広島西飛行場発 鹿児島経由
 4泊5日釣り三昧の旅
 
ハブと戦う島
まだ予告編を読んでない方はこちらからどうぞ
 
9月25日
 ついにXデーが来た。
 長男を幼稚園に送っていった後、荷物の最終チェックを行い、11時25分発鹿児島行きのプロペラ機に乗り込みいざ出発
 プロペラ機に乗るんは二十数年ぶり?
 天気も良く、東は大三島の向こうまですっきりと見え、眼下には広島湾の多島美。
 一時間ほどのフライトで鹿児島空港に到着
 乗り継ぎの時間が1時間半あるため売店で本を立ち読みしながら時間を使うが暇〜!
 鹿児島から奄美はジェット機。これまた1時間ほどのフライト。
 雲の中を飛んで、何処を飛んでいるのか全然判らない。
 飛行機が高度を落とし始めてから奄美大島のリアス式海岸が見え、宇検村の焼内湾と思われる大きな湾と、旋回後には喜界島も見えた。着陸直前には奄美空港周辺の美しいリーフも見え、がぜんやる気が出てきた。
 飛行機を降り、預けた荷物を受け取った後、空港玄関まで迎えに来てくれた奄美レンタカーのお嬢さんから
「晴れていたらもっともっとずっごく綺麗なんですよ〜」
と熱弁され、
「雨でも十分過ぎるくらい綺麗じゃん、もっと凄いわけ?想像付かない〜」
と思う。
 このお嬢さんから、奄美で一番美しいと言われている土盛海岸の場所を教えて貰い、様子を見に行った。
 手前にある大瀬海岸の看板も気にはなったが、とりあえずお嬢さんのお薦めの海岸で記念すべき始投式を行うことにした。
 しかし向風が強い、雨も降ってる。波も高い。この3重苦の中SageRPL-Xの10番使ってとりあえず種類の判らないアジ(ちょっとカイワリっぽい)を2尾ランディング。
 犬を連れて散歩に来ていた近所の方が、「どうして逃がすの?旨いんだよ〜」って。
「いや〜、旅行できてるモンで、料理できないんですよ」
「旅館でやってくれるだろ。ここはでっかいチンも釣れるんだよ」
さらにやる気が出てきた、、、しかしその後はヒットナシ。
 釣りを切り上げて笠利湾方面を見に行くことにした。
 道中、野良ハイビスカスの花を見つけ、写真を撮ろうとついうっかりと草むらに足を・・・ハブが居なくてよかった〜。
 その後、土砂降りに合いながらも幾つかの峠を越えて名瀬市へ入ったが、なんと大渋滞。
 5Km進むのに1時間掛かった。
 ホテルへチェックインしてさかきさんへ連絡し、一休みした後ホテルのロビーで合流することに。しかし、さかきさんとはネット上のつき合いしかなく、写真でしか見たことないから誰がさかきさんか判るかな〜?
 さかきさんからロビーに着いたという連絡を受け、ロビーに降りると人がたくさん居てどれがさかきさんだか????、っと、公衆電話の前で携帯で電話している、どこかで見覚えのある顔を発見。周囲を見渡すと、その方以外には見覚えのある顔は居ない。っということはこの人がさかきさんだ〜!
 その方の電話が終わるのを待って、おそるおそる接近して訪ねてみると
ビンゴッ!
 簡単な自己紹介をして近所の居酒屋へ行った。
 「アバスうまか〜!、ゴーヤうまか〜!、焼酎うまか〜!」
 しばらくして、カマジーの須藤さん、マー坊さんも合流。
 須藤さんとマー坊さんに奄美での釣りポイントを教えていただき、結局大和村、宇検村、瀬戸内町は割愛することに決定。
 そしてさかきさんの弾き語りを聴きながら夜は更け、いつの間にか黒糖焼酎が一本空になっていた。
 
9月26日
 朝から頭が重い〜。
 頭がぐるぐる回ってくるくるパーな状態で住用村の内海へ到着。
 内海の海岸で不思議な泥山を発見した。カニの穴にしては大きいし、モグラでなさそうだし、なんじゃろ?
 近くで花の写真とか撮っていると沖合で激ボイル発生!
 さっそくSageRPL-Xの7番をセットしホッパーとかマドラーミノーとかとっかえひっかえして引きまくるが反応なし。
 ふと人の気配を感じ振り返るとさかきさんとマー坊さんが居た。
 「今日は仕事をしないことにした。」
 とのこと、ありがたや〜。
 試作の丸竹竿を自慢した後、3人で釣りをしたのだが、なかなかいい状況にはならず、とりあえず私は割り箸カマスを1尾ゲトしただけで終わった。
 内海があまり良くないので続いて住用村のマングローブへ行く。
 ここでは入って直ぐにGTをゲト!、生まれて初めて釣ったGTは手の平にすっぽりと収まるサイズでとても人にお見せできるような代物ではない。
 マー坊さんは次々とコトヒキやメッキをC&Rしている。
 私はイマイチ魚にあたらず、とりあえず足下に泳いできたアバスの水中撮影に挑戦。
 しかしカメラだけ水中に突っ込んで目測で撮影したためなかなか魚が真ん中に入らない。
 そのうち、須藤さんがやってきて、続いて名古屋から来たA川さんとI川さんの二人も合流。
 総勢6名で山間川河口の干潟に立つが、雲が次から次へとやってきてなかなか魚を見つけることができない。ブラインドキャストしたフライにはメッキが反応するだけでなかなか本命のチンに当たらない。しばらくして、5m程先に何やら怪しげな影を見つけたので、キャストしてみると、ゴ〜ンっと正体不明の大物が乗ったが、リールがチ〜!っと鳴ってすぐブレイク。くやっし〜ぃ!
 そのあと、ちょっと便意を催してきたためマングローブパークまで車を走らせはじめるといきなり土砂降りになった。車に乗ってる時で良かった〜。
 すっきりして、ついでに缶ジュースを買って水分補給し、山間川河口へ戻るとみんな干潟から上がって休んでいた。
 その後、へ移動する途中でさかきさんが大流血の大怪我を負うというハプニングが発生した。大事に至らなくてよかった。
 私はというと、浅瀬でボーンの鰭のようなものを発見し、その移動方向を追っかけている時にチンのテーリングを発見!キャストしたが無視され、挙げ句の果てに逃げられてしまった。
 このあたりの岸壁や岩場には牡蠣がビッシリと付いており、奄美にも牡蠣がいるんだな〜っと感動!しかし、底の石や岩場は藻類が付着しており非常に滑り易く、私が使っているゴム底のフラットシューズではヒヤッとする場面が何度もあった。地元の釣り人が渓流用のフェルト底のウェーディングシューズを流用している理由がよくわかった。
 帰り際に立ち寄った港ではマー坊さんが大型のコトヒキを見事にゲト!
 いつみても痛そうな鰭じゃな〜。
 その後、再び山間川河口へ戻り干潟で満ち上がりを狙ったがあいかわらずチンは発見できない。ブラインドキャストでメッキが遊んでくれるだけだった。
 最後に内海バンガロー周辺で少し遊んで、ここでも大物のヒットがあったがうまくフッキングできず本日の釣りは終了。
 ホテルに戻って夕食を摂った後、港の様子を見に行くといいサイズのカマスが結構浮いていた。でも浮いているだけみたいだった。
 その後名瀬市内を放浪、いわゆる迷子状態で自分が何処にいるかも判らずうろうろしていると美佐釣具店を発見!さらにうろうろしていると再び美佐釣具店前に出た。名瀬市内は道路が微妙に曲がっており、無限ループに陥っていたようだ。
 
9月27日
 朝、さかきさんを迎えに行き本格的にサイトフィッシング開始
 最初は大瀬海岸に案内していただき、入っていきなりチン・メッキの入れ食い。ただ、サイズが・・・・
 潮が干いて行くに従って沖に出ながら釣ってゆく。沖合のリーフエッジでは波が白く炸裂している。狙いはリーフのキレット、いわゆる干潮時に潮溜まりになるところ。
 ここでさかきさんが40cmをゆうに超える大物をランディング
 私は掌サイズを釣るのが精一杯だった。
 続いて辺留のフラットで挑戦。
 しかし、さかきさんに見えるチンが私には見えない。
 教えて貰いながらやっと魚と石ころの区別が付くようにはなったが、それでもチンが動いていない時には全く判らない。普段見慣れている広島のチヌとはかなり体色が異なる。
 たくさんの魚を見つけて貰いながらキャスティングもできず、ただただ自分が情けなかった。
 昼食後に隠れ浜へ移動すると、既に名古屋の二人とルアーマン二人の計4人が釣りをしていた。
 隠れ浜の手前にはやや深いチャンネルがあるため、干潮の前に隠れ浜へ上陸(と言っても陸にはなっていない)し、干潮時には釣りを切り上げて帰り始めないと遭難しかねない釣り場である。
 このチャンネルで大型のガラが我々の前を悠然と泳いでいった。
 あさましい私はすかさずキャスとしたが全くの無視・・・・。
 隠れ浜では魚を発見することはできず、収穫はアバスコブヒトデの写真がとれたことぐらい。
 隠れ浜から駐車場下へ帰り、波打ち際でメッキを狙っていると、手の平台のチヌやコトヒキも混ざってなかなか楽しかった。しかもここでやはり大物がヒットしたのだが痛恨のリーダーブレイク・・痛!。ティペットにウィンドノットができているのを知っていながら、大物が見えないものだからそのまま使っていたのが仇となった。ウィンドノットができたら即交換・・・これって基本なのに。
 次の釣り場ではチンの大群に遭遇しさかきさんがかなりの魚を発見してくれたのだが、やはり辺留と同じ状況で、私にはなかなか発見できず、キャストのタイミングを逃すばかり。本当に情けないしさかきさんに申し訳ない。
 クリスマス島は別として、南の島は沖縄・石垣・西表しか知らないくせに、そこで確立した自分なりのショアのフライフィッシングスタイルがどこでも通用すると思い上がっていた。だから奄美のチン釣りも少しなめてかかっていたのだが、奄美ではしっかりとした基本と経験の積み重ねがないと全く通用しないことを痛感した。
 結局その晩、美佐釣り具で新しい偏光グラス購入した。自分のふがいなさを痛感した割には偏光グラスのせいにするあつかましい奴である。
 美佐釣り具横の公園では祭りがおこなわれるのか、浴衣を着た人が数名太鼓をたたきながら歩いていた。奄美の文化に触れた一瞬であった。
 
9月28日
 いよいよがぶねばり&チン釣り大会
 朝一は昨日豆チン入れ食いだった大瀬海岸で釣り始めることにした。
 大瀬海岸に着くと直ぐに地元ルアーマンが二人来て釣りの準備をし、海へ入っていった。
 私はまず試作丸竹竿(又七淡毛針丸試壱号改)で豆チン・メッキで遊ぶことにした。
 とりあえず水面早引きで掌すっぽりサイズのメッキ、そして底を狙って・・・、コッコンという小さな当たりに続いて、ゴッゴ〜ンっと重い引き。チンの引きにも似ているが走るスピードはかなり速い。4番の丸竹だから魚優位でスピードが速いのかとも思ったが、水面近くに姿を現した魚の姿を見て
「ん?背びれが長い?コバンアジ?・・・・」
「あれ?鼻先が丸いど?コバンにしては体長体高比も変???」
「うっうっそ〜、マルコバンじゃ〜!パーミットじゃ〜!」
 そこからがもう大変。ばらさないように慎重にファイトしながら、丸竹竿が曲がっている写真も撮りたいし、、、頭の中はくるくるぱ〜みっと!
 何回かRossリールを鳴らされた後無事ランディングし、近くで観ていたルアーマンに写真を撮っていただいた。そして車に戻って早速さかきさんに携帯電話で報告!。
 二尾目を狙って再び丸竹を持って海岸へ戻ってロールキャストで数投した時、竿の異常に気付いた。
 ラインが全然伸びていかないのでおかしいなと思って、キャスト中の竿の曲がりをよく見ると・・・・・合掌!
 フェルールの少し下の節の上部分の芽の反対側にへの時に曲がっている。
 短いつきあいじゃったの〜。ほいじゃが非常に貴重な出会いを与えてくれてありがとう!まあ、ティップは何ともないので(さすが布袋竹)新しいバットを作って復活させたるよ〜。
 丸竹がおじゃんになったのでいつものSageRPL-Xの7番で釣りを再会することにし、車に戻ったついでにみさごさんに報告!Saltさんはたぶん仕事中のはずだから夜に電話することにして、海岸へ戻った。
 しばらくするとA川さんとI川さん、そしてカマジーのメンバーさん達も次々とやってきて海岸は一気に賑やかになった。
 それにしても新しい偏光グラスはブラウンレンズでばりばり見える!昨日までの盲目状態が一気に解消された。一昨日に買っておけば昨日の釣りはもっと楽しいものだったかも知れない。
 その反動か、今日はコトヒキ入れ食いでしかも尺オーバーのチンもゲト!
 調子づいては来たがやはりさかきさんにはかなわない・・・脱帽!
 さかきさんが大物を釣った近くのキレットでこの旅で初のがぶねばりがヒット!
 強い引きに続いて一気に根の下に持って行かれた。
 キレットの反対側に回ってロッドティップを水中に突っ込んで強引に引っ張り出すと直ぐにまた反対側の根の下に潜る。結局水の中に半身浸かって手で引っ張り出した。おかげで全身ずぶ濡れ、、防水のデジカメでよかった〜。
 その後は昨日と同じパターンで辺留へ行ったが、魚はたくさん見えたが釣れなかった。
 サイトで釣るのは難しいな〜。
 そして昨日チンの大群と出会った前肥田でさかきさんと祝杯を挙げ、飲酒運転になってはいけないのでしばらく釣りをすることにしたが海岸に降りてみると・・・サメ・サメ・サメ・・・サメが死んでる〜。原因はわからないが、写真を撮ってSaltさんに送ってあげると喜ぶだろうと思って撮影した。
 この後、昨日は潮が干きすぎていて割愛したフラットへ立ったが、見えるのはアバスばかり。
 十数尾のチンの大群も発見したが、沖に向かって一気に移動している途中だったようでキャストする間もなかった。
 15時から計量ということで集合場所の一屯駐車場へ行くとすでに釣り大会の参加者が数名集まっていた。チン専門に頑張った人、がぶねばり専門で頑張った人、いろいろでしたが、チンの部ではさかきさんがリリースしたチンを上回る魚は居らず、リリースしていなければさかきさんが優勝だったことが判明。がぶねばりの部ではトップ3名が同重(12Kg秤で200gの魚を計るのは無理があるぞ〜!)のためじゃんけんで優勝者が決定。
 わいわいやって居ると駐車場下の海岸のすぐ沖で数十キロクラスのカマジのボイル!
 カマジは殆ど単発ボイルで、ボイルがあったところではもう何も起きないとマー坊さんが教えてくれたが、まさにそのとおりで、その後は静かな海面が続いた。
(故にカマジを釣ろうと思ったら、静かな海面を狙うのが鉄則らしい)
 夜はK'sで懇親会。たらふく食べてたらふく飲んで、二次会まで行って、カマジのみなさんどんどん壊れる課程がたいへん楽しかった。
 
9月29日
 2匹目のドジョウを狙うため3度目の大瀬海岸(・・・すっかりお気に入りの場所です)へ向かう。途中で愛犬と散歩しているさかきさんを発見し、車中から手で挨拶してそのまま大瀬海岸へ(・・・ほんとにもうすっかりお気に入りの海岸)。
 到着するとすでにA川さんとI川さんが準備を済ませて海岸へ降りるところだった。
 私もそそくさと準備をして昨日パーミットを釣った場所を集中的に攻めるが、どうも昨日と海の様子が違う。海中の砂の盛り上がっている場所とかがかなり変わっている。潮流も速いようで、水面近くを泳いでいるメッキも昨日まではギンガメがメインだったがこの日は背中の青いカスミアジ?、ダツもいる。全体的に魚が少ない。たった一晩でこんなに変わるんだな〜っと感動!
 しかし釣れる魚のサイズは相変わらず小さいものばかり。
 良型コトヒキも今日はいないようで、やっとこさ出会えたコトヒキは写真撮影中に手の上で見事に半回転して掌3カ所に背鰭の棘がぐっさりと・・・
「こいつ、昨日の恨みを晴らしに来たか?」
コトヒキの逆襲で血まみれになってしまった。
 A川さんとI川さんは午前中の飛行機で帰ると言うことで一足先に釣りを切り上げて帰っていった。残された私は、たった一人でリーフエッジまで出ていくのは怖いので波打ち際周りで遊んでかわいらしいバラフエダイも釣って、大瀬海岸は終わりにした。
 そのあと、辺留も行ってみたが水深有りすぎてサイトにならん。ブラインドキャストで遊んでみたが、ダツに遊ばれて終了!
 奄美での釣りは終わった。
 
 空港へ帰る途中、最初に釣りをした土盛海岸へ行き、ここの水道でタックルの塩抜きをして着替え、ちょっと早いがレンタカーを返して空港で昼食。
「鶏飯うまか〜!」
 しかしその後は空港で時間をもてあます。
 14時20分の飛行機がようやく離陸し、鹿児島までの島々を眺めながら
「日本ってやはり火山列島なんだな〜」っと思った。
 鹿児島空港では再び時間をもてあます。飛行機に乗っている時間はトータルで2時間も無いのになんで乗り継ぎに2時間以上必要なわけ?
 でも、大分上空から観た夕焼けはこれまでに観たどんな風景よりも美しかった。
 暗灰色の海に続いて黒い大地と大分市の夜景、雲平線の上からは橙色〜水色〜藍色のグラデーション。その藍色の空に三日月が輝く。
 美しすぎる!
 広島西飛行場に着くと、荷物預かりの係員が申し訳なさそうに私のロッドケースを抱えて出てきた。ロッドケース破損。
 このロッドケース壊されるんはもう3度目でぇ〜!まあえっか!
 当分はどんなことが起こっても笑って過ごせそうないい気分で家路につく又七であった。
 しかし、まったく観光施設を訪れんかったな〜。
 西飛行場のキャンペーンに当選せんかったのは正解じゃった。
 
謝辞
 さかきさん始めKamazzのみなさん、大変お世話になりました。
 さかきさんに大瀬海岸を教えていただいたからこそあのパーミットがあったわけで、ほんとうにどれだけお礼を言っていいのか判りません。
 マー坊さん、須藤さんには奄美の釣りをいろいろと教えていただき大変参考になりました。
 次は、サイトでのチンと、ターポンと、ボーンを是非!
 
20030930:up
20031002:校正
 
 
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