『恐怖のメロディ』(Play Misty For Me)['71]
監督 クリント・イーストウッド

ヤマのFacebookタイムライン記事 2022年04月07日01:24

 高校のときの映画部長が、今年度は一年かけてイーストウッド監督作品コンプリートをやろうと提唱したものに加えてもらったので、少し皆から遅れて着手した第1作だ。そうか、恐怖のメロディとはミスティのことだったのか。言われてみれば「私を観て!」で始まるかの曲の歌詞には怖いところがある気がする。

 モテ男の役だが、今イチ冴えないイーストウッドを観ながら、彼の演じたデイブ・バーガーの見舞われた女難を気の毒がりつつも、トビー(ドナ・ミルズ)への臨み方の中途半端さに呆れてもいた。危ない女イブリンを演じたジェシカ・ウォルターが何と言っても圧巻だったように思う。


コメント
(ヤギ部長)
 始まったねぇ。僕は少し先行したけど。まだ4作だけ。頑張って楽しもう。
 僕の『恐怖のメロディ』はこちら。
https://www.facebook.com/groups/826339410798977/posts/4291608770938673/


ヤマ(管理人)
 何故イブリンがそうなったのか、なんて考察は全くないので、名作にはなりようがありませんに笑った。僕はそこのところは然程、気にならなかったけど、言うようにちょっと間延び感はあったね。
 デイブが手を焼きながらも割と鷹揚に構えてるもんだから、切迫感がなかったけど、ジェシカ・ウォルターの好演で十分以上に怖かったね~。

(ヤギ部長)
 そうやね。この手のストーカー的サイコものでは、『危険な情事』と双璧かな。『サイコ』には無理だとしても。

(マルさん)
 この作品の凄さはもう、ジェシカ・ウォルターの怪演に尽きますね。あの叫び声と振りかざされるハサミのヤバさ!
 これを観た後でフランケンハイマーの『グラン・プリ』を観たら、イギリス人ドライバーの妻役の彼女がまたとんでもないことをしでかすのではないかと、本筋とはカンケイないところでヒヤヒヤしてしまいます。

ヤマ(管理人)
 僕は『グラン・プリ』未見ですが、そうですか(笑)。まぁ、あの「叫びと差込み」の怖さを観てると然もありなん。あの暴言と暴挙への瞬時の変転は、なかなか強烈でしたもんねー。ジャズの即興演奏なら見事な変奏となるでしょうが、痴情のもつれとなると手に負えない危うさでした(笑)。
 にしても、イーストウッドは、監督第一作から大変なジャズ好きだったようですねー。

(カーリー理恵姐)
 イブリンとトビーに般若と菩薩。女性の二面性を感じました。
 しかし、イブリンのメンヘラ度は怖かったね。桶川事件などのストーカー事件を思い出した。
 人間の行き過ぎる執着、妄執というのは依存症という病気だと思う。本人が気付いて治療したら良いのだが、恋愛依存の場合は相手のせいにするから気付きにくいのだろうなあ。「look at me♪〜」の「ミスティ」は確かに「恐怖のメロディ」でした。

(ヒラリン牧師)
 プレイ・ミスティ・フォー・ミー、怖かったですね。
 確かに、デイブはいい加減でだらしないプレイボーイ気取りの奴でしたが、イブリンの執拗な行為は怖かったです。1971年当時のアメリカではどうだったのか、日本ではまだストーカーなんて言われてませんでしたでしょうから、その意味では先見性があったのでは!

ヤマ(管理人)
カーリー理恵姐、
 トビー、菩薩とな(驚)。その対照には意表を突かれたけど、トビーのどこに菩薩を観たの?

ヒラリン牧師、
 女の執念みたいな怖さは、日本映画では特に怪談もので古くからあるような気がするけど、化けて出るのと、実際に居宅や会食の場に闖入する人物とでは少々違うというとこなのかな。

(ヒラリン牧師)
理恵姐さん
 トビーはおおらかにデイブを受け入れてるようには思うけど、いくらなんでも「菩薩」は言い過ぎでは(笑い!

(カーリー理恵姐)
ヒラリン牧師
 デイブのほうからの願望としての“菩薩であってほしいトビー”ね。実際の映画内でのトビーは、デイブを救うところまではいってかなかったね。怒っていたもんね。

ヤマちゃん
 ヒラリン牧師への返事にも書いたように、デイブのほうからの願いとして、トビーよ菩薩であって欲しい、と思ってたんじゃないかな、と推察して、トビー菩薩説を出したの。海で横たわってロマンティックに戯れて、憩いのひとときを過ごしてたやん。狂気のイブリンに付き纏われるなかで、デイブの唯一の救いだったんじゃないですか。で、救い=菩薩にしたの。

ヤマ(管理人)
カーリー理恵姐、
 願望としての菩薩ね、成程。まぁでも、そうは問屋は卸さないのが女難の相があったデイブの有体やろね(笑)。割切り前提の夜遊びを求めて般若を呼び出し、救いを求めて得たはずの同居人不在の一夜には赴けずとままならないなか、浜辺の逢引きは、しっかとイブリンに盗み観されよったねー。

(カーリー理恵姐)
ヤマちゃん
 女難というより身から出たサビの体たらくのデイブ。イブリンが付け込むスキだらけやったね。逢引まで見られたシーンには思わず笑ってしまったけど、そのあとが怖かったね。
 気の毒なのが、とばっちりを受けたハウスメイドさん。タンカで運ばれる時にジョークを飛ばしていたような。肝っ玉やね。

ヤマ(管理人)
 うん、女難の相を持った身やもん、デイブ。その身から出るのは、やっぱり錆やね(笑)。あのギョーカイ、寄って来るのもたくさんおるやろし、ね。
 あの担架で運ばれてたバーディ(やっけ?)は、まぁ、彼女の肝っ玉もさることながら、あの場面では殺されたわけではないことを示したかったんやろなって思った。とんだとばっちりやったのは間違いないねー、あんだけ刺されちゃ。
編集採録 by ヤマ

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