鯉釣りを紹介するサイトLightBlue

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人も鯉も涼感を求める季節

夏の鯉釣り

夏における鯉のコンディション

夏は基本的に釣りやすいシーズンですが、真夏は鯉にとっても人にとっても過酷です。

鯉は春の産卵を終え、直後は疲れが残っていますが、水温上昇に伴い活発に動き始めます。夏は水温が十分高く適切ですが、逆に高すぎる場合は注意が必要です。梅雨明け(25℃以下)くらいまで鯉は元気ですが、真夏はバテて、食いが悪くなります。水温が低くなる夕方、または早朝が狙い目です。

余談ですが、真夏の鯉釣りはお勧めしません。鯉もバテて釣りにくい上に、釣り人が熱中症になる可能性があるからです。夏はヘビやハチ、蚊などが出ますから、薄着で釣りはできません。そこに、ウェーダーを着たら、もう地獄です。釣り場に避暑できる場所がなければ、釣りはお休みしましょう。釣りは楽しくてなんぼです。私の場合、真夏は道具も傷むので基本的にオフシーズンで、どうしても釣りがしたい時は夕方か、早朝に絞って竿を出します。

夕方の鯉釣り場
少しでも気温が下がる早朝や夕方を狙いましょう。鯉にとっても夏の日中は、過酷です。
餌盗りのオイカワ
夏場はオイカワ、フナなど餌盗りが多くなる季節です。植物性の餌に切り替えるなど、一工夫が必要です。

餌の注意点

夏は水温が高い、つまり鯉の代謝も良い(真夏の高水温を除く)ので、鯉は餌を選り好みしません。何でもよく食べます。しかし、それは本命の鯉以外の魚も同じです。

夏はオイカワやフナ、モロコなどの餌盗りも餌を活発に食べます。生き餌では、ナマズやニゴイなどの外道が掛かることを覚悟したほうがいいでしょう。ダンゴ餌などの加工餌も例外ではありません。ダンゴ餌を投入しようものなら、一斉に小魚が集まり食べ尽くします。小魚が餌に群れることは悪いことではないのですが、鯉が寄る前に餌がなくなることは避けなくてはなりません。

対策として、生き餌はタニシなど鯉以外の魚が食べられないものに変えます。また、ダンゴ餌はアッペンコーンや大麦など植物性で大粒の餌の割合を増やしましょう。ボイリーは柔らかいものだと盗られることがあります。小まめにチェックし、無くなるようであれば硬めのボイリーに変えます。

夏の水質悪化

富栄養で閉鎖的な釣り場は、夏季の水質悪化に要注意です。

夏は水温が高いため、酸素が溶けにくくなります(冬と比較して約半分の6mg/L程度しか溶けません)。また、微生物やバクテリアなど分解者の動きも活発になります。結果的に、酸素が少ない上に、有機物の分解でさらに酸素を消費し、水質が悪くなるケースがあります。水が綺麗な水域ではこのようなことはありませんが、平野部の野池などでは注意が必要です。水がベタっとしている(泡がなかなか消えない)、食い気がなさそうに鯉が浮いている(酸欠による鼻上げ行動)、などありましたら酸欠や、それに伴う水質悪化の可能性を探ってみましょう。

釣り場を変えるか、比較的回復の早い浅場を狙います。

溶存酸素を測るためのサンプリング
正確な溶存酸素を知るには、化学的に測定するか、高価な機器が必要です。それでは時間やお金が掛かりすぎるので、水面の泡立ちや色で判断します。
夏に釣り上げた鯉
なるべく水温が低く、酸素も多いところを見つけることができれば、釣れる季節です。

冷水を探す

夏は、鯉も人と同じで、できるだけ水温の低いところへ移動するので、そこがポイントになります。

例えば、発見しにくいですが湧き水はポイントです。湧き水は、水温が年中安定しており、どの季節でも好ポイントになり得ますが、夏場は特に重要視します。周辺と違って水に透明度がある、底の窪みに触れると冷たいなど、これらが湧き水のヒントです。他には、流れ込みも良いポイントです。特に野池や湖では新鮮な水(水質が良く、溶存酸素も多い)が流れ込む場所は、鯉の良い避暑地です。河川では、堰堤の下流側は落差で曝気されているので(溶存酸素が多く、蒸散作用で水温が下がるから?)、鯉が寄ります。

上記のように水中の「涼」を探すのも良いですが、陸の環境もチェックしましょう。こちらは簡単に判断できます。なぜなら、私達が涼しいと思う場所を探せば良いからです。例えば、風が吹き抜ける場所や日陰は良いポイントになります。変化のない止水域(護岸された池など)では、重要なポイントです。

冬と違って、夏は水温が高いので、鯉の動きは良いです。このような少しでも水温が低いポイントを見つけることができれば、きっと良い釣りができるはずです。