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『“マリリン”を生きる』(Becoming Marilyn)['22] https://www.nhk.jp/p/wdoc/ts/88Z7X45XZY/episode/te/L5KJ2VR3LV/ | |||||
BS世界のドキュメンタリー | |||||
ノーマ・ジーンは、いかにしてマリリン・モンローとなったかを追って、その本名をマリリン・モンローに改名する三十歳までを、主に彼女の遺した言葉によって辿ったドキュメンタリーで、今更ながらに興味深く観た。 フランスの製作だけあって、ハリウッドに向ける視線が冷ややかなのが面白い。「ハリウッドは超満員の売春宿よ。」「馬の代わりにベッドが回るメリーゴーランド」といったマリリンの言葉を忌憚なく取り上げていた。そして、TV業界の帝王ロジャー(ジョン・リスゴー)から忠誠心を見せろと言われて、若手のケイラ(マーゴット・ロビー)がおずおずとスカートを託し上げて下着を覗かせる『スキャンダル』['19]の痛烈な場面が挿入されたりしていた。『七年目の浮気』['55]でビリー・ワイルダーが、本編には使わない派手にスカートが捲れ上がってマリリンの下着が露になる撮影を、繰り返し夜中の二時に、衆人環視の元に行っていたこととの対になっていたように思う。 そういう話題が功を奏したのか、圧倒的な大衆支持を得てマリリンが力を手に入れ、彼女自身にとって画期的な映画となったと解説されていた『七年目の浮気』は、映画作品におけるマリリンの見せ方のほうは抜群に素晴らしく、同作がマリリン・モンローにスクリーンで初めて出会った作品なのは、僕にとって幸運だったのかもしれないと改めて思った。 また、『イヴの総て』['50]におけるジョセフ・L・マンキーウィッツ監督についてのマリリンのコメントが興味深く、過剰なまでの自己研鑽に励む下積み時代の証言者ベン・ライアン(だったかな?)が言っていたノーマの弁「チャンスが訪れたときに準備万端でいたいの」に感心した。 | |||||
by ヤマ '23. 8.14. NHK BS1録画 | |||||
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