独断的JAZZ批評 953.

AHMAD JAMAL
84歳の爺さんにこの上ない元気をもらった
"LIVE IN MARCIAC AUGUST 5TH 2014"
AHMAD JAMAL(p), REGINALD VEAL(b), HERLIN RILEY(ds),
MANOLO BADRENA(perc)
2014年8月 ライヴ録音 (JAZZ VILLAGE : JV 570078.79)


今回、入手した本アルバムはCDとDVDの抱き合わせ販売であった。価格も3000円超えであった。フランス・MARCIACでのコンサート・ライヴをCD化とDVD化を同時に行ったもので、演奏内容は全く同じだが、媒体の収録能力の時間の問題でDVDの方が1曲多い。
普段はDVD化された映像を観ることはほとんどないのだが、本アルバムに限ってはDVDの映像ばかりを観て聴いていた。是非、DVDの映像を観ながら楽しまれることをお勧めしたい。

@"SUNDAY AFTERNOON" コンサートステージが和気藹々として何と楽しそうなことか!VEALのベース・ワークに乗って御大JAMALがピアノを弾き始める。そしてメンバー紹介を兼ねて各自にソロを執らせて進む。JAMALのピアノの「外し方」も最高!
A"THE SHOUT" 
このJAMALのグループにはパーカッションMANOLO BADRENAが必ず参加していて個性的な音楽に一役買っている。
B"DYNAMO" 
演奏中にJAMALの指名を受けHERLIN RILEYが切れ味鋭いソロを披露すると次にはVEALのベース・ソロだ。JAMALのピアノも84歳とは思えない指捌きをみせている。MANOLOのパーカッションと繋いでビシッと終わる。
C"THE GYPSY" 
MONOLOのヴォイスに会場全体が笑い転げる。
D"STROLLIN'" 
この曲はHORACE SILVERの曲なんだね。
E"SILVER" 
何と楽しそうなアンサンブルだのだ!グループとしての一体感、統一感も申し分ない。
F"ALL OF YOU" 
COLE PORTERの曲が何気に挿入されているのも嬉しいではないか。
G"MORNING MIST" (DVD ONLY) 
VEALがベースという楽器のあらゆる能力を引き出してソロを展開する。強いビート!最後は打楽器と化すこのソロも圧巻だ!この演奏をにこやかに腕組みしながら眺めているJAMALの姿の面白い。
H"BLUE MOON" 
同名タイトルのスタジオ録音盤(JAZZ批評 743.)は2011年に録音されている。いわば、このグループの十八番的演奏だ。同じリフを繰り返し、その中で各自に自由にソロを執らせるスタイルだ。JAMALの自由奔放のピアノも素晴らしい。年齢詐称しているのではと思うほど!拍手喝采、鳴り止まず。
I"AUTUMN RAIN"
 アンコール曲。

何と楽しいコンサートなのか!このコンサートに立ち会ったオーディエンスは幸せ者だった。ジャズの魂が息づいている。因みに、録音時のJAMALの年齢は84歳だった。ピアニスト兼コンダクタ兼エンタテイナー、八面六臂の活躍というのはこういうのを言うのだろう。
ここにはしかめっ面は一切なしで、心からジャズを楽しむジャズの神髄が息づいている。84歳の爺さんにこの上ない元気をもらったということで「manaの厳選"PIANO & α"」に追加した。   (2015,08,22)


試聴サイト:https://www.youtube.com/watch?v=RaivdOxCiLE



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