ハードバップの匂いがタバコの煙のように染み付いた男臭い一作

ジャケットの出来も素晴らしい
"SONNY CLARK TRIO"
SONNY CLARK(p),GEORGE DUVIVIER(b),MAX ROACH(ds) 1960年3月録音

LP時代のジャケットは良かった。今や、このレコードもCDサイズになってしまって残念だが、LPサイズのこのジャケットはもっと素敵だ。
「デザインの良いジャケットに、詰まらない演奏のディスクはない」というのが僕の持論だ。
良いジャケットのLPは部屋に飾ったりしたものだが、CDサイズとなっては少し悲しい。
このCDはジャケット・デザインにたがわず中身の濃い演奏となっている。

ソニー・クラークのディスクとしては "COOL STRUTTIN' " があまりにも有名だが、ピアノ・トリオ盤としてはこのレコードがお奨め。全編ソニー・クラークのオリジナルで占められている。
5曲目の "BLUES BLUE" はテーマといい、アドリブといいクラークらしい泥臭さに溢れている。
"SONIA" は軽快なテンポとメロディで洗練された1曲。この時代の多くのジャズ・ピアニストがバド・パウエルの影響を強く受け、右手1本でアドリブをとり、ほんの少し左手のバッキングを加えるだけというスタイルを踏襲した。

甘さはない。硬派な(ピアノの音まで硬質な)ジャズである。今時の軟弱路線のピアノ・トリオと一味も二味も違う男のジャズなのだ。
女、子供には分かるまい、この良さは!
タバコの煙が染み付いたかのような男臭いジャズを聴いてくれ!  (2001.12.14.)



@"MINOR MEETING" 
A"NICA" 
B"SONNY'S CRIP" 
C"BLUES MAMBO" 
D"BLUES BLUE" 
E"JUNKA" 
F"MY CONCEPTION" 
G"SONIA" 
(2008.01.20追記)




SONNY CLARK

独断的JAZZ批評 40.