餌盗りをかわせば特効餌
鯉釣りの生き餌
生き餌とは
「生き餌(もしくは、活き餌)」とは、鯉が自然環境下で食べているミミズやエビ等を、ボイル等の加工を行わず使用する餌のことを言います。ここでは、生き餌のメリット、デメリットについてお話します
まず、生き餌のメリットは、アタリが早いことです。加熱や乾燥等の加工を経る餌では、どうしても成分の変性が伴います。しかし、生き餌では加工を行わないため、鯉の摂餌を誘引するアミノ酸等の成分が失活せずに鯉を刺激します。また、鯉が食べ慣れているので、視覚的にも鯉は違和感を覚えません。
一方でデメリットは、釣りのターゲットとなる鯉以外の小型の鯉や他の魚にとっても大好物であるという点です。例えば、生き餌にミミズがありますが、鯉に早く見つけてもらわないと、フナやウグイといった餌盗りにあっという間に食べらます。つまりは、メリットが裏目に出るパターンです。また、管理が大変です。ボイリーや市販の鯉釣り餌は、常温で何日もそのまま保存できます。一方で、生き餌は生かしておく必要があります。例えばエビであれば、飼育するために水槽が必要ですし、水換え等の手間も掛かります。釣具店で購入するのもありですが、こうした管理が必要なので安くはありません。
生き餌の管理はさておき、釣りにおいて使用する場合は、良くも悪くも魚が釣れすぎる餌です。いかにして餌盗りをかわして鯉に餌を届けることができるか、生き餌ではそこが重要になってきます。
生き餌を使用する場合の仕掛け
生き餌は、基本的にぶっこみ釣りで使用します。仕掛けは、シンプルな一本針仕掛けが良いでしょう。理由は、餌盗りによる餌確認や交換を頻繁に行うからです。仮に、針数が多いと仕掛けの打ち返しに時間が掛かってしまい、効率が落ちます。
代表的な生き餌の紹介
ミミズ
ミミズは、淡水魚の釣りで代表的な餌ですが、鯉も好んで捕食します。餌盗りに盗られやすいので、できるだけ大きなミミズを1匹そのまま通し刺しで使用します。小さなミミズは房掛けで多少は餌盗り対策になりますが、あまり長くは持ちません。
アカムシ
アカムシは、冬に鯉が好んで食べることから消化が良いとされ、冬の特効餌として使用されます。1匹が小さく釣り針に刺すことができないので、糸を使って釣り針に括り付けます。
タニシ
タニシは、殻を持つことから餌盗りに食べられず、大物の鯉が掛かりやすいことから霞ヶ浦等で大変なブームになった餌です。殻に穴を開けてボイリーのように糸で釣り針に固定するか、サザエで言う赤身に釣り針を刺して使用します。殻を割って剥き身でも使用できますが、餌盗りには弱くなります。
エビ
甲殻類であるエビも鯉の好物です。ヌマエビは小さいので、スジエビ(シラサエビ)かテナガエビが良いでしょう。チョン掛けか、尻掛けで使用します。
他にも小魚やカニ等が生き餌になります。釣り場の鯉が普段は何を食べているのか、食べ慣れているものを見つけ、餌盗りをかわすことができれば良い釣果になるでしょう。