"KEITH JARRETT AT THE BLUE NOTE"
GARY PEACOCK(b),JACK DEJOHNETTE(ds), 1994年7月録音。NEW YORK

久しぶりに取り出して聴いてみたキースの94年録音盤。「えっ!」と思うぐらい素晴らしい。
「何で久しくご無沙汰だったのだろう?」と思ってしまうくらい「!!!」ものなのだ。

5曲の中にはスタンダード・ナンバーの名曲がずらりと並んでいる。"AUTUMN LEAVES" "DAYS OF WINE AND ROSES" "YOU DON'T KNOW WHAT LOVE IS" "WHEN I FALL IN LOVE" といった具合だ。
スタンダード・ナンバー・オンパレードといっても、そんじょそこらの受け狙いの企画ものと違って、中身は滅茶苦茶濃い。特に26分にも及ぶ「枯葉」、20分にも及ぶ"YOU DON'T KNOW・・・・・" はただ長いだけではない。全編刺激的であり、冗漫な印象は全くない。

「枯葉」は通常のアドリブから、やがて、フリーなインプロビゼーションに変化しいき、また元に戻るという具合だ。後半は4小節のリピートが延々と続くが、このシンプルな構成の中で自由奔放な即興演奏が踊り、聴く者を飽きさせない。

同様に4曲目の"YOU DON'T KNOW・・・・・" においても同様な構成になっている。ベースのソロあり、ドラムスのソロあり、3者の抜群のインタープレイありで、あっという間に20分が過ぎていく。

非常に真面目で、JAZZの真髄といっても良いほどの演奏を聴かせてくれる。
JAZZに取り組む姿勢、真摯な態度、飽くなき音楽の追求に対して、あらゆる賛辞を贈りたいと思う。
最近作、"WHISPER NOT" をも超える、キース・ジャレット・トリオ、乾坤一擲の名作である。 
「manaの厳選"PIANO & α"」に追加した
(2001.11.01.)




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トリオとしての完成度の高さ、真摯な態度
あらゆる賛辞を惜しまない。
キース・ジャレット・トリオ、乾坤一擲の名作である。
KEITH JARRETT

独断的JAZZ批評 33.