独断的JAZZ批評 837.

KENNY BARRON / DAVE HOLLAND
文句なしにかっこいい!!!
"PARIS 2012"
KENNY BARRON(p), DAVE HOLLAND(b)
2012年9月 LIVE AT JAZZ A LA VILLETTE,PARIS
 ライヴ録音 (MEGADISK)

KENNY BARRONの演奏をYouTubeで探していて見つけたのがこのライヴ・コンサートの映像。締めて1時間と6分。(末尾にURLを表記している)
もしかして、このライヴのCDがあるのではないかと再度、検索したらありました!ブートレグなどのアルバムも扱っているちょっと怪しげなサイトではあったが、このCDをどうしても入手したくてポチっと押してみた。価格と送料を含めると3,500円強と結構高い。それでも、注文してから3日後には入荷。胸をなでおろした。
このCD、どうもCD-Rらしい。ジャケットも貧弱。時にノイズと思われる揺らぎもあるけど、おおむね満足できる。それよりも内容の素晴らしさに少々のことは我慢しようという気にさえなった。YouTubeではCDと同じトラック全てがアップされているので、音質に拘らなければYouTubeの映像でも良いだろう。何しろ、無料だから・・・。
@、A、CがBARRONのオリジナルでB、DがHOLLANDのオリジナル。EはCHARLIE PARKERのお馴染みのブルース。

@"SPIRAL" YouTubeを観るとHOLLANDのベースが少し変わっている。縦寸が少し短いのだ。にも拘わらず、いい音色で鳴っている。
流石に百戦錬磨のプレイヤー同士とあって、二人の呼吸もピッタリ。素晴らしい緊密感を味あわせてくれる。そして、かっこいい!!!曲の良さと相まって、最高のパフォーマンスを聴かせてくれる。

A"LULLABY" 
デュオであるのでベース・ソロの機会も多いが、HOLLANDのベース・ワークは実に素晴らしい。まず、ビートがあって、いい音で鳴っているし、よく歌っている。本当に「かっこいい!」って言葉がピッタリだ。
B"PASS IT ON" 
ベース・ソロで始まるが、これがまたかっこいい!アコースティックないい音色だ。その弾きっぷりをYouTubeで確認いただきたい。ベースが躍動しているのでドラムスの必要性を全く感じさせない。素晴らしい!続く、二人の8小節交換もグルーヴィだ。
C"CALYPSO" 
カリブの爽やかな風のよう。
D"IN YOUR ARMS" 
美しいバラード。こういう曲弾かせるとBARRONのピアノは天下一品だ。適度な間と静かな躍動感。そして、溢れる歌心。
E"BILLIE'S BOUNCE"
 最後を締めるブルース。HOLLANDのベース・ソロがグルーヴィ。素晴らしい躍動感を増幅させていき、BARRONとの1コーラス交換へと進む。拍手鳴りやまず!

僕はソロとかデュオというフォーマットが好きだ。人数が少なくなるほどプレイヤーの実力が表れる。デュオでは二人の技術的な力量と同時に「阿吽の呼吸」ともいうべきコミュニケーション(緊密感)が大事になってくる。
本アルバムは、その両方を兼ね備え、加えて「かっこいい」のである。特にDAVE HOLLANDのベース・ワークには痺れた。一台のベースから繰り出される躍動感が素晴らしい。もう、全くって言っていいほどドラムスの必要性を感じさせないのだ。強靭な握力から生まれるビート、伸びやかな音色、どれも素晴らしい。
久々に、文句なしにかっこいいデュオ演奏に巡り合えたということで、「manaの厳選"PIANO & α"」に追加した。   (2013.12.08)

試聴サイト : http://www.youtube.com/watch?v=7sJrEmWio6c
          このYouTubeではCDの全トラックが堪能できる!



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