LASSE TORNQVIST / JAN LUNDGREN
秋の夜長に本でも読みながら、ついでにワインでも飲みながら聴いたら、ピッタリと嵌りそうだ
"EVERYTHING HAPPENS TO ME"
LASSE TORNQVIST(cornet), JAN LUNDGREN(p)
2010年8月 スタジオ録音 (SPICE OF LIFE : SOL SV-0015)

僕はデュオというフォーマットが好きだ。ピアノとコルネットのデュオは今回が初めて。コルネットはSWEET JAZZ TRIOのLASSE TORNQVISTで、ピアノがJAN LUNDGREN。嬉しい組み合わせだ。LUNDGRENの名前を見ただけで素性の良い音楽が想像できる。


@"EVERYTHING HAPPENS TO ME" 
オープニングのピアノの音色からして優しくて暖かい。TORNQVISTのコルネットがまた良い響きだ。実にナチュラル!実にピュア!心が洗われる演奏だ。
A"THANKS A MILLION" 
ミディアム・テンポで軽快にバック・アップするLUNDGRENのピアノはそっと寄り添う奥さんのよう。
B"AUTUMN LEAVES" 
一切の捻りがないストレートな演奏。これほどまでに歌い継がれてきたスタンダード・ナンバーを細工なしのストレート演奏するには勇気がいったであろう。この掛け値なしの潔さが良いね。このコルネットの音色は暖かくてやわらかい。
C"I'M CONFESSIN'" 
D"LITTLE MAN YOU'VE HAD A BUSY DAY" 
優しいバラード。
E"MOON LIGHT BECOMES YOU" 
F"DANNY'S DREAM" 
バラード。
G"THE VERY THOUGHT OF YOU" 
H"JILL" 
I"WE FELL OUT OF LOVE" 
J"MY QUEEN IS HOME TO STAY" 
K"THE WINDS SIGH IN THE WOOD" 
この曲まで全12曲。似たようなテーマ、似たような演奏、似たようなスタイルで最後のほうは飽きてくる。楽曲としては決して似たテーマを集めたわけではないと思うのだけど、演奏スタイルが似たような印象しか残さないのが残念。

実に仲の良い中年の夫婦のようである。お互いの酸いも甘いもかぎ分けて、そっと寄り添う感じ。だから、ここには丁々発止のバトルもインタープレイもない。あくまでも、暖かく優しいのだ。丁度、ヴォーカルに付き添うピアノのよう。そうLUNDGRENのピアノは歌伴だ。ヴォーカルがコルネットに替わっただけ。
全曲、そっと寄り添うスタンスだからスリリングな展開というのはない。まさに秋の夜長に本でも読みながら、ついでにワインでも飲みながら聴いたら、ピッタリと嵌りそうだ。上質感の溢れるデュオ・アルバムであることは間違いないけど、大満足かといえばそうではない。2〜3曲はアップテンポの曲や丁々発止のインタープレイが聴けたら良かった。   (2010.11.02)

試聴サイト : http://www.spiceoflife.co.jp/jan_cd07_l.html



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独断的JAZZ批評 659.