KENNY BARRON

軽妙洒脱、いぶし銀のバロンのピアノと

NEW YORK JAZZ LIVEの雰囲気が堪能できる。

KENNY BARRON TRIO “LIVE AT BRADLEY’S”
KENNY BARRON(p),RAY DRUMMOND(b),BEN RILEY(ds) 1996年4月録音

先に書いたJAZZ批評 16."NIGHT & THE CITY"に魅せられて、もう1枚追加購入。このCDは先立つこと5ヶ月前の1996年4月の録音。ニューヨーク・ブラッドリーでのトリオでのライブ盤。

「軽妙洒脱」とはこのバロンのピアノのためにあるかのようだ。最初の矢鱈長い曲名の"EVERYBODY LOVES MY BABY, BUT MY BABY DON'T LOVE NOBODY BUT ME"から軽いタッチの演奏が始まる。ついつい、身体が振れてくるのだ。のっけから、ご機嫌な演奏にぐいぐい引き込まれていく。ブラッシュ・ワークからスティックに持ち替えたあたりから3人が一体となったコラボレーションを展開していく。

2曲目、アップテンポで演奏するマイルス・デビスの"SOLAR"。

3曲目の哀愁溢れるメロディ"BLUE MOON"になると、「いよいよ」と思わせる期待感が湧いてくる。ブラッシュワークのスローでスタートし、徐々にインテンポになっていく、その過程が面白い。バロンのピアノはむしろ淡々と美しい音を重ねていくが、3者のバランスも良く、ピアノトリオとしての楽しさを堪能させてくれる。
4曲目"AFTER EGO"。ここでは8ビートで演奏しているが、どんなスタイルでもバロンはオリジナリティを失わないところが良い。「おしゃれ」なのだ。
5曲目の"CANADIAN SUNSET"のアレンジは面白い。

全てにわたって、大人の匂い、お洒落な感覚と快いスウィング感に溢れている。ライブでこんな演奏を聴いてしまうとアルコールがどんどん進むこと間違いなし。多分、へべれけになってしまう。
「manaの厳選"PIANO & α"」に追加した。

余談だが、CDジャケットの写真にはライブ・ハウス"BRADLEY'S"の料金が写っているが、$15.00とは安い!日本円にして2000円弱でこのライブを聴けるなんて!!
日本の料金は一体どうなっているんだ。
                  (2001.08.23.)



独断的JAZZ批評 22.