド』だってばかにはできん。なかなかよかったよ。今年の夏の収穫だったね」
なんか東日本ハウスが金を出したってだけで、全然見る気にはなれなかったんだけどな、あたしは。偏見を持たずに評価をくだせるってことも必要なのかも。

9月13日(日)晴

あああ、日曜日ってのは疲れるな。
休日ぜんぶ自分のために使えたころがなつかしい。なつかしいが、戻りたくはないな。さびしかったし、先が見えなかった。でも、一日だけならいいかな。あああ、疲れてるぜ。

9月12日(土)晴

不覚にも先日まで田村隆一の訃報に気づかずにいた。
やっぱり世界の映画監督と酔いどれ詩人ではニュースの大きさもけた違いだ。
ってあたしがぼーっとしてただけか。ううん、ショックだなあ。感度悪いぞ、あたしのアンテナ。

9月11日(金)晴 暑い

お昼前、お弁当を作り始めるまでのちょっとした時間に、毎日あたしはページの世話やら、なんやらやってるわけですが、今日は久しぶりに意外な人から電話もらっちゃいました。
「みさきたまゑさんでしょうか?」いくぶんおずおずと、その男性はこう聞くのさ。
「はい、そうです」
「ミズキと、いいますが……」
「水城雄さん?」
「はい」
「なあんだ、水城さんかあ。やっほー」
「ああ、たまさん、ひさしぶりー、今なにしてんの?」
「ホームページ見てんの」
「ふううん、やってんだあ」
「やってるよおおお」
てなわけで、作家水城雄さんの用件というのはこうだった。
この、なんでもかんでも、マス=大量=大規模=パソコンで一発、の世界にあって、あえて小人数を対象に表現活動をしている人を知らないか? というのだ。
そう、ちょうどあたしもそれ系の人の出してる本の書評を書こうとしていたのだよ。こんな書き出しで……。

「今どき、こんな……」といいかけて、はっ、と口をつぐむ。そんな感じ。「今どき、こんな……」の何がいけない? どこが悪い? そうだよ。なんでもかんでも<売れさえすれば、それが正義>のこの世の中に「これじゃあ、売れないよ」ってモノで挑む勇気をかおうじゃないの。

「たまさんなら、そういう人をいろいろ知ってんじゃないかって思ったんだ」と水城さんはいうわけさ。
ふっふっふ。お安い御用でいっ!
そうだよな、これはあたしの<売り>かもしれんよ。完璧文系で、パソコンのことは本質的にわかっちゃいない。なのに電脳系であり、かつまた旧来の(=60年代後半からの)ミニコミ派としても実践している。
【電脳系・ミニコミ派】で行こう!

9月10日(木)晴 暑い

亡父の命日である。合掌。

そんでもって『本棚の溜息』の工事、ひとまず完了。壁紙いろいろ工夫しました。いらしてねん。
上の綱引きもかわいいっしょ?

9月9日(水)晴 暑い

重陽=菊の節句である。
深夜俳徊に載せていた「クラス会夢は高きに登りけり」であるが、昔、重陽の日に「登高」という行事があったという。読んで字のごとく、高いところに登って菊酒をくみかわし、厄災をはらうわけだ。
あたしは『子規新報』という俳句の月刊冊子を定期購読していて、これは松山市の創風社出版という地方小出版社が発行している。これに絶滅寸前季語保存委員会っていう企画のページがあるわけだ。
そういうわけで「高きに登る」が登場した。クラス会が出てきた、そのココロは「夢だけが高きに登っていってしまい、現実はやや低きに流れている」ってことあたりですかな。なんつうか、その……。

次女の水泳大会。クラスのほかの女の子たちのように群れて騒いで大声援を送るということをいっさいしないで一人でぼーっとプールを見ていた。時々、こっちを振り向いてはあっかんべーをしたり……。で、やつが泳ぐ時もあんまり声援がなかった。

体育大会といっても実質は運動会レベル。玉入れの道具を借りに隣の小学校へ行ったら、ちょうどそこの先生をしている同級生がいて、教頭に話しをしておいてくれることになった。
「かわりといっちゃあ、なんだが、わしらの学年だけの名簿ちょうだい」
「お安い御用でいっ!」

9月8日(火)晴 暑い

今日は朝から絶好調で、保育園へ行く前にせんたくものは干してしまうし、弁当はできちゃうし……。
で、保育園の帰りに郵便局ではがきを19通書いて出して、うちへ帰ってページのメンテナンス。
ささっと、昼ご飯。午後は次男の三種混合の注射。さらに晩御飯の準備。出勤。
出勤前に修理から帰ってきたmobioに充電して、職場では電池がなくなるまで、これを使った。電池はすぐになくなっちゃうのであった。

9月7日(月)雨のち晴

岡崎市美術博物館の次回の催しは、かの内田修コレクション第二弾である。レコードジャケット展示されても、あんまりありがたみはないんだけどね。
目玉はドクター内田が一声かければ、ミュージシャンがいっくらでも集まるってことにある。でだ、期間中の休日はもちろんコンサートがある。9月23日にはなんと浅川マキとピアノの渋谷毅が岡崎に来るというのに……、その日は小学校の運動会なのよねえ。
「運動会やっぱり行かなくちゃいけないよねえ?」と言うと、ムスメたちも自我がめざめてきたからかどうか知らんが「別におかあさん来なくても平気」というではないか。
やっほー。「じゃあ、おかあさんはばあちゃんとお墓参りに行って、それからそれから……」
でも、だめだってさ。「家族が来ないなんて家はないぞ。弁当の時間まではぜったい行ってやれ」とだんなさまのご命令。はいはい。じゃあ行きますってば。

で、今日はというと、長女の水泳大会だった。小雨決行。長女はなんと選手宣誓をやった。水泳は得意なんだよね、走るのだめだけど。
いつもより、おかあさまたちの衣装が地味なような気がしたんだけど、単に天気が悪かったからかあ? 最初の年には水泳大会なんだからってポロシャツとジーンズで行ったら、シルクのスーツ着てんのがいて、びっくりしたもんさね。で、今日はあたしも負けずに、なんかわざわざ着替えていったんだよ。お気に入りのワンピースに。長いドレスもなかなかいいよね。ポケットないのは本当に困るけど。

9月6日(日)雨

亡父の三回忌。といっても母と子どもとお寺まで行っただけ。雨で墓参は中止。

そういえば、2日から3日にかけてアクセスが急増し、今はまた以前のペースに落ち着いたのだけど、Yahoo Japanに登録されたのが2日だったのだろうか。
5月下旬にはじめて登録しようとしてから、いつまでたっても登録されず、合計4回登録に挑戦したというのは前にも書いた。もう我慢も限界だったぜ。3日に苦情受付のアドレスを雑誌のほうのYahoo編集部で教えてもらい「いったいつになったら登録してくれるんだあああっ!」って抗議メールを打ち上げ、送信する前に念のため……ひょっとして……と思って検索してみたら、登録されていたのであった。何じゃいな。
メールこなかったぞ、と思ってMLに書き込みしたら、もう登録前にメールで連絡なんて面倒なことは、とうにやめているとのこと。N西さんが7月に登録したら、1週間で登録完了のメールが来たっていってたのに、ま、結局きらわれていたんでしょうな。
一昨日から掲示板もあるし、本格的だぜ。2級くらいには昇級したかな。でもたぶん……凡ミスもあいかわらず多いんだ。昨日まで、この日記のページの下の方、ファイルがちょんぎれてたかもしれません。

9月5日(土)晴のち曇

掲示板の日だった。
何となく、NIFTYのほうで開いているページのファイルをつくっているうちに、せっかくだから掲示板つけちゃえー! って思って作りに行ったら、それがまああんた、あんまり簡単にできちゃったもんだから、こっちのページにもつけようと思ったんだね。
それで、プロバイダ=DTIの掲示板のつけかたを読んで、必要なファイルをダウンして、なになにZIPファイルだと? 圧縮されてんじゃ、解凍せなならんだろが……、むむむ、解凍がうまくいかないぞ。それにさ、解凍したファイルに自分のID入れて、さらにDTIに転送して……だなんて、なんだか全然うまくいかないのよ。
で、いっそのことNIFTYの掲示板を2つのページのどっちからでも使えるようにしたらどうかな? と思ったわけさ。すごいだろ。
で、やってみたら、これがまた大成功。いやもう調子いいわ。だけどさ【本棚の溜息】から掲示板に来た人は、【めもあある美術館】が出口なんで迷子になるかも……。
というわけで、ちょっと寄ってかない? 掲示板【さろんどめもあある】へはここをクリックしてね。

9月4日(金)曇のち晴

次男の1歳6ヶ月児検診。
満足に歩けないし、おでこの頭骸骨は完全にふさがっていないし、身長は伸び悩んでいるし……。ははは、こまったなあ。でもいいんだもん。
赤んぼのおでこの骨のぺこぺこへこむところ=「大泉門」ってすごい名前だこと。

長女が市の図書館で借りてた本の返却をすっかり忘れていて、電話で請求されたので、あわてて返しに行く。
ついでに。篠田節子『女たちのジハード』と小林恭二の 『猿蓑倶楽部−−激闘! ひとり句会』の2冊を借りてきた。篠田節子、旬なのに初めて読む。まるちゃんが感想をページに書いてたなあ。あとで読みにいってこよう。

図書館といえば、今日どういうわけかトーハンから『書店経営』という書店向けの情報誌が来ていた。軟骨読者のT松さんがくださったのだろうか。
その中に津野海太郎さんが「活字出版のゆくえ」連載している。以下引用。
「公共図書館がベストセラー本を何十冊も何百冊も購入するのは、そして、あまり一般的に読まれそうにない本はただの一冊も購入しないのは、図書館の成績が貸し出し冊数と回転率によってはかられてしまうからである」
「図書館が市民サービスというときの市民も、実際には、この「いますぐ売れる本」をただで読みたいという、けちで堅実な人びとにすぎないのである」
あたしってば、けちで堅実な人か?

9月3日(木)晴

まだ見ていなかった『シュルレアリスムの巨匠展』を見に美術博物館に来ている。
展示作品はぱっとしない。というか、これじゃあシュールを誤解する人がいるかも……。一つの美術館のコレクション=仏ポンピドー・センター所蔵品を中心とした展示では対象がすでに絞りこまれていて、こんな極東のいなかの美術館には無理がないか?
Yちゃんが「シュールとは何かってことをわかりやすく理解させようという(教育的な)配慮があまり感じられない」っていってたが、そのとおりだよなあって思ったよ。
ポール・デルヴォーの「青い長椅子」はとてもよかった。いい絵だ。いい絵はエロティックである。
あと大収穫だったのは、あの有名な実験映画=『アンダルシアの犬』を見たことです。眼球と剃刀のあれ。まだの人は見よう。6日まで。それにしても立派なセミナールームだったなあ。座いすのシネマテークも、あれはあれでいいんだけど……。
あのあと『アンダルシアの犬』の監督の名前をド忘れしてしまい、ここに書くにあたって美術館に電話して教えてもらった。
たぶん答えてくれたのは学芸員氏ですな。ルイス・ブニュエルでした。70年前の28年の作品。わずか15分でありながら、後世に多大な影響を残した。脚本をブニュエルとダリが書いている。
あたしはどっかでスタンリー・キューブリックの名前と『アンダルシアの犬』とが結びついていたので
「キューブリックって何の監督でしたっけ?」と聞くと、即座に
「彼はね『2001年宇宙の旅』や『時計じかけのオレンジ』で有名ですね。関連性はありますが、時代が違いますね」
「それから、この映画はダリのデビュー作品です。絵を描く前にこの映画でものすごい評価をうけたんです」
ほかにも、どの場面にダリが映っていたかとか、親切に教えてもらいました。いやあ、この学芸員氏って、どんなかたなんでしょう。じかにお話を聞きたくなってしまいましたわん。

9月2日(水)晴

出勤すると、黒板の連絡事項に「パソコンについて」とある。ふむふむ、昨日のあれだな。というのは、昨日の帰り、同僚のYちゃんとV.V.O.へ寄ったんだが、その時Yちゃんが
「学校にねえ、ノートパソコンが20台入ったんですよ」っていってた、あれだ。
さっそく借りてきて仕事に使ってしまいました。体育大会実施要項(案)プリンタドライバが違うかな? と思ったのでFDに落として事務室でプリントアウト。オッケー、オッケー。
もう自分の重いおもーいノート持ってこなくてよくなっちゃった。うれしいけど、ちょっと寂しい気もする。

9月1日(火)晴

朝から、ヘリコプターがぶんぶん飛びまわっている。防災訓練だってか。
いやあ9月になっちまいましたよ。壁紙もぐっと秋の雰囲気にしてみました。あの満天の星空のBGもよかったけどな。
防災訓練、やけに大規模にわーわーやってるなあ、と思ったら、O崎市主催ではなくて、愛知県の訓練だったらしい。昼間、大きなアンテナを積んだ中型トラックが横を走っていた。もちろん訓練の帰途らしい。側面をみたら「衛星通信アンテナ車載局」と書いてあった。NTTの回線がパンクしたら、これが活躍するってわけか。ふうっ。

[BACK][NEXT]
[最新]
[日誌のもくじ]
[館内案内]
[表紙]