GARY BURTON
野球に例えれば、4番バッターばかりを揃えた
巨人打線のよう。
不満足。聴衆は貪欲なのだ!

GARY BURTON “LIKE MINDS”
GARY BURTON(vi),CHICK COREA(p),PAT METHENY(g),DAVE HOLLAND(b),ROY HAYNES(ds) 1997年12月録音
ゲーリー・バートン(Vi)、チック・コリア(P)、パット・メセニー(G)、デイブ・ホランド(B)、ロイ・ヘインズ(D)。これ以上は無いという豪華メンバー。
結論から先に言うと、超豪華メンバーにもかかわらず、期待したほどの演奏になっていない。これだけのメンバーを揃えれば、当然の如く、もの凄い音楽を期待したくなるわけだが、内容的には今ひとつと言わざるを得ない。

野球に例えれば、巨人の打線のように4番バッターばかりをそろえて野球の内容がつまらなくなるのに良く似ている。超一流の4番バッターが揃っても、ぶんぶんバットを振り回すだけでは、野球としては面白くない。このCDの場合、それ以前に、バットをぶんぶん振り回してもいないのだ。皆、ヒット狙いなのだ。お互いにインスパイアーされる
ものが無くて、プラス・アルファに昇華された部分が出てきていない。
凄く物足りなさを感じるんだなあ。

もちろん、これは、このメンバーだから言える贅沢だとは認識している。普通に見れば、平均点以上の作品には仕上がっていると思う。でも、それで終わっては満足できない。聴衆は貪欲なのだ。

この中ではベースのホランドが一際精彩を放っている。力強く野太いベースラインは6曲目の”COUNTRY ROADS”でいかんなく発揮されている。

買って損した気にはならないが、得した気にもならない。
僕としては不満足、消化不良。                         (2001.08.23.)



独断的JAZZ批評 21.