"MANHATTAN STORY"
AKIKO GRACE(p), LARRY GRENADIER(b), BILL STEWART(ds)
2002年スタジオ録音 (SAVOY COCB-53025)

HMVの試聴コーナーで何気なく耳に当てたこのCD。その瞬間、僕はぶっ飛んだ!!!
これは凄い!、驚きだ!ぶっ魂消た!ゾクゾク、ワクワクだ!
と、それほどのショックがあった。
「可愛い顔して!女は、だから怖い!」と思った。でも、こういう実力のある女性が出てくるのは喜ばしいことだ。

ここではLARRY GRENADIER(b)も BILL STEWART(ds)も対等な立場でありながらも、AKIKOの意思を汲み取って従順に、しかも、しっかりとサポートしている。この2人から紡ぎ出される躍動感が凄い!緊迫感が凄い!そして、AKIKOの虚飾を捨て去ったピアノが美しい。
完成度の極めて高い演奏と悦に入るのは僕だけではないだろう。

BILL STEWARTのドラミングはスティック・ワークもブラッシュ・ワークも繊細にして大胆であり、何よりも強い躍動感を生む4ビートのシンバリングが凄い。
LARRY GRENADIERのベースも野太く逞しい。このベーシストのピチカートの強さといったら、彼の右に出るベーシストはいないのではないか。アンプに頼らない強いビートが身上だ。この力を引っ張り出しているのが、紛れもなくAKIKO GRACEのピアノだ。むしろ、要らぬ装飾を外したスッピンの演奏に好感がもてる。

個々の演奏曲目について、簡単な寸評を付記する。
@LIBIDO〜MEDITERRANEAN SUNDANCE・・・面白いテーマと躍動感
ATHAT MORNING・・・美しさと3者のインタープレイ。ベース・ソロも最高
BFLY ME TO THE MOON・・・おなじみの曲を装飾を省いた演奏で
CPULSE FICTION・・・ベースとドラムスのサポートが聴き所
DFIRST SONG・・・美しい曲をシンプルに歌い上げる
ECHANGE THE WORLD・・・テーマをベースのアルコ弾きで
FYOURS IS MY HEART ALONE・・・ドライブ感満載のアレグロ4ビート
GOVER THE RAINBOW・・・ほとんど右手1本で装飾を排したピアノ。ベースが泣かせる
HBEMSHA SWING・・・8ビートながらファンキーな味わい
ITWO THIRTY IN THE MORNING・・・ドラミングに注目!
JSONG FOR BILBAO・・・伸び伸びとしたピアノのタッチがGOOD
KBLUE WATER・・・最後を閉める3人のコラボレーション

アップテンポでドライブ感満載の@Fを聴いていると「ジャズっていいなあ」と心底思うのだ。

このCDにはライナー・ノーツもついてない。演奏同様、いたってシンプル。「能書きは要らない、先ずは聴いて!」と訴えているようで好感がもてる。
因みに、このCDの価格は¥2800。CDとしては高い。でも、価値はもっと高い。おつりを貰った気分。日本とアメリカのジャズも捨てたものじゃない。

僕のJAZZ批評の一区切りである101番目を飾るに相応しい1枚として推奨したい。
迷わず、★ 5つ。「manaの厳選"PIANO & α"」に追加した。    (2002.10.02)



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何気なく試聴用のヘッドフォンを耳に当てた瞬間、
僕はぶっ飛んだ!!!
AKIKO GRACE

独断的JAZZ批評 101.