鯉の食性を利用して掛ける
鯉釣りにおけるダンゴ餌を使用する仕掛け
鯉釣りでは、ダンゴ餌(ダンゴ状に握った寄せ餌)を仕掛けに取り付けることで、寄せ餌と仕掛けを一緒にポイントへ提供することができます。ここでは、その場合に使用する仕掛けをご紹介します。
吸い込み仕掛け
吸い込み仕掛けは、釣り針と糸だけでダンゴ餌を保持するシンプルな仕掛けです。
吸い込み仕掛けは、鯉の食性を上手く利用した仕掛けです。鯉は、砂やゴミ等を餌とともに吸い込み、鰓の器官で選別しながら食べ進める食性があります。吸い込み仕掛けにセットされたダンゴ餌は、水中で徐々に崩れ散り、釣り針の周辺に粒子がばら撒かれます。そして、寄ってきた鯉は、ダンゴ餌の粒子を食べ進めるうちに、釣り針も一緒に吸い込んでしまい、針掛かりする仕組みになっています。釣り針はカラ針(※1)で、鯉にとって餌ではありませんが、ダンゴ餌の粒子によって一緒に吸い込んでしまうのです。
仕掛けの内容については、下記イラストをご覧ください。釣り針は、3〜4本で、ダンゴ餌はウニ通しで貫き、釣り糸で包み込むようにしながら釣り糸を埋め込みます。他の仕掛けにも言えることですが、ダンゴ餌が柔らかすぎるなど、適切にダンゴ餌が作れていないと仕掛けから脱落するので、注意してください。吸い込み仕掛けは、特に脱落しやすいですので、キャストも慎重に行ってください。また、オモリは沈降速度がやや緩やかで、安定感のある平べったいオモリ(亀オモリ、オタフクオモリ等)が望ましいですが、必須ではありません。
吸い込み仕掛けのデメリットは、針数が多いために、根掛かりの率が高いこと、鯉の口以外の部位にも針掛かりしてしまい手返しが悪いこと、ヒット後に掛かりへ入られたときに出しにくいことが挙げられます。釣果を伸ばしづらい仕掛けかもしれません。はっきり言ってしまうと、ヘアーリグや下記の袋包み仕掛け等に比べると、釣りにくい仕掛けです。
※1:釣り餌は付いておらず、釣り針だけのこと。
ラセン一本針仕掛け
ラセン一本針仕掛けは、ラセンと呼ばれる釣鐘状に巻いた針金にダンゴ餌をセットする仕掛けです。
仕掛けの内容については、下記イラストをご覧ください。ダンゴ餌を使用する仕掛けにも関わらず、ラセンというアイテムのおかげでコンパクトに収まっています。ここでは一本針ですが、複数の釣り針を付けることもあります。しかしながら、吸い込み仕掛けと同様のデメリットが出てきてしまうので、おすすめしません。釣り針は、1〜2本に留めましょう。針数が少ないので、食わせ餌(※2)を付けます。仕掛け投入時のライントラブルを減らすために、釣り針はダンゴ餌に埋め込みます。
※2:釣り針を吸い込ませるため、釣り針に直接刺す餌のこと。
袋包み仕掛け
袋包み仕掛けは、釣り糸でダンゴ餌を包み込んで固定する仕掛けです。
仕掛けの内容については、下記イラストをご覧ください。イラストでは3本針になっていますが、吸い込み仕掛けと同様のデメリットが出てきてしまうので、針数は1〜2本に留めましょう。針数が少ないので、食わせ餌を付けます。仕掛け投入時のライントラブルを減らすために、釣り針はダンゴ餌に埋め込むか、食わせ餌がある場合は引っ掛けておきます。
ダンゴ餌は、釣り糸に包み込み、つまようじを刺したゴム管を押し下げることで、固定します。ここで挙げている仕掛けの中で、最もダンゴ餌をしっかり保持する仕掛けなので、遠投も可能です。ダンゴ餌が上手く作れず硬さが出ない場合でも、この仕掛けなら投げられると思います。作成に手間はかかりますが、初心者にもおすすめの仕掛けです。