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シネフェス通信A「高知シネマフェスティバル、今年(註:2000年)も開催予定」 | |||||
機関紙「ぱん・ふぉーかす」第121号('00. 5.10.)掲載 [発行:高知映画鑑賞会] | |||||
昨年(註:1999年)第十回を数え、故細木氏や乾氏、星加氏といった諸先輩がたをお迎えして、ステージ座談会をおこなうという記念企画も果たし、一応の終結をみるかとも思われた高知シネマフェスティバルであったが、今年(註:2000年)も継続して開催されることになった。 例年どおり、高知県芸術祭共催行事としての実施を予定しているので、この秋、11月25日(土)26日(日)県民文化ホール・グリーンにて開催となっている。 今回は中心となる高知自主上映フェスティバル実行委員会の三役がすべて二十代の若者になった。初代委員長を務めた私から数えて六人目の実行委員長となった新居あゆみさんは現役の大学生で、二人目の女性委員長だ。事務局長は昨年に続き、ふりーく映画倶楽部を主宰する川村五博さん、会計に新居委員長と同じく高知大学の現役学生である戸高鈴香さんが就いた。 この大幅な世代交替によって、これまでとは一味違った斬新な取り組みと企画が展開されることを期待している。現在、企画の主軸として検討されている案は70年代に一世を風靡したATG映画の再発見を促す特集上映である。二日間で上映できるだけ上映したいと10作品のセレクション上映をしようとしている。 早速の大胆さに、長らく実行委員としてやってきているメンバーからは、驚きと不安の声があがった。日本映画の特集、それも若かりし頃に同時代で観てきているだけにATG作品の連続上映に今の観客がついてきてくれるのだろうか。しかしながら、中年の古くからの実行委員には思いがけない言葉として、今の若い映画ファンの目からは、ATG作品は、幻の、憧れの、新鮮な日本映画として、広く支持され得る企画だと思うという声が聞かれた。このところ、70年代ブームだということは確かにある。昨年は川崎市民ミュージアムでも特集企画として取り上げてはいた。もとより同時代の映画ファンとして、ATGの作品群は、忘れていってはならない日本映画の記念碑的作品群だとの思いはある。 願わくば、若者たちの思いが単に思いに留まらず、現実の動きとなって力を得て、シネマフェスティバルとしての成功をおさめてほしいと、実行委員の端っこに名を連ねながら考えている。 | |||||
by ヤマ '00. 5.10. 高知映画鑑賞会機関紙「ぱん・ふぉーかす」第121号 | |||||
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