独断的JAZZ批評 739.

JUREK JAGODA
ポップス感覚の軽めな演奏
"SONGS WITHOUT WORDS"
JUREK JAGODA(p), MAREK ALASZEWSKI(b), PAWEL GEBICKI(ds)
2009年 スタジオ録音 (SOU PRODUCTION )

ポーランドの若手グループだという。が、それ以外のことが一切分からない。ジャケットには演奏曲目以外の記述は殆どないし、もちろん、ライナー・ノーツが添付されているわけでもない。下記に記されたURLを覗いてみても、3人は若いということくらいしか分からない。それと、写真から見る限り、ベースはアコースティック・ベースを手にしているようだけど、幾つかの曲で流れでてくる音色はまるでエレキ・ベースのようでもある。多分、曲によって使い分けているのだろう。
全曲、ピアニストのJAGODAのオリジナル。

@"RUNNING MAN" アドリブに入ると心地よい4ビートを刻み前のめりのドライブ感あふれる演奏にシフトする。最期はフェード・アウト。
A"TWO SIDES OF SOMETHING" 
ゴツゴツしたハード・タッチの演奏かと思えば、流麗でリリカルな演奏にもシフトする。
B"IF ONLY I COULD TELL YOU" 
C"SHORT STORY" 途中にベース・ソロがフィーチャーされている。重いアコースティック・ベースの音色。結構、アンプの増幅が強い。ブリッジの設定が低いのだろう。弦が張り詰めていない、弛んだ音色がいただけない。
D"LORAINE" 
E"WAITING" 
ここまでの6曲はアコースティック・ベースを使用して、比較的オーソドックスなプレイに終始している。
F"THREE FOR ALL" 
この音色はどう見てもエレキ・ベースでしょう!ということは、曲によってアコースティックとエレキを持ち替えているのかな?
G"MOON & SUN" 
エレキ・ベースを使ったポップス感覚。
H"ARE YOU NERVOUS" 
一昔前に流行ったロックとの融合を目指したような演奏だ。
I"LOVING TWICE" 
J"REMEMBERANCE" 
K"BEFORE I TELL YOU GOOD NIGHT"
 か〜るい演奏。印象にも残らず右の耳から左の耳へと消えて行く。

全曲、4分から6分半の間の演奏時間。演奏もクールというか、冷めているというか、熱くなることがない。どの曲も特に印象に残らないまま終わってしまう。どの演奏もそこそこには弾いているんだけど、インパクトに欠けるというか、クライマックスがないというか・・・。。
全曲を聴き終わった印象は「ポップス感覚の軽めな演奏」って感じかな。このアルバムを聴いてポーランドのジャズってこんなものとは思いたくないが、何か印象に残らない音楽だ。二度とCDトレイに載ることはないだろう。   (2012.01.29)

試聴サイト : http://www.jurekjagoda.com/




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