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歩こう会 平成二十年度特別行事 晩夏の「尾瀬ヶ原」を歩く

狭山白門会 歩こう会  益子隆雄(世話人)



 燧ヶ岳と至仏山のビューポイントを探して 歩こう会では、平成二十年度特別行事として初めてバスハイクを企画し、八月三十一日、国民的愛唱歌「夏の思い出」で有名な『尾瀬ヶ原』を歩きました。
 尾瀬は平成十九年八月三十日に日光国立公園から独立して二十九番目の国立公園≠ニして指定された、我が国で一番新しい国立公園となりました。
そして同公園は、気の遠くなるような悠久の年月をかけて育まれた日本最大の高層湿原である尾瀬ヶ原、只見川の源流に当たる尾瀬沼の盆地と これらを挟んで対峙する燧ヶ岳(2,356m)と至仏山(2,228m)の存在もあって日本有数の景勝地として世界的にも認められ、貴重な財産として保護されています。
   さて、暗雲垂れ込める早朝(6時40分)、参加者二十名(定員)を乗せた貸切マイクロバスは憧れの尾瀬を目指して出発。
 最近各地で記録的な豪雨に見舞われるなど天候不順が続く中、昨日も午後断続的に激しい雨が降っただけに今日の尾瀬ヶ原歩きを案じる雰囲気が漂っていた。
 バスは関越自動車道を直走る。
 遠くに見える赤城、榛名、妙義の上毛三山の上空は厚い雨雲に覆われていたが、赤城高原SA(トイレ休憩)を過ぎた頃から路面は次第に乾いてきた。
 沼田ICで降り国道120号線を日光方面に進み、鎌田から戸倉を通過してぐんぐん高度を上げながら九十九折りの坂道を抜けると直に尾瀬ヶ原入口・「鳩待峠」に到着(10時30分)。
駐車場は日が差していて、誰彼も安堵と笑顔の表情を浮かべていた。

 小休憩後、全員が『尾瀬国立公園』の看板前に集合し記念写真を撮影。


 直ちにA班(栃木)、B班(三枝)の班長が点呼確認があり、いよいよ出発。
 松倉会長を先頭にしてA班に続いてB班も尾瀬では最もポヒュラーな入山口から 山の鼻に向かって標高差約200mの長い坂を下り始めた。
 間もなく左手の樹林越しに至仏山の山頂部が見えてきた頃、巨木の間を縫うように敷設されている木道に変わった。
 木道は複線で右側通行が基本となっている。
 所々濡れていてかなり傾斜もきついから滑りやすく歩きにくい。
 小生は膝腰に障害があるので、まるで森林浴でもしているかのようにゆっくり下って行く。
 やがて左手の方から川上川の心潤うせせらぎが聞こえてきた。
 何本かの小さな沢を渡ると木道を大きく分ける巨岩が出現。この辺りに来ると木道は緩やかになった。周辺にはミズバショウの大きな葉っぱが 草臥れたように横たわっていて、そこここにヤマトリカブト(鮮やかな青紫色)や ハンゴウソウ(茎の先端に多数の黄色の花がある)等が見頃を迎えている。


 川上川橋には間もなく着くころだが、後方から「休憩! 休憩!」という声が聞こえる。
 一般山道ならば3〜40分歩くと小休憩するのだが、狭い木道では我々20名が占領するわけに はいかず、そうかといって木道を外れることは尾瀬のルール(特別天然記念物保護地区に入って草を踏みつぶしたり植物や石を採取したりする行為は禁止) 違反行為で厳禁だ。
 結局、我慢を強いつつ川上川橋まで歩いてもらった。
 今日はハイカーたちが少ないようだから狭い橋上での数名揃っての写真撮影はOKだ。
 撮り終わると各自橋のたもとで小休憩。元気が出てきたところで少し急ぎ足になると 直ぐに尾瀬散策の拠点・山の鼻に到着(歩行時間1時間)。
 至仏山荘前広場のベンチに各自思い思いに陣取り約1時間ほど昼食休憩をとった。

 正午、愛妻弁当等で腹ごしらえが済んだのを見計らって出発。
 至仏山荘の横を通り、尾瀬ロッジ前に出て左に曲り山の鼻を後にすると、進行方向の遙か向こうに燧ヶ岳が見えてきた。


 木道を進むうちに大自然の懐深く包まれているような思いがした。
 湿原の中に延びる木道を少し歩くと、ダケカンバ、ノリウツギ、ハルニレなどの 拠水林が遮るように茂っている。
 川上川を渡って拠水林を抜けると湿原の少し 色褪せた緑の中に大小さまざまな池塘が現れた。
 池塘には黄ばんだり薄褐色に変じたヒツジグサやオゼコウホネの葉っぱが浮かび、 ヒツジグサは白く可愛い花を咲かせている。
 この辺がビュウポイントかと思って、 池塘越しに燧ヶ岳をデジカメに収め、最後尾を歩いている2〜3名にもシャッターを切った。
 この辺りは上田代の中心部で、5月下旬頃はミズバショウの群落、7月に入るとワタスゲ、 ニッコウキスゲの大群落やカキツバタ、コオニユリ、コバギボウシ等の多種類の花が見られる。
 秋には黄褐色の草紅葉の大波に魅せられるところだ。 今はちょうどその移行期にあり、僅かに晩夏から初秋に咲く花々、ミヤマアキノキリンソウ、 オクトリカブト、ゴマナ、ハンゴウソウ…等が広い湿原に点在するのみだ。
 しかし晴天に恵まれ、オフ・シーズン入山のお陰で美しい景色や花々に見惚れ、 スナップしながら歩けて満足だ。
 池塘の間を縫うように延びている木道は平坦とはいえやはり晩夏だ。
 ゆっくり歩いても汗ばむほどだが、時折湿原をわたる風は爽やかで心地好い。
 正面に燧ヶ岳を見ながらさらに木道を進むと上ノ大堀川に出た。
 スロープして小高くなったところから橋を渡ると『牛首分岐』だ。
 二股に分かれた左はヨッピ橋から東電小屋方面、正面は竜王方面への標識が立ち、 三差路は船底形のような休憩場所となっている。
 既に先着グループは休憩中だ。
 ふと、振り返って見た至仏山は湿原に調和して実に美しい。

 「尾瀬の美しさは東の燧ヶ岳と西の至仏山の二峰に抱かれた広大な湿原、そして どこまでも延びる木道である。…」と日本百名山の著者・登山家で知られる深田久弥は いみじくも語っているが、まさしく実感できる。
 思わず、「♪夏が来れば思い出す 遙かな尾瀬 遠い空…♪」を口遊んでいた。

 休憩がてら燧ヶ岳も至仏山も両方背景に班ごとに記念写真を撮り終わると午後1時。
復路はB班から出発。ヨッピ橋、東電小屋、竜宮を巡回したいとの未練を捨て至仏山を拝みながら山の鼻へ向かって歩く。
 途中、往路で撮り損ねたイワショウブ、アケボノソウ、エゾリンドウ等を探したり、川上川の清らかな流れに揺れる水草に見とれる など、飽きることなく歩くともう山の鼻だ。
 余裕時間があれば植物研究見本園を一巡りしたいが、90分余りの長い登りを控えており休憩をとった。


午後2時、最後の点呼が済んで鳩待峠に向かって出発。
 暫くは松倉会長を先頭に整然と進んでいたが、巨大石を過ぎ木道の勾配がきつくなるにつれて 隊列も乱れ勝ちになる。
 後から追い付いて来たハイカーたちにどんどん先へ行って もらった。小生ほか2〜3名は石の階段に変わる頃にはバテバテの状態だ。 日頃の鍛錬不足なのか先行グループとの間隔は開くばかりだ。
 それにしても会長他の健脚ぶりには驚いた。

 ようやく終点・鳩待峠に着くと先行した面々は汗を拭い着替えているところであった。
 空を見上げると入道雲がもくもく広がり出している。
 ひょっとすると帰路は夕立に遭うかも知れないと懸念しつつ全員無事にバスに乗り込み下山。
 車中で飲むビールは格別に美味かった。
 酔うほどに盛り上がった車中宴会は降り止まぬ狭山市に到着後も恒例の懇親会に替えて続き、 和気藹々と話が弾む中で散会となりました。

 歩行距離11km、歩行時間約4時間の尾瀬ハイクは、お陰様で晴天に恵まれ、 すばらしい景色を満喫する楽しい歩きができて大成功でした。
   参加者の皆様に謝謝!

 

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※狭山白門会は埼玉県狭山市在住・在勤の中央大学OBで構成されています。