PBMの系譜


 
 
 
 
〜1987  
★読者投稿のコーナーにウォーゲーム的な雰囲気を取り込んだ「ヤタタウォーズ」始まる。ゲーム的な読者参加企画の走り。コーナー担当は御厨さとみ他。
★パソコンによる判定処理のマルチゲーム、日本版『スターウェブ』始まる。(1986頃)
★ゲームブック雑誌『ウォーロック』創刊(1986)。ゲームブックの解説や資料や交流、おまけのミニゲームまで収録。当時のゲーマーの必携誌。
★RPGから野球盤まで幅広くゲームを紹介する「GameGraphix」創刊。中近東を舞台にした傭兵パイロットによる空中戦がテーマで毎回のダイジェストが劇画になる『フィクショナル・トルーパーズ』や武装車両によるレース『イングリッズ・レース』が大好評。(1987)
 

■家庭用パソコンはまだ高嶺の花の時代。FDドライブ付ワープロが30万円した時代だった(仕事の必要で購入したら値段が1年で1/10に値下がりした…。)。
■『フィクショナル・トルーパーズ』の人気は高く、そのための同人誌も発行されていた。一読者参加企画のくせに、古参ゲーマーの間での知名度は異様に高かった印象がある。
 
1988  
テーブルトークRPGの面白さと、ゲームブックの手軽さに、ライブゲームの興奮を加味した新たなホビーとして遊演体のロール・パフォーマンス『ネットゲーム'88』(YOU)が登場。全12回を1年かけておこなうパターンはしばらく主流となる。アクション記入欄はハガキ1/2程度。アクション提出後もリアクション到着まで調べておくことが山ほどある、プレイヤーの努力が必要な作品。機械処理の「定番アクション」とマスターが処理する「フリーアクション」の2種類のアクション。パンフ兼用の無料スタートブック商業PBMの始まり
 

■正体不明の宣伝広告に参加費1万円を出せたのは、門倉・有坂・小泉ら当時、ゲーム関係のデザイナーやライターとして著名だった名前がスタッフにあったため。でなければ…と誰もがそう言っていた。プレイヤーには『スターウェブ』あるいは各種ゲーム雑誌の読者欄やイラストコーナーなどで見知った名前も多かった…。
■88の情報誌『すとれい☆きゃっつ』を隔週ペースで1年間発行。このとき名古屋で開催されたSFコンベンションで野尻さんと知り合う。
1989  
★「88」のようなゲームをもっと体験したい、あるいは不満だった箇所を自分なりに改善してみたいと、同人PBMが各地でスタート。誰も「次がある」とは思ってなかった。
★88の情報同人誌3誌が合併し、PBM同人誌『ポスタル☆テイル』創刊。
★ゲーム機PCエンジン専門誌「マル勝PCエンジン」創刊。読者参加企画を遊演体が担当し、ユルセルウム世界を舞台にしたPBM『水晶の王者』が好評。以後、ゲーム雑誌の客寄せに読者参加企画がおこなわれることが当たり前に。
 

■88のファイナル・イベントは東京・大阪の中間ということで雄琴温泉で開催されたが、会場が色街で有名だったため親兄弟に参加禁止を言い渡されたり軽蔑された者も。知らないって怖い…。
■『水晶の王者』は中村博文のイラストでも注目。PCエンジンも持っていない者が1人3冊買うのは珍しくはなかった。
 
1990  
★PBMプレイヤー有志による大規模な宿泊型プライベ『たかまぁ亭』が都内の旅館を借り切って開催。以後、半年から1年に1回のペースで開催。
「88」のライブ性を減らしロールプレイの側面を強化し、処理システムを補完した『ネットゲーム'90 蓬莱学園の冒険!』(YOU)。
『クレギオン#1〜遥かなるアーケイディア』(HD)は「88よりもPCの出番を多く」「88よりもシナリオの境界をはっきりと」を目標にブランチ・システム(サブシナリオ制)、アクションをパスポートと呼ぶノートに記録するノート記録方式、株式相場等を扱ったサブゲームや別料金で世界設定に関する情報を取り出したりNPCに手紙を出せるICサービスなど新機軸を幾つも採用。また戦争を主として扱うブランチでは専用の別ルールが用意された。マスターの約半数強は「88」プレイヤー出身。

■同人サークルが商業PBMの合宿イベントを主催し、200人500人と参加者を集めた時代。みんなが「自分たちでジャンルを盛り上げよう」という活力と熱気にあふれていたのだ。こうしたイベントはその後数年、東京・大阪で開催され、商業PBMのオフィシャルもゲスト参加し、新作発表等もここでおこなわれた。
■パソコン通信も盛んになり、ネットゲーム論なども激論が戦わされた。
■蓬莱の同人誌『猫の新聞』を月1ペースで1年間刊行。
 
1991   
それまでゲーム全体の統一感を重視していた遊演体が『那由他の果てに』(YOU)でサブシナリオ制を導入。隔号でコミック・リアクションを誌上掲載。
●パソコン通信で『Network−GL〜東京人工群島』(グローバルデータ通信)開催。プロ作家がマスターを務めたりカラーイラストが配信される。
★新城十馬作『蓬莱学園の初恋!』出版(9月)。PBMが原作の小説の最初。
 

■遊演体の路線変更に、88以来のプレイヤーの多くがホビーデータに移ったり、ゲーム・リタイア。この時期を乗り切ったプレイヤーは少ない。
■那由他の情報ペースをぼちぼち発行。遅刻の多さについに中途で放り出す。
 
1992   
ストーリーとしての完成度を目指した『クレギオン#2〜イスフェルの地にて』(HD)は興行的には不調に終わる。
★富士見ファンタジア文庫より小説『クレギオン1 ヴェイスの盲点』(野尻抱介 著)発売。
★富士見ファンタジア文庫より小説『クレギオン2 フェイダーリンクの鯨』(野尻抱介 著)発売。
★アドベンチャーゲーム『歪んだ旋律』(遊演体)がソフトベンダーTAKERUにて発売。
 

■『歪んだ旋律』は「88」のプロローグともいうべきものだが、グラフィックは今ひとつ。誤字誤植も多かった。
 
1993   
プレイヤー同士の競争を軸にした『ネットゲーム93〜夜桜忍法帖/女神たちの黙示録&狼たちの決死圏』(YOU)では物語内での犯罪行為に対し「プレイヤーはどこまでやって良く、マスターはどこまで描写すべきか」が議論の対象となる。最終的に人類文明が滅亡する結末の異色作。システム的にはPCの能力値アップ専用選択肢を用意した最初の作品。ヒントの詰まったドラマやテーマ曲を収録したCDの配布や販売も行われた。アクションをかけるためには、参加者にランダムにばらまかれた「合い言葉」を集める必要があった。
『クレギオン#3〜ラスト・ミレニアム』(HD)ではマスターの入れ替わりが進み、「88」経験者はほとんどいなくなる。
★富士見ファンタジア文庫より小説『夜桜忍法帖 レディ=スパイダー』(甲斐甲賀 著)発売。
★富士見ファンタジア文庫より小説『クレギオン3 アンクスの海賊』(野尻抱介 著)発売。
北海道のコスモエンジニアリングがPBM事業に参入。『サイコマスターズ』(TLN)を主催。
仮想戦記PBM『UfA(Unknown Future Approach)』(FAX生活情報源編集室)は有料でパンフレットを申し込ませるも、そのまま音信不通となる。
★富士見ファンタジア文庫より小説『クレギオン4 サリバン家のお引越し』(野尻抱介 著)発売。
 

■パソコン通信の全盛期。『夜桜忍法帖』では地方にリアクション到着前に、完成した合い言葉リストがパソコン通信で流布。なんか地方の悲哀と郵便交流の終焉を感じました。付録の夜桜RPGは一度も遊びませんでした。最後は人類を滅ぼしてしまうくせに、阪神タイガースは未来永劫、あらゆるスポーツで連戦連勝しているという不思議な結末でした…。
■クレギオンは前回の失敗から、各シナリオごとのリンクは最低限に、展開は派手に、PCの出番は少しでも多く…と方向を一気に逆に持っていきました。
■クレギオン#3においてモニター制を実施。モニター会員からの意見をまとめてマスターに伝えようというもの。結果的には「何について報告したら良いか解らない」モニターと、「モニターをアラ探しばかりする五月蠅い批評家集団としか理解できなかった」マスターの方向性不一致により、さしたる成果はあがらず。以後モニター制は廃止となり、アンケート重視となる。
 
1994  
コンピュータ処理重視によるマスターの負担軽減と価格引き下げを狙った『ネットゲームS−94〜蓬莱学園の休日!』(YOU)が全6回で開催。リアクション・パターンの少なさやシステムトラブルで不評。
アラビアンナイト風PBM『アラベスク#1〜皇子サファールの帰還』(HD)が全10回で開催。この頃より1年12回のパターンが崩れ出す。PC成長のための選択肢がサブゲームとして独立。またシナリオごとの傾向を表示するようになった。
『大阪フェスタ』開催。プレイヤー有志によって主催された合宿型大規模PBMイベントの最後のもの。
★富士見ファンタジア文庫より小説『クレギオン5 タリファの子守歌』(野尻抱介 著)発売。
初の成人指定PBM『朧月都市』(GL)始まる。プレイヤーのアクションをマスターが個別にアドバイス
新会社M2による『アルダイン〜失われた神々の遺産』(M2)。マスターはPBM未経験者がほとんどだが、サポート部分で「88」経験者。
★ログアウト冒険文庫より小説『アラベスク・ファンタジー 運命の風(フォルトゥーナ・ウェントゥス』(伏見健二 著)発売。
コスモエンジニアリングが本格展開。『MT2 クォ・ヴァディス/退魔戦記〜第3次妖魔戦争』(TLN)は同一システムによる異なる2ゲーム同時開催というもの。ノート記録方式であるログノートを採用。アクションの準備行動を補足行動として記録させたり、松竹梅のランクでプレイヤー・アクションを評価する。
★富士見ファンタジア文庫より小説『鋼鉄の虹 装甲戦闘猟兵の哀歌』(水無神知宏 著)発売。
★富士見ファンタジア文庫より小説『夜桜忍法帖 スクールガール=オペレーション』(甲斐甲賀 著)発売。
『クレギオン#4〜ロスト・プラネッツ』(HD)ではPCが選択できる職業が80種類。
遊演体は『ネットゲーム95〜鋼鉄の虹』(YOU)でパートナー制度を採用。PCは別世界に住む独立した人格を持った存在であり、プレイヤーはその行動を強く示唆することはできるが、すべて思い通りにはいかないとするもので、以後の遊演体の基本的なパターンの1つとなる。それを補完する意味で、プレイヤーの選択以前に既にキャラクターの氏名や能力が決定しているプレロールドキャラクター・システムを導入。また戦争部分の判定は実際にプレイヤー代表を集め、シミュレーション・ゲームで対戦させて決定した。
★それまで月あたりの参加費が1500円平均だったのが、この年の『アラベスク』から2000円台に突入
 


■「鋼鉄」は初期の遅刻がひどく、アクション締め切りまでにリアクションが届かなかったりしたためリタイア。それさえ我慢すれば面白かったらしい。この頃は「新しい試みを次々にするけど、過去の反省をまったく活かさず経験も蓄積させない遊演体」と「堅実でシステム面で冒険しないけど遅刻のないホビデ」と言われていた。
■大阪フェスタは神戸で旅館を貸し切り、ライブ推理ゲーム等も交えて開催。2日目は少し離れた会館を貸し切り盛況に行われた。
■「朧月」はアダルトだから色物かと思っていたら意外や正統派の伝奇アクションでびっくり。単にセックスや暴力描写があるから18禁ではなく、中身もしっかり大人向けだった。ただ会社としての運営の不手際が画竜点睛を欠いたので残念。
■前年の「たかまぁ亭」を視察したあるイベント業者が「うちならもっと手際よくやれる」と豪語したと風の噂に聞いた(そりゃアマとプロじゃね)。それが後のM2らしい。PBM方面のノウハウ指導に、隠居しかけていた知り合いのベテランが引きずり出され、それだけに「アルダイン」は3サイド対立とか伝説をベースにしたストーリーとかが印象的な快作となった。イラストは四季童子の出世作。
 
1995   
★富士見ファンタジア文庫より小説『鋼鉄の虹 彗星城に亡霊は哭く』(甲斐甲賀 著)発売。
同名のパソコンゲームを原作にした『卒業〜クロスワールド』(M2)でM2はマルチメディア展開を企画。また学校生活を描くスクール・リアと部活など放課後の行動を描くフィールド・リアの2種類のリアクションを用意。本来はPCに最低どちらかへの出番を保証した上で、スクール・リアを定型的なフォーマットにしてマスターの負担軽減を試みたものだが、マスターの奮闘でどちらも同じように力が入り、コスト削減とはならなかった。
『アラベスク#2〜エルハーダの秘宝』(HD)で完全ボツなしを目玉に。多数が目を通す共通リアか、数人だけの個別リアのどちらかには必ず出番があるというもの。
●新会社プロジェクト・ミントの『神々の黄昏』(MIN)。オフィシャル誌が製本されない状態で届き、プレイヤー自らバインダーに綴るというもの。
『竜創騎兵ドラグーン』(TLN)でスタートセットにすべての初期シナリオを集めた初期情報集を同梱。またリアクションは没有りで多数に配られる共通リアと数人に配布される全員登場の個別リアの2種類のリアクションを用意、さらにはコミックによるリアクションも登場した。
★「コンプRPG〜コンプティーク6月増刊」でメイルゲーム特集。
『クレギオン#5〜バビロンの紋章』(HD)ではシナリオを初心者向きと上級者用に難易度で大別したが、違いはさほど判らず。
アダルトPBMの第2弾『水晶都市』(GL)はパスポートシステムを採用。また集団エントリーによる集団アクションには専用アイテムや専用リアの特典をがつけてグループ優遇措置とした。
●K&J企画が『サーガストメモリー』(K&J)で参入。どんな形態、どんな能力のPCでも設定でき、他のどんなゲームからのコンバートも可能とした。
★参加費は月2000円前後の作品が増えてくるが遊演体は1500円以下を維持。
 

■「ドラグーン」はアニメ「聖戦士ダンバイン」をやりたかったけれど版権がとれなかったのだという、まことしやかな噂も聞いた。八房龍之介のイラストが好きだったが、「夜桜」等にプレイヤー参加していた人らしい。あとで同人誌で確認。楽しそうだなあ…。
■「黄昏」は隕石落下による文明崩壊後の広島を舞台とした作品。“らしさ”がほとんど無くてがっかり。まだ復興途中の街に電気が通じて最初に動いたのがゲームセンター…ってなに? 通信は? 医療は? 工作機械は? 初期設定をシナリオとストーリーがことごとく裏切ってました。
■「クレギオン」はゲーム性よりキャラクター・ロール重視に完全移行。謎解きとか情報収集を目的とした同人誌は無用の存在に。この頃から「リアクションなんか10分で読めるし、アクションも10分あれば書ける」と豪語するように。考えてみれば寂しい話だ。
■「水晶都市」は開始前後にオフィシャル内部の不協和音がプレイヤーにまで届いてイヤな気分に。弁護士の相談までしました。
 
1996  
遊演体の一部マスターが独立してゲムルを立ち上げ。パーティーゲームやパフォーマンス要素を取り入れた『平成偉人伝ガリレイザー』(GML)を主催。
どんな能力のPCでも設定できる『こうもり城へようこそ』(YOU)。また各シナリオごとに専用の別ルールを用意することで謎解き、アクション、ラブコメと個性に富んだシナリオを可能とした。
コンシューマ・ゲームを原作にした『真・女神転生』(M2)で全PCが名前だけ登場するあらすじが書かれた「ドキュメント」と重要なポイントと活躍したPCだけが登場する「ノベル」の2種類のリアクションを用意し、マスターの負担軽減に成功。またPCをアーキテクチャと呼ばれるパターン選択によって作成。以後、この2つのシステムが基本となる。
『アラベスク#3〜七界の剣』(HD)ではキャラメイクを完全マニュアル化し、髪の色から家族構成や癖、過去の経歴まですべて選択肢から選び、それによって自動的に能力値や所有アイテムを設定した。
『MT4〜サイコマスターズ2077“J-File”』(TLN)は全6回の短期企画でPCの描写が充実。選択可能な職業は618種類と史上最高だが、既にクラスとしての意味なし。
★富士見ファンタジア文庫より小説『クレギオン6 アフナスの貴石』(野尻抱介 著)発売。
PASがノート記録方式の『プロムナード1〜ティアマット・テイル』(PAS)で参入。マスターの個別メッセージが充実。
AISがスチームパンクPBM『蒸熱狂走曲』(AIS)で参入。
『MT5〜竜創騎兵ドラグーン2・竜騎士伝承』(TLN)開催。
『アコースティック・リーフ〜綴られし旋律』(MIN)が開始直前に中止。
『カルディネアの神竜』(HD)では1ターンを半年と長期にし、PCのタイプごとに冒険や政治などのシナリオを用意。
実験PBeM『影岡探偵事務所』(YOU)は夢判断する探偵の猟期な事件簿。
●チャンネル・ゼロが学園恋愛PBM『OVER ROSE』(0)を主催。しかし最終回直前に会社消滅。
エスニックPBM『カナン〜最後の神』(GML)は神話を創る。
★参加費2500円の作品がホビーデータを皮切りに増加。
 

■「ガリレイザー」は歴史に残る問題作。ルールに従ってさえいればプレイヤーのアクションが何でも通るというのは前代未聞。侵略者の正体がネコ耳になってしまったのも、日本列島が浮上したのも、期間なかばで終了して急遽「ガリレイザー2」が始まったのも、マスターがいきなり遊演体に行ってしまったのも、みんなプレイヤーのアクションの結果なのだ…。自分は九州全域をカバーするお猿の電車で財をなし、後にロボット軍団を結成している。
■カナンは舞台こそ東南アジア風で語り口もそれっぽかったが、まあ、普通のPBMではあった。前作がヘンすぎただけではあったのだけれど。
■『狂走曲』はけっこう面白かったし、新聞形式のオフィシャル誌も良かった。AISは大阪百鬼夜行の会という88の時にできたサークルが母体らしく、関西方面の知人がかなりスタッフ参加していた。
■M2は前作のフィールド・リアとスクール・リアをさらに発展させ省力化を図る。これ以後、M2のPBMではまったく活躍できなくなる。プレイの波長が完全にずれてしまったのだ。不思議。
■「OVER ROSE」は会社が解散して最終回が未着。ライバルをけ落とし、あとは謎を解いてヒロインとくっつくだけだったのに! まあ第1回が締め切りぎりぎりのエントリーで、会員番号が100番をかろうじて超えたとこという時点で先は見えてたけど…。
■そろそろインターネットが普及しだし、遊演体もあれこれ模索し始める。
 
1997  
魔法学園物『HEART OF MAGIC〜君を信じたい!』(HD)でプレイヤーにパートナーとしてNPCを与えるようになる。
『インターポット危機一髪』(HD)は『君を信じたい』のインターネット版。
ヒロイック・ファンタジーの大前提を覆す『ネットゲーム97〜勇者110番』(YOU)。
★角川ミニ文庫より小説『Heart of MAGIC メランコリック・オペレーション』(東風円 著)発売。
『クレギオン#6〜ユニヴァース・エンド』(HD)は人類の宇宙進出から滅亡までがテーマ。
●アクション修正値やアイテム獲得手段としてトレーディングカードを取り入れた『魔天伝承〜ダァス∴セフィラ』でレベリオン参入。
●特殊能力をトレーディングカードによって選択させる『風雲涌起〜STORM OF ASIA』で岡山の野猿堂が参入。リア発送にクロネコメール便を使う。
ポケモン風味の『たまご創世記〜わくわくたまご大戦』(HD)。
アニメを原作にした『MT6 超時空世紀オーガス』(TLN)。
追加料金でオプションいろいろのアダルトゲーム『活劇!!ハイカラ紅蓮隊』(GL)は機械処理の戦闘級。
実験PBeM『Team-root-T』(YOU)は横浜を舞台にした異能の少女たちの壮絶な戦いをプレイヤーが見守り指示するもの。文通によるNPCとの交流
文明が失われ魔物が復活した未来図『ルナティック・サーガ〜双面の守護者たち』(M2)でM2がオリジナルファンタジー路線を切り開く。
●和風PBM『鳳凰の翼』(CATS)。
『プロムナード2〜エスファリアンサーガ』(PAS)。
『光剣救主ライトセイバーズ』(HD)では全PCが伝説の英雄であることを強調。
★電撃文庫より小説『クルーエル.月の天使』(成田美弥子 著)発売。
賞金付き本格ミステリPBM『映画祭殺人事件〜蛍坂純情探偵団』(YOU)。
PBMから交流要素を取り除いたアクションノベル『クルーエル2010〜新天使、覚醒』(HD)が参加者募集開始。スタートセットにプロローグとしてOVA「クルーエル」が付録で付き、小説等でマルチ展開を目指すとのこと。
★スニーカー文庫より小説『Heart of MAGIC 黒魔法ラブラブ大作戦!』(三宅章介 著)発売。
★電撃文庫より小説『クルーエル2.火星の天使』(新井輝 著)発売。
★パソコンゲーム『朧月都市』(ぼんびいボンボン!)発売。
 

■実験作の多い年。トレーディング・カードの流行をとりいれた作品も幾つか。「魔天伝承」はファンタジー風のキャラでやるスペオペ。「風雲涌起」はジャイアントロボのエキスパートみたいなPCによる中国大陸での未来戦争もの。どちらも経営難で途中崩壊。このあたりは新会社が次々に現れ、次々に消えていった。
■「ハイカラ」は詳しいシステム紹介を省いたパンフに、普通のタイプを想像して参加したら、パソコンによる簡易処理版だった。騙された気分。それ以来、パンフの記載には過敏になる。
■「クレギオン」は宇宙開発シナリオに科学者で参加。終わりになってマスターに「解らない人がいるから、技術開発面はやりません」といわれ激怒。なら「宇宙開発」シナリオや「科学者」クラスなんか用意するなよ!
■「映画祭」はミステリーPBMの決定版。オチも最高。ただし当時主流のPBMのつもりで参加したキャラロール重視派には不評だったかも。ちゃんと「推理メイン」って書いてあるじゃないか! ちなみに推理はあたらなかったし、犯人じゃないけど悪いヤツを追いつめることもできませんでした。
■「TrT」は僕にとっての金字塔です。
 
1998  
『風雲涌起』第1部で中断。
★読者参加企画がメインのゲーム誌『THE VOT'S〜月刊PC ANGEL増刊』創刊。そして廃刊。
『MT7〜退魔庁付属機関高等専門学校・大和武尊』(TLN)。
『ステラマリス・サガ#1〜約束の地の探索者』(HD)でPC作成時に能力値の制限を撤廃。またサブアクションとして毎回任意のNPCにメッセージを書き親交を深めたり情報を得ることを試みることができた。
『HEART OF MAGIC〜ストリート・ハッスル 街の快速者』(HD)は回数の違うミニシナリオをいくつも用意し、ゲーム期間を限定せずエンドレスで続くという企画。
『あっちもこっちもたまご大戦』(HD)は『わくわくたまご大戦』の続編だが「PCがビースト使い」という以外に共通項はない。
『クレギオン#7〜ヴァルハラ・ライジング』(HD)では新兵器の導入や同盟関係の成立など戦略的決定を各勢力ごとにプレイヤーの意見集約のための投票で決定。
★富士見ファンタジア文庫より小説『クレギオン7 ベクフットの虜』(野尻抱介 著)発売。
★電撃文庫より小説『真退魔戦記 退魔官赤神恭也』(ことだこうたろう 著)発売。
近未来西部劇『弾銃追争曲』(AIS)はお金を貯めて愛機のチューンをしたり、賞金稼ぎをしたりができる。
★パラダイムノベルスより小説『朧月都市』(武藤レイ 著)発売。
遊演体最後のPBM『ネットゲーム98〜星空までは何マイル?』(YOU)はスペースオペラ。新型エンジンやテラフォーミングの予備実験など成功すれば影響は大きいけれど、マスターの用意した選択肢には無い計画が実現可能かどうか、事前に往復はがきで問い合わせることが可能。インターネットからのアクション受付やFAXによる情報サービスも企画されたがシステムトラブルが相次ぎ実用にはならなかった。
『MT8〜芸能コロニー・STAR★MIRAGE』(TLN)は芸能+スペースオペラ。
通常の2倍価格の『アラベスクEX−α〜英雄王ディグランツ』(HD)は、人数限定でじっくりプレイ。マスターの遅刻には返金保証
テーブルトークRPGのルールをベースに判定を簡易な数値処理化した『トーキョーNOVA』(M2)。
『シャールレンの遺産』(HD)。
『ルナティック・サーガ〜ムーンスパイラル/金の太陽、銀の月』(M2)。
『プロムナード3〜トゥルスエスファリア』(PAS)。
ゲームネットジャパンが士郎正宗原作の『仙術超装甲オリオン』(GNJ)でPBeMに参入(実質的な開発・運営はホビーデータが担当)。他人のアクションやリアクションが閲覧できたり、任意のシナリオに随時参加できるなどの特色はあったが、改訂が相次ぐシステムは使いにくく「紙より面倒」なことも。
●中断した『鳳凰の翼』(CATS)が清算終了。
★OVA『クルーエル』(主題歌:夢でしか逢えない/歌:江幡育子)完成。
★電撃文庫より小説『クルーエル3.月の堕天使』(新井輝・奥山千織 著)発売。
『クルーエル2010〜新天使、覚醒』(HD)が開始延期。
★電撃文庫より小説『クルーエル4.反逆の天使たち』(奥山千織 著)発売。
★遊演体も最終作で参加費2100円に。一方、HD社は4000円台の作品が登場。
★新作『蓬莱学園の冒険!』を開始するとしてエルスウェア立ち上がるが、諸事情により中止。
 

■「星空」はすごくかっこいい雑誌広告に打ちのめされた。システム的にもコミュニケーションを促すエングラムや大規模アクション認可のQ&Aなど優れたものが多かった。スペオペではあったが、ハインラインの系統。
■「NOVA」の数値処理は、プレイヤーに根拠のない類推だけで能力値を割り振らせ、必要値に満たなかったらキャラ死亡とするもの。その判定をクリアしても、マスターのお眼鏡にかなわないとリアで描写も何もしてもらえないという厳しいもの。うれしい?
■『弾銃追争曲』では戦闘伝書史のバアさんで参加。通信の途絶した各ドーム都市や荒野の冒険者たちをメッセージで結ぶのだ。あちこちの状況をマスターがプレイヤーに伝える道具として重宝されたような気がする。
■「オリオン」は紙のシステムをそのままネットに取り込もうとしたので使い勝手が悪かった。しかも没有りなのだが、シナリオ第1回のマスターコメントで「無謀なアクションを採用した」と読んで激怒。つまりマスターの用意したシナリオを進めるために、してはいけないことをしようとしたアクションを優遇し、危険を予期して阻止しようとするアクションを無視し、それを公言したのだ。公言はいかんだろ。
■「大和武尊」は士郎正宗のイラストで、本物の入学案内みたいな凝ったパンフレットがステキだった。もっと学生らしいイベントとかシナリオが多いと良かったのかな。
■「ステラマリス」は能力値が好きにいじれるので、「ドジでマヌケで不器用だけれど、攻撃力だけは異様に高い」美少女を設定。殴り合いのケンカを止めようとして皆殺しにするタイプ。どうせアクション判定に能力値を使わないなら、これくらい楽しく設定させてくれるとうれしい。
■「クレギオン」は重巡艦長で参加。勝てない敵を少しでも引きつけて時間を稼ぐから、その間に政治家でなんとかしてくれよ!というプレイ。
 
1999  
スラップ・スティック・ファンタジー『エリクシェル・ヴェーダ』(HD)開始。
★スーパークエスト文庫より小説『こうもり城へようこそ!』(甲斐甲賀 著)発売。
『MT9 真・退魔戦記〜伝承妖魔降臨』(TLN)。
『クルーエル2010』(HD)の改訂版プレイングマニュアルが配布。開始時期は未定。
『アラベスクEX ソル・アトスの姫君』(HD)ではPC同士やNPCとの結婚をルールとして取り入れた。また「領主」とか「冒険者」といったプレイヤーのアクション指向のタイプごとに異なった技能パラメータや成長パターンを用意。
小説「狗狼伝承シリーズ」を原作にした『斬影夜葬曲〜狗狼伝承外伝』(AIS)。
元・遊演体のマスターらがエルスウェアを立ち上げ。古今東西の海賊たちが跋扈する異世界・黄金の海の冒険『海賊王女の凱旋』(ELS)では行動基準が「それは名誉なことか」で判断され、不名誉な行為を繰り返すと世界から消失することに。
『クレギオン#8〜ブレイズ・オブ・グローリー』(HD)。
遊演体がハドソン主催のオンラインゲームを提供した『蓬莱学園の冒険!!〜南方発放課後通信』(YOU)。3ヶ月間限定で学園のメル友と文通しながら不思議な事件に巻き込まれたり解決するというもの。インターネット上で攻略サイトが盛況に。
『クロニクル1〜魔物語クロノス・ロージス』(PAS)は嘆美な雰囲気の異世界ファンタジー。
世紀末、神が人類を滅ぼすことを決意し、悪魔が人を助けようとするという『エターナル・ギルティ〜まだ満月が見えた丘』(HD)。
『Heart of Magic〜ストリートハッスル』(HD)が開始するも『オリオン』の外注仕事で手が足りなくなり定番リアクション中止による払い戻し。マスターによるリアクションは予定通り進行。
妖魔と戦う退魔師や機動警察の物語『戦闘列島ZIPANG』(HD)。
ホビーデータから独立したグループA-Teamが独自ブランド「マスターグレード」として『デッドランド』(A-TEAM)でPBM参入。実際の募集はホビーデータが窓口に。
『ステラマリス・サガ2nd〜Gレボリューション/星に望まれし者たち』(HD)。
『MT10 サイコマスターズ2080〜迷夢』(TLN)。
スチームパンク世界の紀行体験『ギア・アンティーク』(M2)はオフィシャルの提供するキーワードを組み合わせてプレイヤーが自分で物語を考えるというもの。もしその物語を投稿し、それが面白ければ誌上で紹介されるがオフィシャル・ストーリーとは認定されない。
『アラベスクEX−Ω カルディネアの神竜〜太陽と月の鎮魂歌』(HD)はPCがすべて神竜の眷属や転生した英雄というスーパーキャラのみで世界の命運をかけて戦うというもの。
『エターナル・ムーン〜青の紋章』(M2)。
機械処理式『ソーフィアー1〜フィアーエッジ』(PAS)ではパンフ兼用のマニュアルを無料配布
 

■「ヴェーダ」はスラップスティックということだが、ちっとも笑えなかった。泣かせるのはラクだが笑わせるのは難しいのだ。この頃にはオフィシャル誌はなんの役にも立たなくなっていた。シナリオ移動にすら使えない代物だ。自分のシナリオの概要が、リアとまったく違うくらいだ。余所で何しているか解るはずもない。
■短期間だったがハドソン蓬莱はなかなか面白く、あっちこっちで攻略サイトや交流グループが誕生した。僕も好きだったが、エルスウェアが蓬莱をできないのはハドソンが版権を握ったからだという説を聞くとちょっと寂しい。ちなみにi-mode版はゲームとしては面白くない。マンガ雑誌の読者欄みたいな投稿コーナーが要なんだと思う。
■「クロニクル」は耽美で異形のキャラが支配する世界の物語だが、ちゃんと設定とシナリオと文章が一致していたんでないだろうか。PASはマスターからの私信も多く、のんびり楽しめる会社になった。
■まだPBM論が盛んだった90年頃のこと、「採算がとれ、かつPCがしっかり描写されるシステムを考えるなら、プレイヤーにリアクションを書かせ、それをオフィシャルがまとめる形にするしかない」という暴論ともいえるアイデアが出た。アメリカのバトルテックRPGのシステムを想定したものだ。そのときはまさか日本でそんなものが実現するとは予想もしなかった。もちろん「ギア・アンティーク」のことだよ。しかもこちらはオフィシャルがまとめもしなかったから、毎回「プレイヤーがPCを主役にした妄想にふけるための材料が送られてくる」以上のものではなかった。
■「ソーフィアー」は簡易処理だが普通に面白く、お得だった。基本のシナリオの組み方がうまく、またマスターの手のかけどころを知っていたのだ。
 
2000  
浮遊大陸での冒険『プロムナード4〜蒼球のフレニール』(PAS)は幻想童話。
『アラベスクEX 剣の花嫁』(HD)。
不動館がハドソン主催のオンラインゲームを提供した『竜創騎兵ドラグーンe-XPLORER』(TLN)。
エンドレスな『帝都双月魔術陣』(HD)では、NPCとPCの特別な関係を設定できる。
『竜創騎士ドラグーンBLADE』では低年齢向け絵本リア登場。
『クルーエル2010』(HD)が今秋に始動すると告知。
『深世海アクエリアン〜深海のセイレーン』(GL)は海中の敵と戦う潜水艦隊の物語。
『ウィズ★テイルズ〜魔法使いも楽じゃない』(AIS)は大阪地区に留学してきた魔法使いたちの学園生活。
『エンパイア#1〜狼の時代』(HD)。
『ソーフィアーインターミッション〜サイキック・プラネット』(PAS)。
『エターナル・ギルティ2〜前世の頃の君がいて』(HD)。前作で神や悪魔の世界が滅びてしまったその後、転生前の記憶と能力を甦らせる者が出現するようになるという話。PC相互の「前世の因縁」を創るのが醍醐味。
『狗狼伝承〜放課後の旅人たち』(ELS)はAISも主催した小説「狗狼伝承」シリーズを素材にした学園物。『狗狼伝承外伝』からのコンバートも可。
『レジェンド・オブ・アルカディア』(M2)。
参加者1万人を想定の『アルマゲドン・エクスプローラー』(GNJ)。「88」を彷彿とさせるマニア好みの設定だったが広告も不十分で、参加希望者が73人のため中止。
星間戦争を軍や政財界のトップとして体験する『クレギオン#9〜ウィナー・ネバー・クイッツ』(HD)。『鋼鉄の虹』のコアプレイヤー・システムを発展させ、VIPシステムとして完成させたとも。
『ソーフィアー2〜バトル・イン・ザ・ファントムシティ』(PAS)。
前作から20年後を舞台にした『Heart of Magic〜ストリート・ハッスル2nd season』(HD)は学園恋愛を目玉にし、NPCと仲良くするアクションをかけ続けパートナーにすることがメインの目的に。
PCはどんどん死ぬが不死身なのでどんどん生き返る『デモンスリンガー』(HD)。
ゲームブック的な雰囲気が強い機械処理式PBM『アラベスクEX〜深淵の剣ディアボロス』(HD)はアイテム獲得の方法などが情報交換の対象となる。
3陣営が次の千年紀の覇権をかけて争う『Song of Trinity〜ホワイト・ウィスパー』(AIS)は、通常のアクションが日本を舞台にしたもの。低価格・別料金によるサブゲームでは世界全体の事件を扱った。
『クロニクル2〜魔物語エイボス・ニードル』(PAS)。
『エルハーダの秘宝エターナル』(HD)は『エルハーダの秘宝』の再ゲーム化。アクションをマスターが書くアクションと機械処理アクションの2つに分ける。
『蓬莱学園の冒険!! i-mode版』(YOU)の内容は前作インターネット版とは別物。
A−TEAM、『DEAD LAND』『ドゥームアベンジャーズ』を展開。
★ゲームネットジャパン、PBeMより撤退。
 

■この時期になると、ホビデのPBMは、PCは最初から超人で、すごい武器を持っていて、NPCとも親交があって…とかを普通にやり出し、システムとして完成させていた。いろいろ問題はあるのだが、それもまたプレイヤーのニーズに応えた結果なのだろう。個人的には、そういうのはプレイの結果のご褒美としてもらえれば良いと思っているけどね。
■「蒼球のフレニール」で初めて石井くんと共同アクションをかける。老犬の飛行機レーサー2人組だ。ちゃんとイラストにもなって掲載された。もっとも、これでプレイヤーとして石井くんには勝てないと痛感させられたのだけど。「鼻水爆弾!」とか「おならで空中飛行!」とか書く方も書く方だけど、通すマスターもマスターだよな…。
■「ホワイトウィスパー」は個人的には何の問題もなく楽しめたが、全体的には運営にきしみが生じていたという。石井くんは、遅刻がひどいマスターに代わって、勝手にラストまでのシナリオと設定を決め、どんどんプライベート・アクションとして本編の続きを書いて配っていた。回数としては1回こっきりだったが、シナリオとしては、そこで終わってしまった可能性が大。エンダーである。
■「クレギオン」は政治家や軍司令官の視野で動かす恒星間戦争。いつものPBMのつもりでロールプレイをするものは、片っ端から喰われた。戦争をしているのに海兵隊指揮官がショッピングしてたり大統領が野球見物をしてたら糾弾の対象だわな。僕は「平和主義者の軍需産業の総帥」で参加。わはは。この設定で逃げ切り、ガーダー協会の設立者となってやったぞ!(ヒント:戦争は儲からない)
■少女マンガで流行の前世ものがPBMにも来たぞ。「エターナル・ギルティ2」だ。しかも評判が良かったらしく、続編がどんどん出て、ルールもどんどん充実していく。トンデモだなあ…と書くと怒られる? 「一度きりの人生だから尊い」と考える人間なので、いくら面白くてもこういうのにはついていけんのです。
 
2001  
『エリクシェル・ヴェーダ0〜キミは僕の輝ける星』(HD)。
『アラベスクEX-βカルディネアの神竜〜古代王国の終焉』(HD)は関連シリーズに参加していることを前提に簡略化したマニュアル。
海の世界の冒険『セブンス・ブルー#1〜どこまでも青い海』(HD)。アクションを目的・動機・手段を選ぶキーワード選択式に。
『MT12 エターナルヴォイス』(TLN)トレカ・ゲームなどとのマルチ展開。
『帝都双月八犬伝』(HD)はプレイヤー18人で1ゲームとし、9人2チームの対戦方式。
『プロムナード5〜太陽紀フロレンティア』(PAS)。
NPC等のゲーム設定を公募した『クロニクル異聞〜バニッシング・ツイン』(PAS)。
『パラダイス・トリガー〜ブリキの勲章』(ELS)はアクションの指向で「戦争」「政治」「開発」「冒険」「宝探し」の5つのカテゴリーを用意。
『ライトセイバーズ〜瞳の中のエリュシオン』(HD)。
機械処理式の現代退魔物『東京ガーディアンズ』(HD)。
『クロニクル3〜魔物語クロニクル・ティアーズ』(PAS)では無料体験プレイを実施。
『魔神伝奇〜闇の紋章』(M2)。
『アラベスクEX3〜レマンシアの竜騎士』(HD)3000人限定。過去のシリーズからのコンバート可能。
『エルハーダの秘宝エターナル』『七界の剣編』に突入。
『帝都双月魔術陣〜大陸編』(HD)。
『レマンシアの竜騎士〜カルディネアの神竜XIV』(HD)は全8回。プレイヤーの楽しみたいジャンルに応じて「冒険」「領主」「首領」「市民」「王宮」の5つのカテゴリーを用意。PCの結婚や時系列が同じ他の作品からのキャラクター・コンバートにも対応。
『覇王剣ヴァルザドーン〜戦乱がくれた絆』(HD)ではサブシナリオ相互の関連をいっさい無くし、小グループの中でそれぞれの戦いや友情を描く。
シリーズ3作目『エターナル・ギルティ〜君に会うために』(HD)。転生システムが好評につき継続。
スペースオペラ『アルカトラス・ストーリー#1〜天翔ける聖騎士』(HD)はエントリーに必要な用紙をマニュアルに印刷。
戦争をメインテーマにした『レーベンスラウム〜共栄圏』(HD)でPCは国全体・軍全体を動かす戦略クラスと自分の活躍を優先する前線部隊の戦術クラスのいずれかを選択。
『戦闘列島ZIPANG2』(HD)は全8回で妖魔との戦い。
『維新演義〜獅子立志伝』(AIS)ではアクションが郵送でもオンライン送信でもかまわなく、両方同時に送信することも可能と明言。サブゲームで尊皇とか攘夷などの各国方針を決定。
 

■「パラトリ」には開発担当で参加。開発をちゃんとシステムに取り込んだところは見事!
■このあたりになると、単にシナリオ相互の関連をなくすとかいう次元ではなく、同じPBMでもあっちとこっちは別というものが出てきます。「覇王剣ヴァルザドーン」とか「帝都双月八犬伝」がそうですね。なら、ただの同人PBMとどう違うのかというツッコミは入りますけどね。
■ホビーデータもかなりパソコンに判定処理させるPBMを増やしてきました。ただ、ゲームブックのパソコン版みたいで付加価値が少なく、コストパフォーマンスも悪いので、昨今のオンラインゲーム相手では勝てない気がします。このあたりだと1ターン2週間で1回500円前後です。同じような内容のオンラインゲームは1日2ターンで1ヶ月300円でプレイされています。このジャンルで独自性を保って生き残れるのはPASくらいかな…。
■「共栄圏」は、架空戦記ネタでシミュレーション要素が強いPBMです。ネタが濃いですから、集まってくるのも、現役引退したはずの者まで含めて異様に濃いメンバー。過去のPBMで元首閣僚クラスでぶいぶい言わせていたヤツやら、インターネットでマキャベリあたりをプレイしている面々です。諜報や交渉から戦略・作戦の立案まで、リアクション作成時期の2週間は地獄です。ええ、楽しんだゲームにたいして地獄というのは失礼かもしれませんが、1日何十通の「至急/要返事」のメールが行き交い、メーリングリストはお経のように長く、情報が相手方に漏れていると思えば、同じ情報を少しずつ変え、時間をずらして複数に発信し、どのルートで漏れたか特定してカウンターアクションをかけてみたり、地球全域に広がった戦線を維持するために、ちまちまと物資補給と兵員移動のスケジュール表を制作したり…。やっと落ち着くのが消印有効の締め切り日の深夜11時半あたり。その後、集配局まで車を走らせ速達の消印を押させるのです。
 
2002  
『MT13 竜創騎兵ドラグーン地上編〜天界の翼』(TLN)ではMT3よりのコンバートが可能なほか、知り合ったPCと互いに人間関係を設定しあう人間相関システムが特色。オンライン・プレイにも対応。
海洋冒険物『セブンス・ブルー#2〜アン・ジアティスの乙女達』(HD)では#1からのPC継続が可能。
『魔神伝奇〜黄昏の紋章』(M2)
『ぼくらの学園アドベンチャー』(PAS)。
『アラベスクVII リンク〜君と僕を守る絆』(HD)はホビーデータの全シリーズを1つの世界に押し込んだ混戦次元もの。
『ステラマリス・サガ〜天上の楽園へ』(HD)ではアクションを「アクション」「イベント」「メッセージ」の3種類に分け、それぞれ別の料金体系、別のスケジュールで運用。
『特命転攻生evo.〜夜明けの学生証』(ELS)はエンドレスではないが、常に回数の違うシナリオを複数用意し、自由に選択できるように。
『ストリート・ハッスルHG〜いつまでも忘れない』(HD)はNPCとの交換日記が売り物。
『天星乱華』(HD)はカルディアネ・シリーズだが舞台を東方世界に移し、三国志さながらのオリエンタル世界に。
陰陽寮生徒の冒険を中心にした退魔と冒険と戦の和風ファンタジー『帝都陰陽伝』(HD)はアクションをハガキで提出し、用途に応じて「定番行動ハガキ」「自由行動ハガキ(FA)」「シナリオ行動ハガキ」が用意される。
『クレギオン・エンドレス』(HD)は過去のクレギオンすべてのエピソードをシナリオとして採用。1キャラ登録すれば時代や場所に関係なくシナリオ参加可能とした。
マルチプルウェーブが魔法学園物『エテルーナ魔法学園』(MW)で参入。
ホビーデータが新たにアダルトゲーム専門レーベル「プレマ」を立ち上げ。第一作『ももいろ交差点』(PRE)のテーマは“萌え”。
『エルハーダの秘宝エターナル〜外神降臨編』(HD)マスター処理、機械処理、投稿による3タイプのアクションを別料金で。
『楽園のファンタジオン』(PAS)
『アルカトラス#2 救世主降誕』(HD)
『東京ガーディアンズUltimate』(HD)では前作参加者には登録セットの半額サービスと、友人を紹介し参加すると3回分のアクション料サービス。
『エターナル・ギルティ〜君が刻まれた心』(HD)はPC同士で前世の関係を設定し合うことが主な目的に。
冒険と恋愛のハイテンションファンタジー『デモンスリンガー2〜八葉姫の帰還〜』(HD)はメインの女性NPC8人を複数のイラストレイター等にデザインさせる。アクションのインターネット投稿も可能に。
『侍〜ブレイダー』(HD)と『飛斬〜シャドウマスター阿修羅の夢』(HD)は同じ時代の表の戦と裏の戦いを同じルールで平行して描く形になるので、PCの相互乗り入れが可能。
『帝都双月魔術陣〜鎖の姫君編』(HD)。
機械処理の『ぼくらの学園アドベンチャー[2学期]』(PAS)と通常型の『ぼくらの学園 夏休み』同時スタート。
テラネッツは『MT14 PSYCHOMASTERS AD2058.“ラスト・リゾート”』(TLN)を最後にPBM撤退を宣言。以後はインターネット専用のウェブトークRPGに移行。
★消費者の注文に応じてPCのイラストやボイス・メッセージあるいはオリジナル小説を作成する、テラネッツのオーダーメイドCOMは好調に展開。
★合資会社リサイトが発足。PBeMのオフィシャルとして『瑛勇幻装曲』などを運営。
真・魔神伝奇シリーズ『聖戦の紋章』(M2)。
 

■この年は「特命転攻生」がすべて。…というか、前半に「共栄圏」のクライマックスをかかえ、後半から「特命転攻生」をプレイしてたら、他のゲームをまともにやる余力が残るわけがないですよ。それに他も悪くはなかったろうけど、システム的に特筆すべきものはなかったし、個人的にのめり込んだ物もなかったです。「特命転攻生」はリアクションを紙で受け取る人でも、インターネット上で公表されたデータを読むことができる。それ自体は珍しくないけど、これがちゃんと予定日に出るのだね(残念ながら遅れがまったく無かったわけではない。最終回などは公開が予定より4時間遅れた★)。だから、プレイヤーもスケジュールをあてにできる。集まれば情報や意見の交換をするネタはあるから、プライベなんかも活発になる。ただ終盤、自分のPCが活躍すればするほど、他のプレイヤーの動向が気になったけどね。途中リタイアも目についたし。
 ただ、いずれにせよ途中参加がしやすいシステムではあったな。回数のことなる複数シナリオが幾つも走っており、互いに関連しているので、新規参加でも死亡再登録でもシナリオ移動でも自由自在。あとは相性のあうマスターがみつかれば文句なし。それも全リアが読めるからね。
■夏には東京でレーベンスラウムの合宿プライベ、かってにファイナル・イベント。全国から怪しい連中が20人ほど集まって徹夜の大騒ぎに、宿を追い出されないかと心配したが、同宿の都内有名私立大学のコンパの方が大騒ぎで傍若無人だった。
■参加はしなかったが、「魔法学園が意外と面白く楽しめるぞ」という噂が口コミで広がっていた。
■冬になると「レーベンスラウム2」のエントリーが話題に。南北に分断された日本を戦場にした架空戦記。僕は友人らと相談して共産陣営で参加することに。こういう場合、主義主張とか兵器の好きずきではなく、プレイしやすいかどうかが優先される。幾ら兵器が好きでも選択肢が限られていてはつまらないし、船頭多くして船が山に登ってしまってもくだらない。こういう場合、兵器に華がなく、悪役っぽい陣営の方がお得だ。
 
2003   
南北に分断された日本での戦い『レーベンスラウム〜新世界大戦1985』(HD)は外交・戦略・戦術を駆使した濃いゲーマーのたまり場に。
マルチプルウェーブの第2作『東奉幻獣記』(MW)は口コミ効果で満員御礼!
★『特命転攻生evo.』は遅刻なしのまま終了(最終リアクションのみ4時間遅れ)。
『エンパイア』と『覇王剣ヴァルザドーン』の世界を統合した新シリーズ、『天狼征竜伝〜ケルニアンの聖戦士』(HD)が開幕。
神々と人間の血を受け継ぐ未来の英雄たちの活躍する『ライトセイバーズ−デュアル〜虹の彼方のキサナドゥ』(HD)は、通常のアクションに加え、手持ちの10枚のカードを使って余所のシナリオに影響を与えるカード・アクションあり。
『幻想英雄伝レジェンド・オブ・ロマンシア』(PAS)。
★『みやかわたけしのネットワークRPG研究室』凍結。
★AISがPBM業務を終了。
海洋冒険ファンタジー『セブンス・ブルー〜黄金の大地を求めて』(HD)はアトランティス教団との戦い。
300人限定で『エターナル・ギルティ異聞〜君とくりかえす輪舞』(HD)。
『カルディネア・グランエイジ〜竜姫の聖輪』(HD)は最近の主流、月1の通常アクションと選択式で月何度でもアクションの組み合わせ。
ライトセイバーズの新シリーズ、『デクストリアル・ディード〜ライトセイバーズ・エクシード/光と闇の英雄たちの武勲』(HD)。
『クロス・ジェイド〜ウロボロスの黄金』は魔法のアイテムが活躍する異世界ファンタジー(M2)。郵便参加とインターネット参加の選択。
★ホビーデータが倒産(10/31)。
★ハヤカワ文庫より小説『クレギオン1 ヴェイスの盲点』(野尻抱介 著)復刊。
★iモード蓬莱の終了。
 

■業務縮小が噂されていたAISがついに解散との知らせ。いろいろ思い入れもあるだけに残念。
■今回の「レーベンスラウム2」にはほどほど参加。でも同胞がうちに集まり、B全紙に拡大した白地図に、彼我の戦力を書き込んでいくのを見ていると燃えるよね。
■最近はオンラインゲームにもちょこちょこ手を出している。3Dを駆使したリアルタイム系でなくても、最近のは安くて面白い。へたなマスターの手書きPBMやら展開のトロい簡易処理型はあっという間に駆逐されてしまうだろう。
■老舗ホビー・データが倒産。進行中の複数PBMを抱え、新作の参加費振込まで受け付けながらの突然の業務終了にAIS以上に影響は大きい。
 
2004   
★有志によるミリタリーPBM『レーベンスラウムLF〜最終戦線』が立ち上がる。(同年12月終了)
★有志による海洋冒険ファンタジー『SB3+』が立ち上がる。
★ハヤカワ文庫より小説『クレギオン2 フェイダーリンクの鯨』(野尻抱介 著)復刊。
★ハヤカワ文庫より小説『クレギオン3 アンクスの海賊』(野尻抱介 著)復刊。
空と魔法の王国エルセリアを舞台にしたプロムナード7『はじまりのエアギアス』(PAS)がスタート。
『魔導大戦〜伝説の至宝』(Studio Big Isrand)がスタート。
★ハヤカワ文庫より小説『クレギオン4 サリバン家のお引越し』(野尻抱介 著)復刊。
パソコンゲームや小説でマルチ展開しているファンタジーRPG『ロマンスは剣の輝きU』をネットワークRPGに。ただしEメイルがメイン(M2)。
『魔神伝承〜新たな神話の始まり』(Studio Big Isrand)がスタート。
すっかりお馴染みとなった、数値処理メインの学園PBMの最新作『はぴがく』スタート(PAS)。
 

■紙媒介もそろそろ終わりかねえ……と言いたいところだけれど、まだ10年前の状態に戻っただけかも。
 
2005   
『ブラッド・オペラ』(ELS)では一括入金30万円コースが登場。
幻想英雄伝『フォーチュン・オブ・ギャラクシア』スタート(PAS)。
 

■賛否両論の30万円コースだが、作家を1年間拘束して自分のPCが登場する小説を書かせると思えば安いものかも。
■蓬莱学園15周年。
 
2006   
風見ヶ原学園を舞台にしたシリーズ最新作『ぼくらのわくわく大学園祭』スタート(PAS)。
ロマンチック幻想詩篇、プロムナード8『太陽と星と銀竜の詩篇 ロマンシングブレス』スタート(PAS)。
『運命準備委員会 Sommerbrautは寂かに告げる』(ELS)スタート。
 


 
2007   
ヒロイックレジェンドRPG『幻想英雄伝ウインドオブスターシア』スタート(PAS)。
 
■体験版を利用した勧誘はPASのスタイルとして定着。

 


※この年表は、商業PBMをおおむね年代順に並べ、ストーリーやシステム等に特筆すべき点があれば付記したものです。また、その中でも特にストーリーやシステムに見るべきものがあり、同時に編者が楽しめた作品についてはアイコンを表示しました。
 また扱う対象はPBMに限定し、原則としてオンラインゲームやPBeMは扱いません。(文中敬称略)

前のページに戻る