98年3月の学芸員日誌


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3月31日(火)晴風はつめたい 

満開の桜の下で近くの会社の人たちが制服のまま、昼のお弁当を食べていた。お花見らしいお花見って最近してないのよねえ。子どもを連れていけば、あれ買って、これ買って、ばっかりで、うんざり。あっ、金魚すくい。あっ、綿あめ。あっ、たこ焼。ええいっ、いいかげんにせよ。

3月30日(月)晴 暖

きのうは黄砂だと思っていたが、優雅な春霞だという人もあり、かすみという解釈のほうがきれいよね。
このホームページ開設後はじめて、本当に見ず知らずのかたからのメールを受け取った。『めもあある美術館』を小学校でならったという熊本のかただ。
書皮協のページのアクセスが増えるとこちらへ寄ってくださるかたも増えてきたわけだ。
メールを下さったお礼に『めもあある美術館』のコピーをさしあげます、とお返事したら、ぜひくださいというすばやいお返事がまた届いていた。
あたしはこうやって、この物語を手から手へ届けていく作業もとてもおもしろいなって感じた。
いえーい、まるでポストマンみたいじゃないか!

3月29日(日)晴 暖

さくらはほぼ満開。
いきなり黄砂が……、あたり一面ぼおーっとかすんで、花曇りというより「つちふる」である。
黄砂=つちふる春の日々をそんなにわたしはきらいではない。だいたい春は緊張するし、いそがしいしで嫌いなんである。だけど、黄砂にけむる町をながめているのは好きだな。
昨日のように子どもが早く寝たら本を読んで……っていう生活をむかしはずっとやってたのに最近は違った。
ごみもほこりもぐちゃぐちゃで、いろんなことどんどん忘れて、やらなきゃいけないことはどんどん増えて……。冬のセーターのせんたくは今日も続く。

3月28日(土)晴 暖

一気にお花見日和。
『自虐の詩』を読め。
『自虐の詩』に泣け。
ついにRANDY 推薦の『自虐の詩』を手に入れることができた。
最初BOOKOFFで見つけてぺらぺらやった時、ほんとにこれがあのRANDYのいってた本だなんて信じられない感じがした。だって四コマのきったない絵のギャグマンガなんだぜ? なんかのまちがいじゃないかと思った。
でもたしかに幸江って女が出てるから、ま、いいやいつか読めば、とりあえず買っておこうと思って買って帰ったわけさ。
で、子どもが早く寝たので、いつもならパソコンのふたを開けるところだが、買ったばかりのマンガを読もうとした。
まず、上下2巻。上巻の最後に内田春菊のインタビューが載っている。偶然というか『自虐の詩』2巻と内田春菊のも1冊買ってきていたんだった。
彼女いわく「『自虐の詩』は想像力のない人には泣けない。『自虐の詩』を読んでその人の想像力について知ろう!」
うわあ、なんてプレッシャー! もし涙が出なかったら、想像力欠如者の烙印を押されてしまう! そんな! もし泣けなかったらわたしはわたしをどうやってなぐさめようか。わたしはわたしを許せるだろうか。
はらはらしながら読みはじめた。すぐには泣けない。
だって絵はきったないし……、なにしろギャグまんがなんだぜ。どきどきしながら下巻へ。
きたきたきたきた、熊本さんのくだりでぐわあああんと。あとはだだだあっと泣けるんです、これが。
正直、ほっとしました。
しかし、たかがまんが2冊で泣けなかったら生きていけんぞ、と緊張しながら読み、あああよかった想像力がそこそこあったんだわなんて安心するなんざ、尋常の読書行為というにはハードすぎますわ。
ところでこれ、絶版らしいので、古本屋で探すべし。竹書房刊、文庫ギャグ・ザ・ベスト。
しかし、絶版とはなさけない。ここで書いたところでさして影響力はないが、名作である。読んで泣いたら人にもすすめよう。手っ取りばやく読みたい人には貸してあげてもよござんすわ。

3月27日(金)雨

職場からちょっと帰ってきて、昼食を……。なんて思って、そのままこれを書いてアップして「いったい、いつ職場にもどるのかね?」
部屋の中にはこの前洗濯した冬のセーターが何枚か……。もう冬物はしまってしまおう。春だ、春だ、春がくるんだから。
春がくれば、マンションの組長も交代だ。でもなあ、保育園の役員が今度はまわってきてしまったよ。とほほのほ。

3月26日(木)晴 暖

たいへん多忙でございましたとさ。

3月25日(水)晴

今日から本格的に昼間の仕事になる。朝刊の志願者数を見てびっくり。
中日スポーツを職場で見たらアカデミー賞は『タイタニック』。
そうかあ。昨日そろばん塾の帰りに映画館の横を通ったら長女と映画のはなしになり『フラバー』や『マウスハント』はビデオでもいいけど、『タイタニック』は見たいな、というのだ。だったら早く言ってくれよ、つれてってやったのにさ。もう一度見てもいいが……。

3月24日(火)晴

上のムスメたちとトイザらスへ行く。最近やっと慣れてきたが、あの巨大なおもちゃの山は圧迫されるようでからだによくない。
買ったものはおもちゃのデジカメことゲームボーイがカメラになるというあれである。もうこれでお年玉はつかいきったな。

3月23日(月)晴

ついに見たぞ『タイタニック』
はなしのタネにというか、みんな見てるんだからというあたしらしくない理由だよ。なさけない。
筒井興行のスタンプがちょうど5個たまって次回は無料でご招待。なら今からもう1本、いってみようってんで、隣の入口へ移動。『ポストマン』も見ちゃった。グレート斎藤=ポストマンはこの映画、どう見るだろうか。

3月22日(日)晴

配達で一日おわったようなもの。何してたっけ? って感じさ。
V.V.O=ヴィレッジヴァンガード岡崎の近所にお住まいで現代美術の企画画廊におつとめのフロッサ嬢のホームページで日記を拝見してみると、ちゃんとここで本を買ってらっしゃるご様子。
本店ほどの規模ではないそうだが、それっぽい品揃えはしているそうで、ふむふむ、ご同慶のいたり。

3月21日(土)晴

お彼岸で墓参り。年に2回のお彼岸とお盆くらいはなあ、と思って行く。だが疲れ果てているのだった。
墓地は町を見下ろす大規模なもの。ご町内にお住まいのかたはご存知の場所。
そこへ行く途中に「わあおうっ、あのロゴは?」まさかの岡崎出店、ついにヴィレッジヴァンガードが岡崎にもできていたの。

3月20日(金)雨

市内の小学校とうちの学校を3年で出る人たちの卒業式。異動内示の翌日でもあったのでいろいろ来年度のはなしでもちきり。

3月19日(木)晴夜半は雨

異動内示があるから、午後1時ごろの居場所を明確にしろ、なんて電話が朝っぱらからかかってきて起こされてしまいました。あたしゃ、関係ないんですがね。
昨日、発売の奥田民生のアルバム。タイトルがよかった。『股旅』。『さすらい』というとあたしには小林旭なんだけど、まいいや。陽水も昨日アルバム出していた。こちらは『九段』。意味はあるのだろうか?

3月18日(水)晴

新しい免許を受け取るために講習をうけなきゃいけなかった。
この講習って受ける時と警察でビデオ見るだけでいいときとあるけど 、もちろん無事故無違反だとビデオですむ、というのはわかる。今回、あ、東山でシートベルトしてなかったんだ。あうち。でも先回は事故ったのにビデオですんだのはなぜだ?
で、講習でいわれたんだけど、今回ゴールドカードを取り損ねたわけで、3年後の書き換えの際、5年前にさかのぼって、無事故無違反なら晴れてゴールドカードを手に入れることができるの。
わたしが東山でつかまったのは2年前の2月22日、誕生日の3日前。書き換えに行った日の5年前じゃなくて誕生日の5年前でいいんだろうな。知ってる人いたら教えてください。
今度からいわれる前にシートベルトしますね、要くん。お酒も……。飲む時はタクシーでいかなきゃなあ。

3月17日(火)晴

この春で定年退職される同僚がロッカーの整理をはじめた。今日、出て来たものは古いニコン、Canon。シャッターの音もカシャンといい音がする。カメラというのはいくら古くても壊れてさえいなければ、フィルムを入れれば写真が撮れるということ。パソコンじゃこうはいかない。古いことが何の自慢にもならない。壮大な世界規模のむだづかいかも。

3月16日(月)晴

アサヒドーカメラのラジオCMで「所得税減税であなたのふところにもきっと余裕があるはず」なんていってたが、このことだったのか…….余裕と呼べるほどのものではないな。
仕事の帰りにやっぱり寄り道して、あおい書店とか行ってみたけど、パソコンの雑誌もなんだかほんとぱっとしないというか、いろんな機種が出てんだなあ、とは思う。でも、欲しいものってなかなかないもんだ。LXが使えるようになっててよかったよかった。

3月15日(日)晴 風強く寒い

原稿がらみで頭のなかに入れていたことがらなんだが、SMAPの『夜空ノムコウ』やMr.Children『ニシエヒガシエ』など、今、この時代カタカナはPOPか?
カタカナといえば、最近遅ればせながら『夏の花』を読んで原民喜も「カタカナでかきなぐる」と前置きして「ギラギラノ破片ヤ」を引用している。最初はあの「コレガ人間ナノデス」も『夏の花』本編に入っていたという説もある。
あの一連の詩や有名な『永訣の朝』には実際、カタカナでなければここまで感動はつたわらないだろうなという表現の必然性を感じるが……。
わかものには感覚がすべてってとこもあるからな。カタカナはめずらしけりゃ、めだつわな、そりゃ。ミスチル桜井の本歌は陽水『東へ西へ』なんだろうか。ってことはミスチル世代は新古今に相当する技巧と様式美が売りか?
『夏の花』は映画化されていなかったように思ったので、かわりに今村うなぎ昌平『黒い雨』をビデオで見たのだが、音楽がぐわーんと暗く深刻で誰かな? と思ったら武満徹だった。
どうも高尚すぎてわたしは苦手だな、大江〜武満ラインっていうのは。

3月14日(土)晴

要くんからメールが来ていた。ビートルズのCDの中に聞き覚えのある曲がずいぶんあるそうだ。そりゃそうでしょうよ、としかいいようがない。「なんでも鑑定団」のテーマだって「HELP!」イントロが「じゃーん」だけの「HARD DAYS NIGHTS」だってみんな聞いたことあるにきまってる。
そうそう、明治村で帝国ホテルに感動したとのこと。ライトフリークの友人がいるなんて、すてきなことじゃないか。
最近の建築家というと、誰がいるんだ? 安藤忠雄くらいしか思い浮かばない。建築家をめざすなら豊田市美術館で今、開催中のいすの展示は見ておいてもいいんじゃないか? 美術の教科書に載ってるような有名ないすはみんなあったぞ。

3月13日(金)晴 月夜

帰宅途中で寄り道。いつもの戸田書店ではなく、少し遠いしーがるまで。で、奥田民生とスピッツのアルバムを予約。
最近、いわゆる女性誌をいっさい買ってないことに気づいた。ま、いいけど。いらないってことだ。
いつもは見向きもしない雑誌のあたりをうろうろする。釣り、模型、GUN。鉄道模型の雑誌があるらしいということは知っていた。いやはやいろんな雑誌があるある。『Nゲージマガジン』を手に取る。
模型で信越線廃線区間=横川軽井沢の鉄橋を再現してある。すごい。「携帯鉄道」これがいい。木箱のなかにおさまるほどの最小のジオラマ。モバイルといえばパソコンの時代に鉄道模型を持ち歩こうなんてすばらしい。
ほしかったが、所持金がもうない。あとで出直しだ。
文具売り場でよくとおる声が……「これはねえ、ぼくが北高にいたころにねえ」ふりむくと陽明先生がコピーを取っていた。

3月12日(木)曇ときどき雨 月夜

保育園の行事=お別れ遠足でお弁当がいるんだったが、朝起きたらもうできていた。うれしい。
でも雨あがりで地面がぬれているから公園まで散歩したら、すぐ帰って園で弁当を食べるらしいぞ。
というわけで、空いた時間で「FACE/OFF」を見ましたとさ。

3月11日(水)曇のち雨

名東区まで行くなら高速でびゅんびゅんに限る。
『YOYO:16号』の二校を一社の土川さんとこでやる、という連絡が入った時、忙しくてとてもじゃないが行けないぞ、と思ったんだが、まあ、名東区なんだしすぐじゃん。そう思いなおしてでかけた。
校正をロッテリアの2階でやるなんて、学生みたいでわくわくした。若い学生たちのグループもいくつかいて、卒業文集みたいのを作っていたりした。
平和な学年末の風景。
吉広さんがいうのさ。
「たまゑちゃん、4人も子どもいるのに、伊藤比呂美みたいに子どもとのかかわりの中でぐわーっと作品が沸いてくるってことはないの?」
「ないの。全然ないない」
「ふしぎねえ。あんた、こんなことばっかり考えながら、子ども育ててんの?」
「そう」
伊藤比呂美はすごいけど、わたしは彼女じゃないんで。

3月10日(火)曇

ファジーズガーデンで本を3冊。平凡社:荒木経惟文学全集の2、アラーキーと杉浦日向子の『東京観音』こっちは筑摩書房、それからユリイカ増刊号:たけし特集。
「昨日、『HANA−BI』を見たんだよ」と亭主にいうと「くだらない」と相手にもされなかった。
「たけしの映画はほとんど見てんだもん」
「けっ」
「自分だってたけしの番組とかよく見てるじゃん」
「たけし自体はおもしろくもなんともねえ。あいつは狂気をわざと演じてるんだぞ」
たしかにたけしのどこがおもしろいんだか、とわたしも思う。だけど、映画のほうはなんとなくああいうのが、とても好きだ。
「いや、しかし『砂の器』『八甲田山』における芥川也寸志のようにだねえ、日本の映画音楽の叙情的な伝統をうけついで、さらに……うんぬんかんぬん……久石譲はすばらしいわけだよ」
「日本の映画らしくて暗くてよかったんだから」まったくなあにいってんだ。ほめてんだか、けなしてんだか。
いやあそれにしても、この先、日本映画界に「復興」の目があるとして(ないかもしれん)それはかなりの部分で久石譲のおかげであろうぞよ。

3月9日(月)晴

わおおおおっ。『HANA−BI』を見てきたぞ。
『噂の真相』によると、賞を欲しがるたけしは俗物に成り下がったと、さんざんだが、むかしのたけしをよく知らないので、そんなに俗化したとは思えない。今までどおりの北野監督作品に見えた。
ただちょっと、自分の娘と自分の絵がねえ。俗物といえば、そのあたりがいえなくもない。『ソナチネ』とどっちが好きかと聞かれたらわたしは『ソナチネ』の方をとる。
それはさておき、久石譲は偉大な作曲家であることよ。売店で久石のCD(サントラではなく、ナウシカなども入ったもの)と『キネマ旬報』の増刊号を買った。パンフレット800円は高すぎ。どういうことだよ。

3月8日(日)晴

昨日の夜の長電話。
「ねえ、はっぴいえんどって知ってる?」
「知ってるにきまってるじゃん」つらつらと彼らがいかに偉大であったかを説明するわたし。ぺらぺらぺらぺら、はっぴいえんどとその時代のことを話し始めたら、もう止まらない。
「ちょっと待って。その松本隆って、あの……」
「赤いスイトピーも、木綿のハンカチーフも……」
「うっそー、すっげー、信じられない。あの人作詞家じゃないの?」
「うそじゃありません。その彼が作詞家になる前、一ドラマーであったところにあのバンドの偉大さがあるのだよ」
「大瀧詠一もいたんだって? あのキムタクのドラマの……」
「ほれ、『幸せな結末』を英語でいってみい」
「はっぴいえんど……」
「わかったか」
つらつらつらつらと70年代以降の日本のフォークロック史の講義は続く。向こうは「日経エンタテインメント」とやらを開きながらしゃべっているらしい。
「ここに書いてあるとおりだよ。うわああ、今までタメはって口きいてきたけど、いろんなこと知ってんのね」
「いってもどうせわからん相手だと思っていわんかっただけ」
「げっ、むかつく」

3月7日(土)晴北風強し

どうも暖冬で、冴え返ることも、寒のもどりもないなあ、と思っていたら、今日それが来た。こういう日に葬式っていうのも葬式の思い出にはなる。
名古屋までの往復でA5で1ページ相当の原稿が書けるな。サブノートパソコンも欲しいなあとか最近おもうんだけど、画面を他人がきっとのぞくだろうなと思うとたまらんぞ。その点LXはのぞきこまれたところで、よほどの視力がないと内容は読めないのでありがたい。
学校でK藤が「先生、今日インターネットやった? 昨日あれから要くんちからメール送っといたで」あらまあ、ごくろうさんです。
「今K藤さんと飲んでいます」ってか。じゃあ、こっちもビールをあけよう。

3月6日(金)晴

テスト最終日。わたしは休みであるが、わけありで午後6:30に学校にいた。
で、テストがすんだ生徒=要くん、グレート斎藤、K藤くん、S間だんなを載せて一路、西をめざす。一宮インターをおりてすぐのレストラン織部亭にて柴田英年さんの個展オープニングに行くのだ。
ところが、今日はほんとに渋滞してましたんです。まいったぜ。
それでも8:00には到着。ま、たしかにオープニングパーティーっていうのは、出てる料理や飲み物はただではあるが、絵も見ないうちから、飲んだり食べたりされると引率者としてはたいへんに恥ずかしい。以後は気をつけてもらいたい。
柴田さんには展示室にもある、かさごの書票をつくってもらっているが、本来は現代美術の作家なので、具象=何が描いてあるかがわかりやすい作品をつくらない。かさごの書票を見て「わたしも一つ……」と彼に書票を依頼された方があったのだが、注文と作家の方針が一致しなかったこともあった。
わたしは現代美術のほうが具象よりえらいんだって単純に思うんで、どうも具象をやってる人のことはばかにしていたりする。「今さら具象なんてねえ、高校の美術部じゃないんだからさ」なんていう不遜な発言もするんだけど、態度でかいか?
たださ、自分が書きたいのは現代詩であるが、読んでこころが休まるのは大正期の近代詩だよなあ、なんて、時としてしみじみ思うこともあるわけで。それとこれとは話が違うかもしれないけど、今は現代なんだから、近代詩を書くわけにはいかんように、アートも近代アートをやっとる人なんかはばかにしちゃったりするわけなんです。

3月5日(木)終日しとしとと雨

またも放浪の旅へ……。
ってのはおおげさだが、もう、いいかげんにしろ! 採点しろよ。原稿書けってば。
で、どこまで行ったかってえと、豊田市美術館。
椅子の展示はまあ、置いといて……どこに置くんだか。
このしとしと雨はひとつき早く菜種梅雨がきているな。こんな雨の日は、広々とした石畳に降る雨をずっと見ていてもいいくらいだ。椅子なんか見なくても。
ここには初めて来たけど、静かな隠れ場所を見つけておいたので、今度行きましょう。誰と? 

3月4日(水)晴

早めに職場を出て、ちょっとドライブ。ええっ、渋滞! ところが、どんどん走っていくうちに渋滞現場を通り過ぎる。あの程度では渋滞とはいわんぞ。さすがは日本の大動脈=東名、名神。ちょっとの事故なら、ぱぱぱっと、処理してしまうということなのか。
いっこうに原稿が書けませんですなあ。
ま、いっか。ページに梅も咲いたし……。梅といえば春の花のスターターだが、第3走者の沈丁花などはすでに、2月なかばごろに開き始め、今、あちこちでぷんぷん匂っている。
このぶんではアンカーの桜は3月中に咲ききってしまうだろうな。おいおい、また暑い夏が来るのかよ。

3月3日(火)快晴

仕事のかえりに戸田書店でなんかCD-ROM付きのムックで素材集とかないかなあと、探しにいったら、以前も買ったことのある『HomePageマガジン』の春の号はあった。さくらのイラストだとか、パステルカラーの壁紙もいいけど、いまさら1800円も出す気になれない。フリー素材のページまで行くのがめんどうなだけなんです。
自分でなにがどこまでできるかが問題なんだよ。で、『Quick Japan』の18号を1冊買っただけで帰宅。
思えばこの1か月で、ぱたぱたとここまでページを作ってきた。戸田書店でずいぶん立ち読みもした。

3月2日(月)快晴

いやあ、感動的な卒業式でした。と、書きたいのだが、正直にいおう。
卒業式が感動的なのは、当然なのである。その場にいた人はその雰囲気にのみこまれてそう思うはず。じゃあ自分にとってはどうだったのか?
なんだったのか、あのむなしさは。去年、自分のクラスの卒業を見届けられなかった負い目がまだあとを引いている。自分は職場に貢献できているのかどうか、よくわからない不安。
S井先生は案内板や張り紙を一人で準備して、校内のあちこちに貼って、卒業式のことを土日の休みのあいだずっと考えつづけて、で、自分はどうだ? と思うとただなんだかもやもやとした気持ち。
14人の卒業生のかげに20人の挫折者がいることや、卒業させてやれなかった無念さだとか、いやしかし、本人にその気がないこともあるし、いろんな思い上がりや勘違いもある。
H田くんはなぜ来なかったのかな。来るわけないか、と納得するのも悔しいしな。
恥ずかしいのか、てれくさいのか、わざとなのか、やむをえずなのか、なんで今日も遅刻なわけ? Kは。

3月1日(日)晴

なになに、中山競馬場、雪でレースは順延。
ってことは明日、亭主は家にいるってことか。むむむ。


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