鯉釣りを紹介するサイトLightBlue

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特性を知って上手く使う

鯉釣りの加工餌

加工餌とは

鯉は雑食性であり、人の手が加えられた餌でも食べます。例えば、パン、イモヨウカン、ボイリー等が挙げられます。このような茹でる、蒸す、乾燥するなど、何らかの形で手が加えた餌を鯉釣りでは「加工餌」と言います。現在の鯉釣りでは加工餌が主流なので、加工餌がどのようなものであるか理解してしまえば、鯉釣りの餌で困ることはないでしょう。

加工餌のメリットは、自由に特性を変えられることです。例えば、しっかり残ってほしい時には粒を大きく、または固くしたりすることができます。また、成分も調整できるので、味や色を変えることができます。加工餌は、自由自在なのです。

欠点もあります。加工餌は、一般的に自然下には存在しないものです。そのため、生き餌(※1)のように、素直に食べ始めるまで少々時間を要します。しかし、鯉は味覚の発達した魚です。味蕾という味を感じる器官が、口の中だけでなく顔の至る所に備わっています。生まれて初めて見る加工餌でも、味で食べます。また、そのことを利用して、鯉が好む味の成分を配合した加工餌もあります。生き餌と同じように食わせることは難しいかもしれませんが、加工餌は釣り餌メーカーによって欠点を限りなく克服していると思ってください。

このように鯉釣りでは、疑似餌(ルアー、ワーム等)のように動きや見た目ではなく、味で食わせます。そのため、突き詰めていくと化学の話になり、非常に奥が深いです。ただ、そこは釣り餌メーカーにお任せして、私たち釣り人はその餌の主旨を理解し、自分の釣りにどう落とし込むのか、そこを考えましょう。

※1:生きた小魚や虫(ミミズ、ゴカイ)等の釣り餌。

ボイリーにヒットした鯉
ボイリーを含めた加工餌は、かなりの種類があります。どんな加工餌を使うのか、考えて選ぶのも面白いところです。
寄せ餌(吸い込み餌)
市販の吸い込み餌は、鯉が釣れるようにバランス良く餌が配合されています。まずは、使ってみて、鯉釣りの餌に慣れましょう。
食パン
鯉は食パンを含め麦から出来ている加工餌が大好きです。
ボイリー
ボイリーには様々なカラーや味(フレーバー)が出ています。加工餌のメリットを最大限に活かしています。

代表的な加工餌の紹介

市販の吸い込み餌、ウキ釣り餌

初心者は、まずは市販の鯉釣り餌を使用してみましょう。餌の使い方(水の加え方や使用方法等)が裏面に記載されていますので、その通りに使用すれば、餌としては十分です。そして、「鯉釣りの餌とは、こういうものなのか」という感触を掴みましょう。また、初心者でなくなったら市販の鯉釣り餌を卒業する、というわけではありません。市販の鯉釣り餌のクオリティは高いですし、餌の材料を一つ一つ揃えていては保管が大変です。使い続けることになると思います。色々な市販の鯉釣り餌を試してみて、自分の釣りに合った鯉釣り餌を見つけましょう。

市販の鯉釣り餌にも色々あります。吸い込み餌は、ぶっこみ釣りで使用する餌です。ダンゴ状に丸めて仕掛けにセットするため、ダンゴ餌とも言います。ただ、近年は仕掛けがシンプルになってきているので、吸い込み餌を寄せ餌としてベイトロケットや柄杓等で撒くことが増えてきました。

ウキ釣りでも、市販の鯉釣り餌を使用します。ウキ釣り餌は、水の加減や練り方で餌持ちが変わります。吸い込み餌よりも、丁寧に裏面の説明書き通りに作成しましょう。

ボイリー

近年、ぶっこみ釣りの主流であるボイリーも加工餌です。大きさ、カラー、味等にバリエーションがあり、加工餌のメリットを最大限に活かしています。一から作ることもできますが、市販品を買ったほうが早いですし、クオリティも高いです。硬いので、釣り針には直接付けず、ヘアーリグという仕掛けを使用します。

コーン

鯉釣りでは、アッペンコーンやボイルされた缶詰コーン等を使用します。生で使用することはありません。粒が大きく、また植物性なので餌盗りに強い餌です。また、栄養豊富で成分的にも優れ、黄色が視覚的なアピールになるので、鯉釣りには欠かせない餌の一つです。食わせ餌(※2)に使う場合は、釣り針に2、3粒を直接付けるか、ヘアーリグを使用します。寄せ餌が餌盗りで残らないときは、コーンを足したりします。

サツマイモ

サツマイモは、古くから鯉釣りで使用される代表的な餌です。加熱後のものを使用します。サツマイモは、干し芋やイモヨウカンにして、適度な固さと粘りを持たせて食わせ餌になります。また、粘りがあるので、ダンゴ餌の繋ぎとしても利用されます。鯉の好みであり、色々な形で使用できる万能な餌です。鯉釣り用のイモヨウカンや、サツマイモが入ったダンゴ餌があるので、一からサツマイモを加工する必要はありません。

パン

食パンは浮かせ釣り(パンプカ)で使用しますが、ぶっこみ釣りの食わせ餌にもなります。浮力があるので、少し握り、空気を抜いて釣り針に付けます。また、パン粉を吸い込み餌等に入れることもあります。バラケが良くなりますが、入れすぎると水を吸いすぎるので、注意が必要です。

パンの原料は、小麦です。また、ボイリーにもデュラムセモリナ粉という形で小麦が、吸い込み餌には押し麦という形で大麦が使用されています。どうやら鯉は麦が大好きなようです。コーンと同様、麦も白色で目立つので、視覚的なアピール力もあります。

米ぬか

米ぬかは細かい粒子なので、水中では白濁りを出しながら散ります。よって、遠くから鯉を寄せる効果があるので、吸い込み餌等に含まれています。

※2:釣り針を吸い込ませるため、釣り針に直接刺すか、もしくはヘアーリグに付ける餌のこと。

アレンジしてみる

加工餌の種類は、非常に多いです。それらを全て理解し、使いこなすには時間が必要ですが、鯉釣りの面白いところでもあります。まずは市販の鯉釣り餌を使用してみて、「もっと餌盗りに食べられないようにしたい」と感じたらコーンを足したり、「もっと魚を寄せたい」と感じたら魚粉ペレットを足すなど、アレンジに挑戦してみましょう。私も鯉釣りの餌に日々頭を悩ませている者ですが、次第に何となく餌をコントロールできるようになってきます。そうして少しずつスキルアップしていただけたら、と思います。

また、特に都市河川の鯉は色々なものを食べます。例えば、私は餅とイカの塩辛で鯉を釣ったことがあります。何か新しい加工餌を探してみるのも面白いかもしれません。

釣れないときは餌ではなく、他を疑う

鯉の気配はあるのにアタリがないと、どうしても餌を疑ってしまいます。しかし、釣れないときに餌を変えても、釣れない状況は変わりません。原因は、決まって他にあります。

鯉は、味覚が発達した魚です。釣り場の環境によっては、餌の種類でアタリまで要する時間に多少の差が出ることもあると思いますが、「食べない=釣れない」ということはありません。では、釣れないときはどうするのか?まずは、ポイントを再確認してください。十中八九、原因はここにあります。言ってしまえば、ポイントが合っていればどんな餌でも釣れますし、反対にポイントが合っていなければどんな餌を使っても釣れません。

ぶっこみ釣りの場合、次に確認すべきは、鯉が針掛かりする仕掛けになっているか確認しましょう。鯉が餌を咥えたときにオモリの重さが掛かるようになっているか、参考通りに仕掛けを作成していれば問題ありませんが、何かオリジナルの変更を加えたときは要注意です。また、コーン等を釣り針に直付けする場合、しっかり針先を出しておくことも大切です。針先が出ていないと、鯉が餌を吸ったり吐いたりを繰り返すだけで、針掛かりに至りません。さらに、ボイリーのような硬い餌を使用する場合は、ヘアーリグが必須です。他にも、仕掛けが絡まっていないか、針先が鈍っていないか、確認しましょう。

また、ぶっこみ釣りの場合、鯉が仕掛けに近寄る経路に道糸がないか、確認しましょう。例えば、河川の場合、鯉は仕掛けの餌を下流から上流に向かって食べ進めます。そのため、道糸が流れで仕掛け下流側になびいていたり、釣り座より上流のポイントへ仕掛けを置くと、鯉が仕掛けの餌に近寄ったときに釣り糸が触れます。こうなると、鯉は警戒して仕掛けから離れるので、針掛かりに至らない、というわけです。仕掛けに到達するまでの鯉の経路を阻害していないか、確認しましょう。

以上のように、釣れないときは餌以外の部分を疑ってみてください。私は年中同じボイリーを使用していますが、それで問題なく結果は出ます。逆に、このボイリー以外でも結果は同じだと思っています。もちろん、必ず釣れる魔法の餌もありません。まずは、仕掛けを回収してみて、一つ一つ問題がないか確認しましょう。案外、丁寧に仕掛けを打ち直すと、すぐに鯉がヒットするものです。

釣り糸が鯉に触れる悪いケース
釣り糸に鯉が触れてしまうだけで、アタリは遠のきます。なぜ掛からないのか、一つ一つ確認していきましょう。
アタリを待つ竿先
止水域では、糸を余分に出して底に這わせてしまっても良いです。