鯉釣りの疑問No.1
冬に鯉は釣れるのか?
いつも以上に、慎重なポイント選びを
水温が低下する冬に鯉を釣ることは、難しいです。また、書籍によっては、冬季の鯉はあまり動かず、泥底で群れて越冬する、という記述も見受けられます。冬に釣れないこともありませんが、それは釣り人が都市河川等の比較的水温が高いフィールドを選んでいるから、かろうじて釣果があるだけなのでしょうか。
論文(※1)によれば、鯉に無線遠隔自動データ収集装置を付けて池に放流したところ、池の特定の領域に限定していたが、冬の間もずっと活動していたことが示唆された、とのことです。また、摂食は水温 3.1℃でも行われたそうです。
この論文から考えれば、真冬でも鯉は釣れるということです。釣り人として気になるのは、特定の領域に行動範囲が限られていた点です。冬には冬の行動範囲があり、他の季節よりもさらにシビアなポイント選びが求めらているのかもしれません。しかし、ポイントが合っていれば冬でも釣果が期待できることを示しています。確かに思い返せば、真冬でキンキンに冷えた水温でも釣果は出ていました。今は寒いのが億劫で、冬の鯉釣りは気が進まず、また重い腰を上げたところでボウズは避けたいがために車でわざわざ都市河川まで遠征してしまいますが、本当はそんな必要はないのでしょう。
寒さに打ち勝つ方法を調べるのはまた別の機会として、冬に鯉釣りを行う場合は、いつも以上にポイントを慎重に選定しましょう。また、餌盗りの活性が低いので、消化吸収の良い餌を使用したり、ダンゴ餌は細かい粒子の割合を増やしたり、積極的にアタリを取りに行く餌を採用しましょう。他にも、比較的水温の高い日中に釣るなどの気配りをすれば、案外、水温が乱高下する春や秋よりも、もしかしたら釣りやすい季節なのかもしれません。
※1:Christian Bauer, Guenther Schlott (2004) Overwintering of farmed common carp(Cyprinus carpio L.) in the ponds of a central European aquaculture facility-measurement of activity by radio telemetry