"THE PIANO SCENE OF DAVE McKENNA"
DAVE McKENNA(p),JOHN DREW(b),OSIE JOHNSON(ds) 1955年録音

デイブ・マッケンナ。垢抜けていてお洒落な、いかにも白人的なピアノを弾くが、何故かとても心に残る名盤。泥臭さやブルーな雰囲気はない。ウェスト・コースト・ジャズにも通ずる、明るさとお洒落な感覚を持った1枚といえるだろう。
このCDをHMVで見つけたときは嬉しかった。レコードでは持っていてもなかなか聴く環境になくて、もう、10年近く耳にしていなかった。

どの曲も短めであるがついつい口笛を吹き鳴らしたくなる名演、名盤なのだ。
1曲目 "THIS IS THE MOMENT" はアップテンポの軽快な曲。オープニング・ナンバーとして申し分ない。次が "SILK STOCKING" 。これも快いテンポの中で軽快に気持ちよく歌う。左手のバッキングも軽快だ。
4曲目の "FOOLS RUSH IN (WHERE ANGELS FEAR TO TREAD)" 。ミディアムスローの美しい曲。一度聴くと耳から離れない、印象に残る1曲。必ずと言ってよいほど口笛が突いて出てくる。わずか4分強の曲だが、この曲は特に好きだ。
他にも "SECRET LOVE" "I SHOULD CARE" などのスタンダード・ナンバーが含まれている。"I SHOULD CARE" も是非聴いて欲しい名演である。4ビートになってからのアドリブもご機嫌である。

もともとLP盤用に録音されているので、70分近く入るCDには無理があり、テイク2、テイク3が含まれているナンバーもある。(これはボーナストラックとはいえない)

最後に、ジャケットの素晴らしさは特筆に価する。LPサイズでないのが残念だ。CDサイズでは色香を感じないが、LPサイズのジャケットは本当に素敵だ!    (2002.01.06.)

<2003.08.23追記>
久しぶりにこのCDを戸棚から出して聴いてみた。やはり、良いものは良い。既に書いたように、西海岸の明るさを象徴するかのようなお洒落な一品だ。演奏曲目は以下の通り。

@"THIS IS THE MOMENT"
A"SILK STOCKINGS"
B"WAY DOWN YONDER IN NEW ORLEANS"
C"FOOLS RUSH IN (WHERE ANGELS FEAR TO TREAD)
D"EXPENSE ACCOUNT"
E"LAZY"
F"SPLENDID SPLINTER"
G"LICKETY SPLIT"
H"ALONG WITH ME"
I"SECRET LOVE"
J"DA-DA-DA GO DIG-IT"
K"I SHOULD CARE"
L〜Sそれぞれの別テイク

何故、これを5つ星にしなかったのだろう。多分、70分のCDを埋めるために別テイクがたっぷり入っているせいだと思う。そのマイナス面を認めてもこれには5つ星を献上したい。
遅まきながら「manaの厳選"PIANO & α"」に追加した。   (2003.08.23)



知る人ぞ知る、デイブ・マッケンナの名盤
秀逸なジャケットデザインと
明るくお洒落なジャズが楽しめる
DAVE McKENNA

独断的JAZZ批評 43.