『マイ・ブロークン・マリコ』
監督 タナダユキ

ヤマのMixi日記 2022年10月19日00:29

 何とも遣る瀬ない映画だと思った。女性たちの物語というばかりではなく、僕には汲み切れないものがあるように感じた。ブラック企業のクソ上司さえも含めて皆人が、わけもなく蹂躙されて傷んでいるような人々ばかりで観ていてしんどかったということもあるような気がする。

 タナダユキの監督作品は『モル』『赤い文化住宅の初子』しか観ていないが、両作とも割と面白かったような覚えがある。それからすれば、ちょっと置いてけぼり感を味わったような気がしている。


コメント談義:2022年10月19日 11:50~2022年10月24日 17:52

(ケイケイさん)
 まだ感想書いていませんが、私は凄く凄く、この作品好きです。置いてけぼり感、解りますよ。同性の私は85分、手に取るように、彼女たちの気持ちが解りましたから(笑)。理屈抜きですよね、これは。

ヤマ(管理人)
◎ようこそ、ケイケイさん、
 逆に僕は、ケイケイさんが「凄く凄く、この作品好き」というのが解る気がしますよ(笑)。永野芽郁、熱演してたしね~。マリコのように壊れてしまう迄には至らずとも、シイノに共感する類の憤りを抱えている方は、少なくないでしょうからね。

(ケイケイさん)
 実はシイちゃんより、マリコの気持ちが解るのでした(笑)。
 感想書いたので、置いときますね。
 http://www.enpitu.ne.jp/usr1/bin/day?id=10442&pg=20221021

(お茶屋さん)
 おー、ヤマちゃん、私は爽快でしたもので、ガビーさんにも強力プッシュしましたのですが、今一つだったみたいで、これは女子にしか受けないのかしらね? ヤマちゃんの周りではいかがですか?

ヤマ(管理人)
◎ようこそ、お茶屋さん
 僕も含めて、悪くないけれど、…永野芽郁が頑張っていた…みたいな感じが男性映友には多い気がしたなぁ。ちょっと疎外感を味わうようなところがあるんよね。

(ケイケイさん)
ヤマさん お茶屋さん
 まぁメンヘラは女性、変態は男性の専売特許みたいなところは、ありますからね(笑)。メンヘラを見守るタフな親友のお話しは、男性には気持ちが付いていかないかも? シイちゃんが男性だったら、解るかな?

ヤマ(管理人)
ケイケイさん
 >メンヘラは女性、変態は男性
 馬鹿ウケ ❣
 シイちゃんが男ならってことより、皆人が、わけもなく蹂躙されて傷んでいるような人々ばかりと書いた部分のほうが僕には大きく作用したような気がするなぁ。何とも遣る瀬ない映画だと思ったってのは、そこやったからね。

(お茶屋さん)
ヤマさん
 >…みたいな感じが男性映友には多い気がしたなぁ。ちょっと疎外感を味わうようなところがあるんよね。
 そっか~、女子の輪の中には入りづらい感じなのか~。お返事、ありがとうございました。

ヤマ(管理人)
ケイケイさん、感想文、拝読(礼)。
 とても読み応えがありました。拙日誌を綴っていれば、間違いなく例の直リンクに拝借したくなる文章でした。
 僕が、ちょっと置いてけぼり感を味わった現役から大人になってしまった元「女の子」も含み、全ての女の子に送る、作品の核心を突いていて、とても気持ちよく読みました。
 セカンドセンテンスにして出てくる共依存に見えるに快哉。見える、ということは、ではないってことですよね。僕は、この「共依存」という言葉の実に安直な使われ方に常々違和感を持っていて、ひどく冷たいものを感じているのですよ。なんというか、「共依存」で括ることによってパッケージにして突き放すという感じを受けています。
 ですから、本作を観て易々と二人を「共依存」関係だと先ず論評するような感性には閉口するのですが、さすがケイケイさん、私には共依存ではなく、純粋な女の子同士の強い友情ときっぱり言い切っているのが爽快でした。
 マリコの父親は何なのか。…キョウコ(吉田羊)のような善き人が、何であんな男と一緒になったのかとお書きのところに僕は、自分がブラック企業のクソ上司さえも含めて皆人が、わけもなく蹂躙されて傷んでいるような人々ばかりと記した部分に通じるものを感じました。

(ケイケイさん)
ヤマさん
 >セカンドセンテンスにして出てくる「共依存に見える」に快哉。見える、ということは、ではないってことですよね。
 はい、そうです。共依存じゃないと思います。ありがとうございます!
 今何となく「共依存」と言う言葉が流行りですよね(笑)。この二人もそう思われるだろうなぁと危惧して、これは麗しい女子の友情なんだと言う点に力点を置いて、書きました。

 >自分が「ブラック企業のクソ上司さえも含めて皆人が、わけもなく蹂躙されて傷んでいるような人々ばかり」と記した部分に通じるものを感じました。
 そうなんですよねー。あの部長もクソッたれなんですが、言い方はうちみたいなブラックが、辞めさせる訳ないだろう!なんですが、クビにしなかったのは、温情ですよね。
 マリコの父親しかり、憎悪をぶつけたいんだけど、躊躇ってしまう何かは、仰る通り、彼らも痛ましい何かを抱えているんだと思います。パワハラや虐待を防ぐのは、やったことを掘り下げるのではなく、やった人の人生を掘り下げる必要があると思いました。

 >拙日誌を綴っていれば、間違いなく例の直リンクに拝借したくなる読み応えのある感想文でした(礼)。
 ありがとうございます。書いて良かったです。わーい(嬉しい顔)

(お茶屋さん)
 只今、暗がりでいるのでコメント欄がどうしても読みづらいため、本文しか拝読していませんが、ケイケイさん、わたしもこの映画、大好きです。また、二人の関係は、お互い支えあっているのは確かなんだけど、共依存とはちょっと違うと感じでいたので、きっぱり違うと言ってもらってスッキリしました。どうもありがとうわーい(嬉しい顔)

(お茶屋さん)
 ケイケイさん、また来ました(^-^;
 手紙に書いてあったこと、すごーい‼ 名脚本です。拍手。これを言いたかった。

(ケイケイさん)
 わーい、手紙の想像、褒めていただき、ありがとうごさいます!
 友情ですよね、この二人。ここまで強くはなくても、この関係性は、女の子の多くに記憶があると思います。だいたい共依存なら、シイちゃんも病んでいるわけで、あんなにワイルドでタフな病んだ人はいません(きっぱり)。

 マリコみたいな患者さん、精神科に勤めていた時代に何人も観たのですが、今回の奈緒演じるマリコを見て、やっとやっと、彼女たちの本質が理解できました。今度はマリコが空から永遠に、シイちゃんを見守っていると思います。


編集採録 by ヤマ

'22.10.18. TOHOシネマズ1



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