鯉釣りを紹介するサイトLightBlue

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鯉釣り釣行記No.90

20年目にて邂逅

釣行概要

  • 時間帯:5時30分~16時
  • 釣り場:琵琶湖 / 滋賀県
  • ロッド:SHIMANO TRIBAL DIAMOND 12ft 3lb
  • リール:SHIMANO ELF4000
  • 仕掛け:ヘアーリグ一本針仕掛け
  • 釣り餌:ダイワ メインライン ハイインパクト カープベイツ(エッセンシャルIB)、ダンゴ餌(大ごい:チヌベスト=1:4、それに白チヌSP・コーンダンゴチヌ・チヌにこれだ!を少量)
  • 釣 果:106cm
鯉106cm
琵琶湖にて、念願のメーターオーバー。

釣行内容

祝日「海の日」による三連休の最終日は、曇りだった。梅雨真っただ中で、ここ数日は雨ばかりだったから、曇りと言えど貴重な日だ。私は、琵琶湖へ向かった。

釣り場に到着したのは、5時頃。鯉釣りをやる人は私一人だけで、他にバザーが1人ほどと、コアユを狙う釣り人が数名いた。駐車場が遠いからだろうか、休日の琵琶湖にしては釣り人が少ないように思う。私は流れ込み吐き出しから少し離れたところに釣り座を構えた。少人数とは言え、バザーとポイントが被ることは避けたかった。回遊してくるであろう鯉を迎え撃つことができる場所ならば、どこでも良いはずだ。底を探ってみると、岸から30mにブレイクがあり、水深3.2m。釣りはいつも通り2本竿で組み立て、1本をそのブレイク沿いに回遊してくる鯉狙いで、本命のポイントとした(以下、本命ポイント)。そして、もう1本の竿のポイントは岸から10mの水深1.3mのところで、ブレイク上にある平地だ(以下、手前ポイント)。活性の高い浅場まで侵入してきた鯉を拾っていく作戦だ。

そして、ボイリーとダンゴ餌を撒き、釣り開始が5時30分。曇り空だが、所々薄っすらと青空が見える。釣り座周辺は穏やかだが、沖は強い北北東の風が吹いているようで、所々白波が立っている。水温は23.6℃で、梅雨であるにも関らず、ここ最近涼しかったのが効いているのか、思ったより冷たい。鯉のモジリ等はなし。手前でニゴイがエビを追っており、魚っ気はあるが、鯉は回遊してくるだろうか。

しかし、ここからあらゆる手を使ってアタリを得ようとしたが、全て空振りに終わった。まず、手前ポイントでアタリがなかったので、朝まずめタイムは終わったとして、この竿を7時30分に本命ポイントよりさらに4mほど沖のポイントへ変更。流れ込み吐き出しへ沖側から回遊してくる鯉を狙う。しかし、これも反応なく、裏をかいたように手前ポイント付近で80cmくらいの鯉がモジったので、沖へ打った竿を10時35分に手前ポイントに戻す。だが、これも結局反応なしだったので、次は12時30分、岸から50mにあるヒシ藻付近へ。このポイント変更時に、本命ポイントのほうにヘラブナがヒット。やはり鯉以外の魚は居るようで、魚っ気はある。しかし、鯉については一度モジったのみで、それっきり姿すら見えない。もちろん、前アタリもない。この日も食わせ餌はボイリーだったが、ボイリーの味もローテーションして手持ちにあるだけ試してみたものの反応はなかった。そこで、ボイリーは自分が最も信頼しているメインラインのエッセンシャルIBにしてアタリを待った。

15時。いつの間にかバザーはいなくなっていた。自分が見ていた限り誰も釣れていなかったので、バスもイマイチな状況のようだ。今日は鯉の回遊もないんだろうかと思った。釣りを開始して10時間近く経っているし、もう帰ってもいい気がしたが、まだ早いので手前でエビを追っているニゴイと戯れることにした。ランディングネットでエビを捕り、それを釣り針にセットしようとしたときだった。本命ポイントの竿にアタリ!魚は「これは罠か」と確かめるように、徐々に糸の出を加速させていく。ヒット!竿を持つとすぐに只者ではないことがわかった。沖にフロートがあるので走りを止めなければいけないのだが、竿が曲がり切っているのに全く止まらない。案の定、フロートの方向へ。まずい。あっという間に30m以上走られ、感触が重くなった。フロートに巻かれたか?!しかし、ロープに巻いているような感触ではない。巻いたのは、どうやらヒシ藻。藻なら多少強引に行ける。巻いた方向を確認して、すぐさま立ち位置を移動して外す。違う角度から引くと、思ったより簡単に藻から抜けた。まだ油断はできない。重量級なのか、寄せるにもなかなか竿が起き上がってこず、フロートやヒシ藻周辺からすぐには離せない。しかし、できるだけ焦らないようカープロッドの腰を使って、ポンピングでゆっくり寄せてくる。そして、30mほど先でヒレが見えた。デカイ!その後も右へ左へと泳がれたが、何とか寄せてきた魚体は明らかにメーターオーバー。釣ったことのない自分でも確信し、夏もすぐそこだというのに手が震える。鼓動の音だけが聞こえる。いよいよ手前に来た時、ランディングネットを見て、もう一走り。掛かった場所は良さそうだったが、ヒヤリとする。しかし、とうとうギブアップか、ネットインのタイミングになってきた。いつもなら余裕すぎる幅の広いランディングネットが小さく見える。あまりの魚体に入りきらず少し危なっかしかったが、ネットイン!網が破れるんじゃないかと心配するほどのとんでもない重量の魚体を持ち上げて、アンフッキングマットに横たわらせる。震える手で計測すると、106cm、人生初のメーターオーバーだった。

鱗一枚剥がれていない何と綺麗な魚体か。釣り針はラッキーなことに石鯛師で言う「カンヌキ」で、良いところに針掛かりしていた。そして、鯉は大人しかったが、撮影しようにもその重さにまともに持ち上げることができず、何とか抱えて写真を撮った。90オーバーでも持てないことはなかったのに・・・、何て重量だ。その巨体からあまり陸に上げておくのは良くないだろうと思い、撮影は素早く行い、リリースの時が来た。水中に戻すと、すぐに鯉は沖へ泳ぎ出した。自分にとっては記念になる鯉だ。もうこの広い琵琶湖では会えないだろうと思うと寂しい。そして、鯉が泳ぎ去ると、あまりの喜びに舞い上がっていたのか、釣ったことが夢のようだ。

鯉釣りを始めて今年でちょうど20年になる。その節目の年で念願のメーターオーバーを釣り上げることができた忘れられない日となった。