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『SUPER HAPPY FOREVER』['24] | |||||
監督 五十嵐耕平
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遠い昔に映画化作品をテレビ視聴した覚えのある『人間の証明』['77]の「母さん、僕のあの帽子どうしたでしょうね…」はストロウハットだったが、こちらは赤いキャップで、渓谷には落ちずに海を渡っていたというお話だった。 なかなか凝った構成が面白かったが、佐野(佐野弘樹)の酒癖の悪さと幼稚さが気に障り、宮田(宮田佳典)とのバディ関係に『運命じゃない人』の宮田と神田を想起させるようなところがあることに感心しながらも、新興宗教めいたセミナーの話をヘンに絡めているあたりが些か興醒めだった。そのような小細工を施さなくても、少々現実離れした不思議な感覚というのは確かに宿っていたような気がしてならなかった。 カップヌードルやカレーヌードルは、とんと口にしなくなって久しいが、なんだか久しぶりに食べてみたくなるようなところがあった。それだけで凪(山本奈衣瑠)の言うような SUPER HAPPY FOREVER が味わえるとも思えないけれども、妙に懐かしい何かを感じさせてくれる作品ではあったような気がする。 エンドロールにクレジットされていた二つの曲名の♪La Mer♪、♪Beyond The Sea♪、[instrumental]が示しているように、映画としての主題は、佐野と凪、佐野と宮田の物語というよりはさまざまに映し出された海であり、海の向こうへ、にあったように思う。凪の赤い帽子は、海の向こうベトナムに渡り、佐野の赤い帽子たる凪は、空の向こう天国へ渡ったという話だったのだろう。 | |||||
by ヤマ '25. 2. 6. キネマM | |||||
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