河川のポイントの特徴

流れの緩やかな河川の中流域から下流域は、鯉の生息に適した環境であり、鯉釣りフィールドの一つです。個人的に、初心者は河川から鯉釣りに挑戦してほしいと思っています。なぜなら、ポイントが探しやすいからです。

河川は、上流から下流への決まった「流れ」があります。この流れがポイントを探しやすくしてくれます。例えば、河川には流木やテトラポット等がありますが、これら障害物の下流側が淀みになります。淀みになる、つまり餌が溜まりやすいということです。自ずと障害物の下流側がポイントになるので、そこへ仕掛けを打てばよいわけです。

また、河川は流れによって形成されたポイントが至る所に点在します。長い年月をかけて作られた蛇行や、岸が削られないように設置されたテトラポットなど、多様な「変化＝ポイント」があります。このようなポイントは、目視で簡単に見つけることができます。他にも、渇水や激流で形成されたカケアガリ（※１）もあります。

このように、河川は流れによって変化に富むので、ポイントに困りません。流れを意識してポイントを探してみてください。地形の変化は地図からでもわかるので、Googleマップ等を活用するのもよいでしょう。

※１：水中の段差のこと

河川のポイント例

カーブ（曲がり）

河川のカーブは、分かりやすく、代表的なポイントです。カーブの外側は流れが当たるので、水深があり、また岩盤等の固い地層か、岸が削られないようにテトラポットが設置されていることが多いです。そこに鯉の餌となるエビ等の小動物が住み着くので、ポイントとなります。カーブの内側は流れが緩やかなので、砂地か、やや砂利の混じる底をしています。沖に向かって緩やかに深くなりますが、カケアガリ等の変化を見つけて、そこをポイントとします。他のポイントでも同様のことが言えますが、単にカーブしているだけでなく、「カーブ＋流れ込み」のように複数のポイントが重複するほうがベターです。

テトラポッド、ゴロタ石

カーブの外側等の流れが当たる場所には、岸が削られないようにテトラポットやゴロタ石が設置されています。テトラポッド等の隙間にエビ等の甲殻類や、タニシ等の巻貝類が住み着くので、鯉の餌場になっています。テトラポット等の周辺がポイントになりますが、突き出ていたり、切れ目であったり、少しでも変化の多いところを狙いましょう。

流れ込み、水門

支流の流れ込みや水門等は、異なる水がぶつかり合う良いポイントです。特に春は支流に鯉が遡上するため、魚影が濃くなるポイントです。本流のカケアガリから支流のカケアガリへ伝うように遡上するので、支流のカケアガリに通じる本流のカケアガリか、両カケアガリの合流点がポイントになります。両カケアガリが水中でどのように合流しているのか、底探りで把握しておきましょう。

食み跡（はみあと）

食み跡とは、鯉が餌を探した形跡のことです。鯉は砂を掘り返しながら餌を探すので、探したところはやや窪んでいたり、堆積物が取り去られ底の色が異なっていたりします。河川は止水域より透明度があったり、干満で底が露出したりするので、食み跡が見つけやすい環境です。また、全ての食み跡がポイントになるわけではありません。なぜそこで鯉は餌を探したのか、例えば食み跡の近くに障害物があるといった、何かしら裏付けできるような食み跡をポイントとしましょう。

水草、抽水植物

河川に限らず、水草や抽水植物は鯉釣りのポイントです。水草等にはエビ等の小動物が寄るので、鯉の餌場になっています。また、５月頃に鯉は水草等に産卵します。こうした産卵場所に鯉が集まってきますので、春に押さえておきたいポイントです。水草等の中に仕掛けを打つと鯉が餌を食べられないので、水草等の周辺を狙います。