『マイレージ、マイライフ』(Up In The Air)
監督 ジェイソン・ライトマン


ヤマのMixi日記 2011年01月09日00:45

 昨日観た『小さな命が呼ぶとき』と同じく、2月の市民映画会で上映される作品。

 あの全裸の腰に、エプロンじゃなくてネクタイだけ巻いて歩いてた後姿のアレックス、なかなかよろしかったんだけど、 やっぱボディ・ダブルなんだろうなぁ(あは)。
ってなことは、流石に新聞紙上の作品紹介に書くわけにはいかんだろうな(笑)。


*コメント

2011年01月09日 01:30
(ケイケイさん)

感想、こ、これだけですか?
それも評価はB中、アレックスの 裸エプロンだけとは…(爆)。
サイトしかロムしたことない女性ファンには、読ませられへんわ~(笑)。


2011年01月09日 08:53
ヤマ(管理人)

え~サイトには、掲示板談義も採録アップしてますよってに(笑)。

ま、とりあえず新聞に書くわけにはいかん触りの部分だけでもってことでのマイミク限定のmixi日記だしね。

B中の件は、確かに、若い頃であれ何であれ、一人で生きていく決意を固めたことのある人には、切なく沁み入ってくるものがある作品だと思うけれども、一人で生きていく決意を固めたりする暇もないうちに子持ちにまでなった僕には、ライアンのような非日常を日常として生きる人生に縁がなかったからか、アレックスのことはよく分かるのだけれど、五十歳を前にしたライアンが自身のバックパックに対して感じる心境の変化や妹ジュリーとの結婚を目前にしてジムが見舞われたマリッジ・ブルーなどがひどく幼稚に見えてしまってねぇ…。

「ステイタスにこだわる私たちは同じようにチープなのよ」ってライアンに言い放ちながら、日常を生き抜くための非日常を、少なくとも新卒キャリアガールのナタリーに“十五年後のわたしの目標とする姿”と言わしめるだけのものとしていたアレックスには、裸ネクタイだけじゃない魅力を感じはしたんだけどね(あは)。


2011年01月09日 10:14
(ケイケイさん)

おはようございまーす。

五十歳を前にしたライアンが自身のバックパックに対して感じる心境の変化や妹ジュリーとの結婚を目前にしてジムが見舞われたマリッジ・ブルーなどがひどく幼稚に見えてしまってねぇ…。
この部分、私も感想に書きました。まだ感想アップされてないので、お話はのちほどですね(^v^)。

私もアレックス、好きですよ~。
一見したたかに見えて、実はとても繊細な人だと思います。だから壊れない様に、自分自身で外向きの「アレックス」を作ったんだと思いますね。


2011年01月09日 10:31
(ミノさん)

か、感想これだけですか?2!

裸ネクタイのみに見事にくいついてるやんけ!

と思いきや、サイトにアップされてるとのことで、読みにいきますね。は~やれやれ新年からエロオヤヂ全開だわ(笑)。


2011年01月09日 12:05
ヤマ(管理人)

◎ミノさん、
サイトアップというのは、本作の日誌ではなく、サイトしか見てない方には読ませられないとのケイケイさんのコメントに、いや、HPには掲示板談義も載せているので、既にバレてるよって意味よん。

おかげさまで、新年から眼福でした(笑)。
主婦の裸エプロン、ビジネスウーマンの裸ネクタイって対照に、日米でも男の趣味は大して変わらんのやなぁと改めて…(あは)。

◎ケイケイさん、
本作の感想は、新聞掲載稿を依頼されているので、それで済ませる予定(あは)。
紙面掲載に先立ってサイトアップするのはまずいので、後日となりますが、さきほど書いちゃいました。もちろん紹介記事ですから、それなりに配慮して(笑)。んで、お話は、中断するのもなんですから、進めましょうよ。

ケイケイさんの日記、拝読しましたが、ジェイソン・ライトマン監督、むっちゃ評価、高いですやん!近い将来必ず21世紀のアメリカ映画の名匠となる人やもん。僕は『サンキュー・スモーキング』も『JUNO』も未見(とほ)。

日記に言及しておいでの「世間知らずの若いナタリーの純粋さ」の表現、少々意表を突かれたのですが、その場面に留まらず人物造形として一貫してて、なかなか良かったですよね。そもそも、あの会社に就職した動機からして、ですもん。

ただ、ナタリーの挙げる条件に苦笑するライアン達が拘り集めていたカードというステイタスとどれほどの違いがあるのかといえば、大きな差はない気がしますよね~。

ケイケイさんがアレックスに向けて重ねた賛辞、全く同感です。
彼女が“日常を生き抜くための非日常を必要としている女性”であることを最も端的に絵柄として映し出していた全裸ネクタイは、それゆえに、やはりベストショットなのです!と断言いたします(笑)。


2011年01月09日 17:40
(ケイケイさん)

『JUNO』はね、個人的に内容は気にいらなかったんですが、若々しくて大らかな語り口は、とても良かったです。『サンキュー~』のほうは、小品ながら巧みな話術と展開で楽しませてくれる、ライトコメディでした。重くも出来るテーマを、軽妙に描く人ですね。軽妙さの中に、万人に受け入れ易い人間の良心を組み入れるのが上手く、古き良きアメリカ映画の、伝統的な感性を受け継いでいる人だと思います。

日記に言及しておいでの「世間知らずの若いナタリーの純粋さ」の表現、少々意表を突かれたのですが、その場面に留まらず人物造形として一貫してて、なかなか良かったですよね。そもそも、あの会社に就職した動機からして、ですもん。
ナタリーも好きなんですよ。溌溂としているし、素直ですよね。悔い改め方の描き方も、若々しくて良かったです。

ナタリーの挙げる条件に苦笑するライアン達が拘り集めていたカードというステイタスとどれほどの違いがあるのかといえば、大きな差はない気がしますよね~。
うんうん、幼稚ですよね。仕事はキャリアを積んでも、私生活は若いまんまですね。
それがアレックスと出会い、姉妹の結婚があり、自分の年齢も重ねて里心がついた。私はここですんなりアレックスと結ばれたなら、絶賛しないんです。失意のライアンは、変わろうとしますよね? あの展開に持ち込んだところが高得点でした。

ケイケイさんがアレックスに向けて重ねた賛辞、全く同感です。
キャー、嬉しい~。ヤマさんとは女性の趣味が合いますもんね(笑)。

最も端的に絵柄として映し出していた全裸ネクタイは、それゆえに、やはりベストショットなのです!と断言いたします(笑)。
私もそんな気がしてきました(笑)。


2011年01月09日 22:15
(ミノさん)

ケイケイさん
今ケイケイさんのレビューも読んで思い出してました。

>>最も端的に絵柄として映し出していた全裸ネクタイは、それゆえに、やはりベストショットなのです!と断言いたします(笑)。
>私もそんな気がしてきました(笑)。

ダメですよ。簡単によっちゃ(笑)。
裸ネクタイは非日常の象徴なんて~、ま、日常化するアイテムでもないけど。

私の日記のところでは、実は一番将来危ういのはアレックスっていう意見ありです。

大人って、皆色んな方法でバランスとって収支決算して生きてると思うのですが、ライアンにしろ、アレックスにしろ、非常に自覚的に「自分はバランスがとれている」っていう人って、ふとした事でガラガラガラみたいなこと、あると思うんですよね。 でもって、そもそも自覚的で自制心強くコントロールできる人間っていう自負もあるもんだから、動揺する。人間て、自分でも自分をつかめない生き物だし、40-50の分別盛りでも、一向に揺らぎなくならない。だからかわいいんだと思いました。

私はライアンタイプでもアレックスタイプでもないわけですが、アレックスみたいになりたいとも心底思えないんですね。確かにカッコいいからあこがれるけど。


2011年01月10日 01:50
ヤマ(管理人)

◎ケイケイさん、
ナタリーは、トリックスター的な役回りでしたよね。ライアンにとっては、何よりもドライな合理性を身上としてきた自分の発想を超えるドライで合理的な業務スタイルを提案してくる世代として出現し、アレックスへの向かい方について率直なカンフルを打ってきて、それによって顕在化した気づきに従って行動すると、大きなしっぺ返しを食らって“Up In The Air”へ放り出されるわけで(笑)。
でも、彼は、自分にとってそれが必要なことだったと理解しているから、彼女に餞を贈るんですよね。その描き方がなかなか気が利いてました。

すんなりアレックスと結ばれてのハッピーエンドが待っているようなデキる独身ビジネスマン男女の出会いの物語なら、裸ネクタイのショットはなかったでしょうねー。僕のベストショットとの断言にご賛同いただき、嬉しいわん(喜)。


◎ミノさん、
ミノさんも御覧になっていたんですねー。先ほどmixi日記拝見。そーか、ジェットストリームか~(笑)。僕も城達也の世代です。

「寂しくて素敵な大人の苦い映画」と受け止められたということは、僕の説によれば、“若い頃であれ何であれ、一人で生きていく決意を固めたことのある人”なんですよね、ミノさんは。ふーむ、自説に自信が湧いてきたぞ(嬉)。

バランス人についての御指摘、常日頃、僕自身が懸念しているところと全く同じでして、恐れ入っております。従って、かわいさには自信あり!(笑)

アレックスが一番危ういかどうかについては、確かに、ナタリーの男選びのポイントに対し、アレックスが年収は絶対に相手が上でないとダメとか、禿は…とか言ってるときには危ういものを感じましたが、それらが夫を指していたことが判明したときに、子供の姿があったことで、僕は、そう危うくもないのではないかと思いました。
彼女の結婚自体は、将来破綻する可能性ありですが、そのことが彼女自身の危うさに直結するようには思えませんでした。

“This Land Is Your Land”は、僕の持っているPPMのレコードにも収録されている曲なのですが、全然メロディが違うので、最初気づかなかったけど、“from the redwood forest,to the gulf stream waters”のとこで気づきました。

この作品で僕が一番いいと思っている部分は、アメリカン・ビジネスに生きる四十代後半男性、三十四歳女性、二十代前半女性のそれぞれの仕事観・家族観の違いが浮かび上がってくるところで、とりわけ、似たもの同士に見えながらも実は“非日常を日常として生きてきた”ライアンと“日常を生き抜くための非日常を必要としていた”アレックスの対照が心に残っていますね。だから、非日常の象徴たる裸ネクタイなんですってば(寄っておいで~(笑)。


2011年01月10日 21:45
ヤマ(管理人)

>ミノさん、ケイケイさん、
この日記は、マイミク限定だし、最終稿じゃないので、新聞社に送ってある原稿を以下にメモしておきますね~。

 若い頃であれ何であれ、一人で生きていく決意を固め、実践したことのある人には、切なく沁み入ってくるものがある作品だ。
 年間の322日が全米を飛びまわる出張生活で、企業の役員に代わって解雇通告を行なうという、仕事としても通常はルーティン化しにくいハードな業務にスペシャリストとして携わるライアン。彼は、言わば、非日常を日常として生きる人生を歩んできた男だ。ドライな合理性を身上にしつつも、歳の離れた妹の結婚に際して頼まれた邪魔臭い用向きを律儀に果たす心優しさを内に秘めた人物をジョージ・クルーニーが演じている。
 アカデミー賞で主演男優賞にノミネートされたのも納得の好演だが、それ以上に目を惹くのが、同じく同賞の助演女優賞にノミネートされたヴェラ・ファーミガだ。
 彼女の演じたアレックスは、1000万マイル達成が目標だと語るライアンには及ばずとも、年間6万マイルの飛行機出張をこなして、各種のVIPカードを蓄えつつ、クールでスマートに活動しているビジネス・ウーマンだ。「ステイタスが好きな私たちはお互いチープよ」と旅先で出会ったライアンに言い放ちながら、新卒キャリアガールのナタリーに“十五年後の私の目標とする姿”と言わしめるだけのものを体現している。
 アメリカン・ビジネスに生きる四十代後半男性、三十四歳女性、二十代前半女性のそれぞれの仕事観・家族観の違いが浮かび上がってくるところに妙味があって、とりわけ、似たもの同士に見えながらも実は“非日常を日常として生きてきた”ライアンと“日常を生き抜くための非日常を必要としていた”アレックスの対照が心に残る。
 見どころは、ライアンがバックパックに喩えて語る自身の生き方に対して感じ始めた心境の変化の原因をどう捉えるかだ。互いの価値観に共感できライフスタイルを共有できるアレックスという「特別な女性との出会い」と、何よりもドライな合理性を身上としてきた自分の発想を超えるドライで合理的な業務スタイルを提案してくる世代の出現にも感じたであろう「年齢的なもの」との、どちらにより重きを置いて受け取るかは、観る側の負っている属性によって随分違ってきそうな気がする。自身の歳のせいか、私は後者のウエイトが大きいように感じた。



2011年01月11日 23:43
(ミノさん)

なるほど世代交代の波が一番主人公を変えるものか。
自身を揺るがし台頭してくる新しい価値観。

かつては自分自身が「新しい価値観」を体現していたのに。今や自分はどこにいるのだろう、と見回すわけですね。わたしは、ナタリーの脅威をあまり感じなかったかな~。競合でなく融合という世代間の美しい交流がおとしどころとしていいなと。若い世代の経験の足りない無力感をライアンが助けてあげてる。

わたしは「1人で生きていく決意」など毛頭出来ませんが、というより挟まれて生きてる感、強いですが、子供がいないライアンはまさにup in the air を感じやすいですね。育児とかは地べたを感じやすいから。アレックスは地べた時々飛翔で、ライアンは、ずっと飛翔中。そもそもベースが違いますね。わたしの予想ではライアンはあの後地域ボランティアなど地べた系始めそうな気がします。結構優秀なビジネスマンは、柔軟性ありそう。で、バツイチシングルと活動で出会うの(笑)。


2011年01月12日 00:41
ヤマ(管理人)

いや、ライアンは、ナタリーを競合相手とも脅威とも感じてなかったと思いますよ。彼女の出現によって彼にもたらされたものは「老いの自覚」ってことです。強いて脅威と言うならば、ナタリーよりも“自身の老い”でしょうね。

頭では知ってるつもりになってたことだろうと思うんですよ。<老い
でも、それを実感するには比較軸が必要なんですよね、人間って。特に否定したい思いが強ければ強いほど、強烈な比較軸でないとダメで、ナタリーは、それに適ったということだと思います。

だから、ケイケイさんへのレスにも書いたように、でも、彼は、自分にとってそれが必要なことだったと理解しているから、彼女に餞を贈るんですよね。その描き方がなかなか気が利いてました。となるのだと思います。ミノさん言うところの「おとしどころとしていいな」という部分ですよね。

育児が地べたを感じやすいというのは、仰るとおりだと思います。“up in the air”とは違うわけですよ。アレックスは地べた時々飛翔で、ライアンは、ずっと飛翔中。そもそもベースが違いますね。とお書きのとおりだと思います。だから、危うくない気がしました。

ミノさんの“その後のライアン予想”、なかなかいいですね。
ってことは、地域ボランティアなんかやってるんですか? ミノさん(笑)。




推薦テクスト:「チネチッタ高知」より
http://cc-kochi.xii.jp/hotondo_ke/2011/02/post-c708.html
推薦テクスト1推薦テクスト2:「なんきんさんmixi」より
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1481487228&owner_id=4991935
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1599102821&owner_id=4991935
推薦テクスト:「超兄貴ざんすさんmixi」より
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1450069616&owner_id=3722815
推薦テクスト:「映画通信」より
http://www.enpitu.ne.jp/usr1/bin/day?id=10442&pg=20100326
推薦テクスト:夫馬信一ネット映画館「DAY FOR NIGHT」より
http://dfn2011tyo.soragoto.net/dfn2005/Review/2010/2010_05_03.html
推薦テクスト:「ミノさんmixi」より
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1457913269&owner_id=2984511
推薦テクスト:「眺めのいい部屋」より
http://blog.goo.ne.jp/muma_may/e/c5c42679e56030e58c073acbe04f4259
推薦テクスト:「TAOさんmixi」より
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1441742983&owner_id=3700229
編集採録 by ヤマ

'11. 1. 8. DVD鑑賞



ご意見ご感想お待ちしています。 ― ヤマ ―

<<< インデックスへ戻る >>>