『ドリーマーズ』をめぐって
DAY FOR NIGHT」:映画館主・Fさん
ヤマ(管理人)


  No.5330から(2005/02/10 01:13)

映画館主・Fさん
 ヤマさん、こんばんわ〜。
 ドリーマーズレイクサイド〜アップされましたね。どちらも僕はいろいろと感慨を受けた作品だったので、ヤマさんがご覧になられて感想を綴られたのは嬉しい事です。

ヤマ(管理人)
 ようこそ、Fさん。
 早速お読み下さり、ありがとうございます〜。そうですね、どちらも触発力に富んだ作品でしたね。日誌を綴ることができたのを喜んでもらえて、とても嬉しいです。

映画館主・Fさん
 『ドリーマーズ』は、ベルトルッチ大丈夫か?・・・と、心配になってただけに、意外にどっこい死んじゃいないぜ・・・というど根性を感じさせた一作だったと思います。

ヤマ(管理人)
 僕はもう心配どころか殆ど投げてましたから、すっかり驚かされましたよ(笑)。  でも、嬉しい驚きでしたね〜。Fさんのも拝読しましたが、とても面白く刺激的でした。どこか冷ややかに見つめてもいるってのが鍵ですよね。僕もFさんもベルトルッチが自分を仮託すべく用意した主人公という形で観ないではいられない作りをしてましたから、そこに宿っている冷ややかな視線っていうのは、弛緩したナルシズムなどではありえようはずもなく、知的で内省的なものってことになりますよね。ここんとこが再生していたのが何よりも嬉しかったですよね〜。
 そのうえで「ベルトルッチが自分を仮託すべく用意した主人公」という受け取り方は同じで、その仮託の仕方の解釈が少し異なっているだけで、感じ取っていたものは、互いに随分近いように思いました。
 テオもマシューもベルトルッチだとする僕の解釈は、そのままFさんが詳しく例証しつつ書いておいでのベルトルッチの姿ですよね。僕が一言で済ましている部分をきちんとFさんが詳しく補ってくださっているように思えて、とても嬉しく読みました。共産党シンパのイタリア文化人」「資本主義の権化アメリカの映画界どちらもベルトルッチの重要ポイントで、Fさんが例証しておいでた矛盾に満ちた映画作家の基盤の一つでもあるんですよね。そういうものが全部ぎゅっとこの映画には押し込まれてて、そのうえで、醒めた視線を失わずに内省してましたよね〜。
 Fさんが特に注視なさった“分かっている”“分かっていない”の二重構造についても、僕は役に立たない知識ばかりが豊かな頭でっかちで、生活の知恵も力も逞しさもなかった時代の情けなさと愚かさと輝きの一言で済ましているので、フィルモグラフィを辿りつつ詳述されてるところに、とても刺激を受けましたよ。ありがとうございました。
 ベルトルッチの複雑な心境がこの映画に反映しているとお書きのことが、そのまんま僕とFさんの受け取り方の土台にありましたね〜。

映画館主・Fさん
 詳しくご返事いただき、恐縮です。

ヤマ(管理人)
 とんでもありません。こちらこそ、返信が遅くなり失礼しました。

映画館主・Fさん
 表題「ど根性ガエル」はひろしのTシャツに貼り付けられても、どっこい生きてる・・・

ヤマ(管理人)
 シャツのなか〜♪(笑)

映画館主・Fさん
 というキャラですから、ハリウッド大資本にべっちょり取りこまれても、反骨スピリット持っているベルトルッチと、どこか符合するかなと(笑)。
 『1900年』での「赤旗まつり」は、見た当時は大いに鼻白んだものですが、今見てみれば初々しい気構えを感じるかも。

ヤマ(管理人)
 そうですね〜、階層の歴史の流れをそのまま人物の生き様の変遷に重ねて描こうとしていた無理がドラマ的な人間味を損なっていたように感じた部分も、今観てみれば、異なった見え方しそうですね。

映画館主・Fさん
 『ドリーマーズ』、主人公がアメリカ人であるという点は原作がそうである・・・という以上に、やっぱり青二才な主人公にはどこかヤボったくもナイーブであって欲しいという気持ちがあったんでしょう。

ヤマ(管理人)
 これに限らず、きっと「原作がそうである以上に」っていう部分がとても濃厚な印象を残す作品でしたね。
 アメリカ的青二才っていう感じは、僕はあまり意識してなかったんですが、言われてみれば、欧・米の対比において、アメリカはよくも悪くも若さやヤボったさに特徴のある国ではありますよね。そのうえで欧州留学をするという人物設定には、テオたちと意気投合できるナイーブさが込められているというわけですね。そして、それは今のアメリカという国に対してベルトルッチが望んでいるものなのかもしれませんね。

映画館主・Fさん
 そういう意味でベルトルッチの矛盾の最たるものであるアメリカ=ハリウッド傾倒も、そこに理由があるのかも。あの「青い」ところが好きなんでしょうね。

ヤマ(管理人)
 その意味では『1900年』で鼻白んだとの「赤旗まつり」にしたって、青さを愛して止まないベルトルッチという点で今見ると、初々しい気構えを感じるかもってことなんですね。そうですね〜、青さってのはベルトルッチの持ち味の魅力だろうと僕も思いますね。
by ヤマ(編集採録)



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