薪による窖窯焼成 その2.








2003年4月22日〜29日 栃木県の楡窯での薪による窖窯(あながま)焼成の焼成編を紹介しよう。
「1.焼き、2.土、3.作り」といわれるように、薪での焼成には電気窯では味わえない焼成の楽しみがある。
昨年の6日間の焼成体験(薪窯焼成体験 1.)は非常に貴重な経験となった。
陶芸の本当の楽しみは焼成にあるということを思い知らされたのだった。
窯出しまでのワクワクドキドキが堪らない。

今回の焼成には仕事の都合で1日半しか付き合えなかったが、まさに焼成のピークに立ち会うことができた。
窯出しは5月5日。果たしてどんな作品に仕上がるだろうか?

(1)薪による焼成

先ずは窯詰め。
3人で3日ほどかかったという。
今回も信楽が中心。
一部、奥に備前を入れた。
前回同様、700〜800束の赤松を使用することになる。
ここに写っている薪の束も全て灰となり釉となって流れる。
焼成5日目。温度も1200℃を超えたあたり。
1300℃に向けて木蓋で焼成温度を上げていく。
色見穴から炎が吹き上げる。
赤松の大木をチェーンソウで切断。
この太い赤松は燠となって窯の温度を上げる役割。
少し炎が引いたところで内部写真を撮る。
窖窯の煙突から黒煙が吹き上げている。
これは薪を投入した直後。
夜になって1300℃近辺になると上の写真の煙突からは火柱が立っている。
望遠で撮ってみた。
引き出し黒。窯の奥側で1220℃をとったところで窯から引き出した。さやの中の籾殻に一度置いた。
その後、水の中へ入れて急冷却。
見事な「引き出し黒」の完成。
釉が縮れてかいらぎ(梅花皮)が見える。
これは栗原先生の作品。
これはテストピース。
灰かぶり。
薪の燠の中に転がしたもの。
荒々しいタッチが魅力。
ピークをとった後の窯の内部。
ここから徐冷に入る。
薪を燃やしながら徐々に温度を下げていく。
徐冷により「かせた」感じが出るらしい。
徐冷中の内部。だいぶ温度が下がって750℃の窯の中。

窯出しは5月5日の予定。
7日間にわたる薪窯焼成の結果やいかに?