『地球破壊 人類百年の罪と罰』
 https://www.nhk.jp/p/butterfly/ts/9N81M92LXV/episode/te/BRVVVRXJ37/
NHK映像の世紀バタフライエフェクト

 このタイトルでシャーロック・ホームズの話から始まるとは思い掛けなかった。コナン・ドイルを映した映像を使いたかったのだろうと思っていたら、締め括りの言葉もホームズの言葉に還っていた。見事な構成と編集だった。

 何よりも数々の取り組みにより何とか回復傾向にあることを具体的に示していた終盤部分が心強い。それと同時に、『世界を騙しつづける科学者たち』にも取り上げられていたフレッド・シンガーやその言質を利用して目先の利益と後世代への付け回しに邁進してきた権益層への憤慨を新たにした。

 イギリス産業革命に端を発する経済発展における自動車産業の偉業と排ガス問題、画期的な電力エネルギーをもたらした火力発電所による煤煙問題などを観ながら、改めてアングロサクソンの世紀を想い、七年前に読んだロナルド・ムーアの著作を思い出した。

 温室効果ガスへの警告が発せられたのは、'88年。京都議定書が交わされたのが、'97年。我が国の初代環境庁長官が経済最優先の政策の誤りを演説で述べたのは、'71年だから、もう半世紀以上も前のことになる。番組の最後に示されていたホームズの言葉は、失敗するのは人の常だ。その失敗を認め挽回できる者が偉大なのだだった。

 
by ヤマ

'25. 3. 2. NHKプラス



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