続 竹 取 物 語
 
 
その後の又七淡毛針試壱号
 #2のティップと#5のバットを持つ何ともアンバランスなフライロッド「又七淡毛針丸試壱号」が完成した平成15年の初夏、ミサゴさんと小川川へ行き実釣&破壊テストを行った。
 その結果、又七淡毛針丸試壱号はバットとティップのバランスが悪くとても使えた竿ではないことが判明した。
 しかしこれでめげてはいけない。ようはバットを作り替えればいいのだ。
 早速、伐採放置モノの新子矢竹を使って新しいバットを作った。
 なぜ新子矢竹かというと、ようはティップの布袋竹の継雄が6mmほどの径があり、これに合わせるととんでもなく硬い竹しかないため、「新子なら少しは柔らかいかな?」っと言う程度の理由からであった。
 今回はグリップをコルクにし、リールシートは竿作りの練習用にと購入した黒竹を惜しみなく切断して作成した。リングは相変わらずアルミパイプからの切り出しである。
 ラッピングとコーティングはお手の物である(しかし相変わらず満足いく仕上げにはならない。)。。
 3日程で簡単に作ってみたのだが作ってみるとこれがなかなかいい案配で、それまで明らかにティップがバットに負けていたのが解消され、非常に使いやすい物が出来上がった。まさに奇跡である。
 こうして「又七淡毛針丸試壱号」は「又七淡毛針丸試壱号改」へと進化した。
 
又七淡毛針丸試壱号改の奇跡
 又七淡毛針丸試壱号改の実釣テストは、なかなか釣りに行く時間が執れなかったこともあり8月にずれ込んだのだが、なんとか入魂を果たした。しかしこの竿のポテンシャルを量るには物足りない小物ばかりで、なんとかこの竿の限界を知る方法はないかと考えていた。
 そんな時、家の近所で#2ロッドで40cmにわずか2mm足らないクロダイをランディングすることに成功し、「ひょっとしたら丸竹でも・・?」という欲が湧いてきた。
 かくして「又七淡毛針丸試壱号改」を奄美で破壊テストする事になったわけであるが、パーミットを釣りあげるという奇跡と引き替えに本当に破壊してしまいました。この詳細については「ハブと戦う島」を読んでいただきたい。
 
又七淡毛針丸試弐号・参号そしてついに塩毛針試壱号への着手
 又七淡毛針丸試壱号改で自信を付けたので、春に採取した竹を選別して弐号を作ることにした。
 しかし、いざ選別を始めると・・・・ええ竹がないねぇ〜。
 とりあえず県北の某所急斜面にぽつんと生えていた丸節竹の古竹を半分に切って印籠継にした。
 この印籠がくせもので、ブランクより細い竹を印籠にするものだからそこで極端に曲がるし直ぐ折れる。高野竹を使えばいいらしいのだが、高野竹なんて持ってないし、生えているところも知らない。たとえ知っていても今から採りに行っても印籠に出来るのは何年後?。結局細めの矢竹や丸節竹で何本も印籠を作って仮組しては折りの試行錯誤の末、印籠芯に2mm径の真鍮線を入れて調整することにした。なかなかGoooo〜ddddd!高野竹がなくても印籠継が出来たぞ〜!
-------ちょっと一息-------
 この弐号を作るに当たって、火入れ用に「コテライザー」というガス式のコードレスハンダゴテを購入したのだが、これまたなかなかの優れもので、局部的に加熱できるのでフレームフィニッシュも思いのまま、、、っというか、火加減がよくわからないためマダラ模様に焦げ目が入ってこれまたええ案配に焼き上がった。おまけにこのコテライザーのおかげで永眠に入ったと思われた「又七淡毛針丸試壱号改」の修復も出来た。フェルール下の座屈したところに合成うるしを盛ってコテライザーで焼くこと数回、、、なんと見事に復活した。手で曲げた限りでは十分な強度を持っているように思われる。しかしパーミットを釣った記念すべき竿なのでもう破壊テストはせず大切に飾っておこう。
-----本題に戻ります-----
 コテライザーで焼いて曲げ直ししてを何度も繰り返し、弐号用のブランクもいい感じに仕上がってきたところで、さらに残った竹を切り刻んで3本継の竿が作れそうだったので参号用にもう一本同時着手した。
 これはティップとバットが丸節竹でミドルが矢竹という変則的な組み合わせなのだが、あり合わせの竹で作っているのだから仕方がない。この竿かなりのショートロッドになったため、金属フェルールを上下逆に使うことでスローアクションにして、ショートロッドの使いにくさをカバーできないかという試みを行ったのだが、仮組みした時にティップの強さがミドルに比べて際だっていたため、ティップを大幅に切断し、細めの丸節竹を継いで継ぎ穂に変更した。(最初から4本継で作ればよかった。。。)
 
 そしてなんといっても最終目標は「丸竹でカジキ」である。
 一本くらいはヘビーなロッドも作らねば。。っということで、前出の2本が完成していないにもかかわらず塩毛針用のブランク作成にまで着手してしまった。
 仕様は、約八尺5寸の4本継、ティップと第2セクションが丸節竹で第3セクションとバットが矢竹。バットの最大径は12mmほど有り、曲げ直しにはかなり手間が掛かった。
 ティップとバットを2本づつ作り、最もいい組み合わせで完成型とする予定である。
 おそらく#6〜#7は乗ると思われるがこればっかりは作って振ってみなければ何とも言えない。まあこの竿ではカジキは無理なのだけは明白。
 
 リールシートも作ったし(相変わらず黒竹)、リングも作ったし(相変わらずアルミパイプ切り出し。おっとFuruさんから貰ったリング&キャップもあるぞ)、にもかかわらずこれらの竿は淡毛針用の2本はブランクが仕上がってグリップの装着が済んだ状態、塩毛針用が曲げ直しが終わった状態で作成がストップしている。なんとか解禁までには淡毛針用の2本だけでも竿にしたいものである。
 
そして再び竹取の翁
 季節は既に竹取期終盤。
 かみさんの実家へ行った時に丸節竹を穫って、管釣りに行った帰りに矢竹を穫って、、、ほんとにもう忙しい。目を付けていた野布袋の竹藪が地主との交渉前に工事の関係で伐採されていたのは残念だったが、春になったら自然乾燥した放置竹を拾いに行こう。
 
 以前は渓流のほとりを車で走るときは川の方が気になっていたが、最近、竹藪が気になってしょうがない。
 
 かぐや姫は何処に〜!
 
 
20040113:up
 
 
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