増尾の里山を守る会
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    里山林の開発の危機(その1)  里山林の開発の危機(その2)  悲報!  里山の荒廃   (読みたい項目をクリック)

緑と湧水にめぐまれたこの里山で子ども達は大きくなった。
春は泥だらけになって帰ってきた。 夏はカブト虫を捕まえに朝早く飛び出して行った。 秋は山で秘密の基地つくりに熱中した。 冬も然り。ここは子ども達のふるさとだった。子ども達は成長し、いつしか田んぼは埋立てられ、里山は忘れ去られていった。
2005年3月、地域住民と環境グループが周辺のゴミ拾い・整備活動を始めた。

里山林の開発の危機(その1) 

       初冬 (中央の山林)

    中原林道 梅林より (左の山林)

2006年2月、里山林のひとつに開発計画が持ち上がった。
南に連なる3つの里山林の真ん中の山林である。




増尾1丁目の土中裏の山林(B) 約9000uを造成し、住宅43戸が出来るという。

 



       看板が立つ 2006.2.6
 
        開発予定の山林

      開発予定の山林(中央)

(A)の林の中を130mの道を造り(B)の住宅地につなげるという無謀ともいえる計画だ。(B)が開発されれば(A)の残る林にも、奥の(C)山林にも開発の手がのびるだろう。
自治会は治水の面から、環境グループは
「緑の保全と住環境を守る」ため、柏市に公有地化を要請、話し合いを重ねてきた。
この地域は増尾の森エリアとして緑の拠点を形成する重要な緑地であると位置づけられていた。

緑の基本計画
都市緑地保全法に定める基本計画で、市町村が緑地の保全・整備や緑化の推進を計画的に進めるために策定したもの。
その緑の基本計画によると、ここは増尾の森エリアとして緑の拠点を形成する重要な緑地であると位置づけられている。これらの緑地の存続をはかるため、状況に応じて公有地化を進める。と「緑の基本計画」には書かれている。


 里山広場から。 右の山林が開発される。

     里山広場の土留めの補修

開発予定の山林は右の山。残る山林も開発の危機にさらされている。
都市の緑は、災害防止、地球温暖化の緩和、大気の浄化など、さまざまな機能がある。
開発行為は、まさに自然破壊行為である。

自然の大きな調整池
東には浸水地域が広がる。自然の緑を守ることが災害を防ぎ住環境を守ることになると考える。
どんなに大きなコンクリートの雨水貯留施設を造っても、自然の大きな調整池にはかなわないと思っている。


失われつつある緑を残し守っていくことが、これからの柏市の責務である。
山林はミズキやコブシの花が春を告げていた。
5〜6月には、イチヤクソウやオオバノトンボソウなど貴重植物が花を咲かせるだろう。


 
          菜園から
 
    つばめ池から。後方中央の山林
柏市における緑地の現状
柏市では「緑を守り育てる条例」に基づき、緑の保護地区等を指定し、固定資産税の課税免除や管理費の一部を助成して緑地の保全をしている。しかし相続が発生すると、処分の対象となるのは樹林地であり、市が買い取れないので年々緑が減少しているそうだ。
この山林は21年間保護地区であった。それならば、なぜ貴重な緑を守るため安定した財源の確保を行なっていないのか?条例や基本計画が絵に描いた餅では困るのである。


     「里山と私」を市長に届ける

 休耕田100坪を耕す 右が開発予定の山林
この里山が私たちにとってどういう場所であるか、あったか、「里山の思い」を書いてもらい、柏市長に届けた。
5/10、市長より財政上の理由で 公有地化はむずかしいとの回答がきた。
また事業者に許可をおろしたことを知らされた。

里山
里山とは里山林とそれに隣接する田んぼ(谷津田)・ため池・水路のある自然である。
「柏市環境基本計画」によると、農地や里山の保全、貴重な種の保全、水辺とその周辺の緑地に生息する多様な生態系の保全、開発における環境保全の指導、用地買戻し、計画策定などするとうたっているが....。



荒れた休耕田を耕やした。私たちの思いをひまわりに託し、種をまいた。
 腰を伸ばすと、目の前に里山風景が広がった。
いい眺めだった。



 
        ひまわり種まき
 
         ひまわり畑
市民債
我孫子市では市民に密着した事業の費用調達を目的に「オオバンあびこ市民債」を発行する。発行額は1億円で5年満期。購入額は10万円単位。最高100万円。10月に募集し抽選を経て11月末発行する。県内では千葉県や千葉市、市川市、浦安市などが公募債を発行している。 (朝日 2006.7.6)
他の市で出来て、どうして柏市で出来ないのか。


       梅雨の晴れ間


                 8./3  ひまわり咲く

私たちは花をとおして緑を守ることの大切さを訴え、一方自治会では有志が6/16千葉県開発審査会に審査請求(*)を提出した

(*)
都市計画法第29条第1項に基づく処分に係る審査請求

 

千葉県開発審査会
柏市は5/10事業者に開発許可をおろしました。許可に不服の場合は千葉県開発審査会に不服審査請求および執行停止申立を行なえます。私たち住民に与えられた権利です。



ずっと残しておきたい里山風景だ。

新会員も加わり 「中原林道の会」 から 「増尾の里山を守る会」 に改名した。


 
 8/13 活動前に


 ひまわり撤去

千葉県里山条例
「千葉県里山の保全、整備および活用の促進の関する条例」のことでH15年3月公布された。里山は防災や気象緩和、多様な動植物の生育空間、景観形成等にも大きな役割りを果たしている。県民すべてにとって貴重な財産である里山の保全や整備を、土地所有者のみに委ねるのではなく、県民すべてがこれに関わり、適正な役割りの分担のもとに進めていこうとするもの。


  「コスモス」の種まき

朗報に感無量! 
5/10付で柏市が事業者に出した開発許可は、9/13千葉県開発審査会の裁決により取り消された。(*)
たとえ開発の許可が出されても、市民には開発を止めるチャンスがある、あきらめることはない。
(*)開発区域外の道路の取扱い(接続道路等)が違法

しかし許可を出す前の状態に戻っただけで、、依然開発の危機にある。私たちは、ここの里山一帯の保全再生にむけて活動していく。自然環境を守るために。

森林環境税
9/27栃木県で森林環境税を導入することとなった。大分・奈良・高知・岡山では導入済み。県民税に上乗せしている。年500円から1000円くらい。豊かな森や里山を共有の財産として保全・整備などにあてる。千葉県はまだである。

2006.10.10


里山林の開発の危機 (その2)

          里山林をバックにコスモス満開

      調整区域の新設道路予定地で
11/24、隣接する調整区域山林でパワーショベルが作業を始めた。山林手入れの為の道造りと言うが、開発地への侵入路である。

12/19再び開発計画の看板が立つ。現在、市と事業者の意見調整が行なわれているとか。
         2007.1.5 
悲報!
一度は千葉県開発審査会において開発許可が取り消されたが、12/17事業者より一部を変更した申請が出された。柏市は開発審査会に付議、この宅地開発の判断を開発審査会にゆだねた。
2/7、千葉県開発審査会で審議され、事業者の申請が認められた。
開発審査会の同意を受け、2/23柏市は事業者に開発許可を出した。

ストップ!森林破壊

柏市内、あちこちで緑を残そうと言う動きがあるににもかかわらず、市街地に残る山林や雑木林がひとつひとつ姿を消していく。現在のような開発優先の考え方では、柏市に明るい未来はない。
柏市都市計画、柏市緑を守り育てる条例、緑の基本計画、柏市景観まちづくり条例、柏市環境基本計画等、いづれを読んでも、絵に描いた餅である。
緑地保全に積極的に取り組むべく、財源の確保をしていくべきであるし、緑を最大限残すべく行政指導を徹底すべきだ。
豊かな森は空気をきれいにし、豊かな水を蓄える。また動植物の宝庫である。
伐採するのは簡単だが、もとの森に戻すのに何十年、何百年かかるだろう。たった40数戸の宅地と引き換えに、私たち、いや柏市の失うものは計り知れない。
今回の開発審査会や柏市の許可は非常に残念だが、柏市にはこのような問題を抱えた森林や雑木林がたくさんある。引き続き柏市に緑地保全を呼びかけていきたい。    
 
   後方の緑豊かな山が..。手前は菜の花畑
緑豊かな自然環境を守るためには、地主さんと行政と住民の協力なくしてその実現は難しい。私有地が自然を守る。その私有地を守るために私たちに出来ることはないか...。    2007.2.23
 

     サクさんの菜の花畑から

   梅林から。こぶしは切り倒された
合掌!

3/14本格的に木の伐採が始まりました。
山林はこぶしが咲きました。これから芽吹きの美しい季節を迎えるはずでした。悲しいことですが、変わり行く姿をこの目でしっかり見届けていきます。       2007.3.22
地肌をあらわにした山。
大雨が降ると濁流がつばめ池に流れ込む。

  最後の水路清掃。目前の山に呆然
 
     サクさんの菜の花畑から

    緑の中にポッカリと赤茶けた山

        里山広場から
   山肌に 背を向けて咲く 
         ひまわりかな  (博子)

    ひまわりの  葉風の先に  
        緑なし  乾いた地肌  
               
里山無残         (S)

景色が変わる!  
     開発山林の東の林も一部伐採

         開発山林


救うことの出来なかった里山


里山の荒廃

水道部の残土で丘のようになった谷津田

水がはけず枯れ始めた梅林
谷津田だった所は無秩序に埋立てられたため、水路が分断されてしまった。
取り残された空地は湿地化し、足を踏み入れることが出来ない。
また里山の中心部をS業者が占領、自然環境を汚している。



増尾の里山一帯は水源地で、林道に2つの水源井戸を持つ。
大勢居住しているS業者の小屋は井戸に隣接しており、雑排水は地下浸透である。小屋脇の溜め池化してしまった湿地は水位が年々上昇している。


8号井戸・S業者建物脇の溜め池?

だんだん大きくなるS業者の小屋


大型車通行等で道路陥没

水路にS業者の油流入
S業者の大型車通行と雑排水で道路が陥没、ひとたび雨が降ると通行できない。
また油が水路から休耕田に大量に流れ込み油臭が漂う。
関係車両の林内駐車やゴミの放置も問題だ。

北の里山林(調整区域)は手入れが行き届かず荒れ果てている。
南の3つの里山林 (市街化区域)は開発の危機にある。
(南の真ん中の里山林は2/23開発許可がおりた。)

問題山積。しかしかろうじてホタルが生息し、水鳥が飛来し、里山林には貴重植物が確認されている。
私たちに出来ることはないだろうか...
                               2007.2.23


私たちに出来ること...
今ある自然を大切にすること、環境整備していくこと、今ある自然を楽しむこと。 (2009年1月)

増尾の里山を守る会