教科書に載っているように、(a+b)2を展開すると、
(a+b)2=a2+2ab+b2
ですよね。
では、
(a+b)3、(a+b)4 …、、、を展開すると、どんな式になるのでしょうか。
みなさんは、分配法則を知っているので、
地道にやれば、どんな式でも展開することができます。
例えば、
(a+b)3= (a+b)(a+b)2
=
(a+b)(a2+2ab+b2)
=a3+2a2b+ab2+a2b+2ab2+b3
=a3+3a2b+3ab2+b3
(a+b)4= (a+b)2(a+b)2
=(a2+2ab+b2)(a2+2ab+b2)
A=a2+b2とすると、
=(A+2ab)2
=A2+4abA+4a2b2
A=a2+b2だから、
=(a2+b2)2+4ab(a2+b2)+4a2b2
=a4+2a2b2+b4+4a3b+4ab3+4a2b2
=a4+4a3b+6a2b2+4ab3+b4
でも、(a+b)5、(a+b)6 …、、、は、もう勘弁ですよね。
では、この式の展開を1分以内に完成させる技をお教えしましょう。
a+b=1a+1b
(a+b)2=1a2+2ab+1b2
(a+b)3=1a3+3a2b+3ab2+1b3
(a+b)4=1a4+4a3b+6a2b2+4ab3+1b4
青色の係数の部分だ取り出してみると、
1 1
1 2 1
1 3 3 1
1 4 6 4 1
この規則性に気がつきましたか?
下の段の数字は、すぐ上の段の左斜め上の数字と右斜め上の数字の和になっています。
この三角形型の数列を「パスカルの三角形」と言います。
ということで、これをもう少し続けると、
1 1
1 2 1
1 3 3 1
1 4 6 4 1
1 5 10 10 5 1
1 6 15 20 15 6 1
ですから、
(a+b)5=a5+5a4b+10a3b2+10a2b3+5ab4+b5
(a+b)6=a6+6a5b+15a4b2+20a3b3+15a2b4+6ab5+b6
どうして、こうなるのかについては、後で「順列・組み合わせ」のところで、説明します。