PAT METHENY “Beyond the Missouri Sky”
PAT METHENY(g),CHARLIE HADEN(b) 1996年録音
Bass:チャーリーヘイデンとのデュオ。
アコースティックギター、あるいはシンセサイザーを加え、牧歌的な、ジャンルを超えた演奏が全編を覆い尽くす。癒し系音楽と言いたくなる人もいるだろう。確かに心にしっとりと潤いを与える音楽といえる。
幼少時代を過ごしたミズリー州への強い想いを切々と歌い上げる。虚心坦懐、何のてらいもなく純粋な子供の心のように。
僕は何十回となく聴いた。何十回聴いても飽きさせない何かがあるのは間違いない。
悲しいとき、さびしいとき、疲れたとき、怒りに震えるとき、幸せを感じるとき、人間の日常の心の隙間を埋めてくれる音楽だと思う。
@"WALTZ FOR RUTH"
A"OUR SPANISH LOVE SONG"
B"MESSAGE TO A FRIEND"
C"TWO FOR THE ROAD"
D"FIRST SONG"
E"THE MOON IS A HARSH MISTRESS"
F"THE PRECIOUS JEWEL"
G"HE'S GONE AWAY"
H"THE MOON SONG"
I"TEARS OF RAIN"
J"CINEMA PARADISO (love theme)"
K"CINEMA PARADISO (main theme)"
L"SPIRITUAL"
僕は“The Moon Song”が一番好きだ。全13曲の中でも、ひときわ、この曲に心打たれる。何故だかわからない。この曲は重録音をしているし、シンセサイザーも使っている。しかし、ベースはひたすらにシンプル。何故か心を打つ。
全編を通してベースのチャーリー・ヘイデンがすばらしい。奇をてらうことなく堅実に、そして、音楽の何たるかを知っている感じで黙々と弾いている。ややもするとテクニックをひらけしたくなるものだが、一切、それがない。この音楽に必要とされている役割に徹している。また、音がすばらしく良い。野太く包容力のある音。このアルバムはこのベーシストなくしては生まれなかったと確信する。
このCDは誰にでも聴いてもらいたい音楽だ。クラッシク、ロックは言うに及ばず、演歌、いや、音楽を好きな人すべてに聴いてほしいと思う。
余談になるが、ジャケットデザインが良い。不思議と、良い音楽には良いジャケットデザインが施されるものだ。
「manaの厳選"PIANO & α"」に追加した。 (2001.06)