日本テレビ「特命リサーチ」
 
 今(1999年5月23日夜)、親しい友人から、「テレビを見ていたら、重力ポテンシャルの大きさによって、時間の進み具合が変わる、と言っていた。これはアインシュタインの一般相対性理論の検証ではないのか」という電話を頂戴しました。
 私は、「それがアインシュタインに物理学が支配されている証左です」とお答えして、詳しく事の内容を説明したのですが、本ホームページでも少し述べておきたい内容です。
 
 重力ポテンシャルの大きさによって、原子の振動周期が変化することは当然のことであり、いわゆる「時間が変わったようになる」のは常識的に考えられることです。しかし、それは人類が地上で定義した時間の大きさとは異なるだけの話で、時間そのものが変わったわけではありません。“換算すれば同じ”です。
 
 そして重力に限ったことではないでしょう。強い電界によって原子の振動周期は変わるでしょうし、強い磁界にしても然り。強い電磁波を浴びせても変化するでしょう。原子や分子がプラズマ状態になっている世界では通常の原子の振動周期とはかなり変わっているでしょう。
 こういった事で原子の振動周期が変化するのは、アインシュタインの相対性理論とはいっさい無縁の事象です。これを、ことさら重力だけ人々に注目させて、「時間と空間の概念を変えた偉大なアインシュタイン」としてしまう所に、物理学がアインシュタイン一人に支配されているということなのです。
 重力だけでなく、電界によって、磁界によって、電磁波によって等々、いろんな条件によって原子の振動周期は変わるだろうということを研究するのが物理学の本質です。それを一切しないで(あるいはそういう研究をする人を排除して)、「アインシュタインによってすべてが解明されているのだ。ほかの事は考えるな」という風に人々に布教するところに20世紀物理学の欠陥があると私は思っています。
 将来、20世紀物理学は暗黒時代であったと言われるようになるかも知れません。
 
日本テレビの高視聴率番組「特命リサーチ」より
(1999年5月25日/窪田登司)
 
 先日(5月23日)、電話をくれた友人が日本テレビの人気番組「特命リサーチ」のビデオ録画を持参してくれました。
 その中に上述した重力ポテンシャルの大きさによって時間の進み具合が変わる部分があり、楽しく拝見いたしました。
 上述したように、「原子の振動周期が変わるのは、なにも重力によるものだけではない」ことを十分に認識してもらいたいものです。
 もう一つ興味深い部分があり、これを見せたいからと言って友人がビデオを持参したようです。
 それは“高速で宇宙旅行してきた人が歳を取ってない話、いわゆるアインシュタインの浦島太郎効果”です。
 
 じつは相対論の著書には、いろいろと異なった事が書かれています。相対性理論は根本的に(数学的に)間違っているので、何でも言えるからです。
 ある本には「等速直線運動は絶対静止と区別出来ないから、どんなに高速で動いても“何も変化はない”、これを他の系から観測すると、歳を取ってないように“見える”のだ」。
 また、ある別の本には「動けば必ず時間が遅れて、歳を取らないのだ」ともあります。
あるいは、K大学M物理学名誉教授は、「等速直線運動中は変化はない。加速・減速するときに歳を取らないのだ」と主張しています。そして、その歳を取らない計算式は“等速直線運動系で成り立つとされるローレンツ因子” です。
(こういう矛盾した数々の話を簡単に信じ込んでしまう人類の頭脳内部は、何千年も昔から少しも進化してないと考えられますね。そうは思いませんか?)
 
 さて、この番組の内容ですが、おかしい事に気がついてないようです。
 それは「2つの慣性系A,Bがあって、A系の光の振る舞いは、B系から“見ると”、光の振る舞いが異なっているように“見える”から、時間の遅れがある」ように説明した直後、“本当に歳を取ってない人物”が現れました。これはおかしいです。
(ただし、この番組は番組制作者が考えたのではなく、あとで聞いた話ですが、相対論を擁護するため大学物理学の先生が監修したものだとの事です。したがって私は日本テレビやその番組制作者を非難しているわけではない事を重々ご承知おきください。特に1993年以降、こういったアインシュタイン擁護のマスコミ記事や番組が多くなりました)
 
 話を戻しますが、アインシュタインの特殊相対性理論はA系も、B系も同等なのです。だからA系内の光の振る舞いも、B系内の光の振る舞いも同じであり、互いに“観測すると”光の振る舞いが異なっているように“見える”事を述べた理論なのです(本当は光は“見えない”のですが、アインシュタインは“見える”と思ったようです/後述)。
 したがってA系の人もB系の人も同等であり、互いに相手を観測したら“歳を取ってないように見える”のが特殊相対性理論なのです。アインシュタイン以来、“双子のパラドックス”という問題が取り沙汰されますが、これは同等です。
 
 K大学M物理学名誉教授の著書に「素粒子の立場に立てば寿命は延びないが、観測したら寿命が延びている」と書いてあります。つまり、高速で宇宙旅行している最中の人は(自分で鏡を見たら)歳を取ってなくて、若いままであるが、地球から
“見たら”(または“観測したら”)、寿命が延びていて、宇宙服は古くなっている、というわけ。
 だから、地球に戻ったら一瞬のうちに“もとの素粒子の立場に立てば寿命は延びないになる”から、若いままだというわけです。“特命リサーチ”のシーンがこれでした。ひょっとして、このシナリオはK大学M物理学名誉教授が書いたものかしら。無茶苦茶で面白いです。
 
 細胞分裂のスピードがゆっくり進み、“少女”が50年経っても“おばさん”にならないなんていいですね。そんな事はあり得ないと思うのですが。いや、あるかも知れません。しかしそれは特殊相対論(ローレンツ因子を使う理論)とは関係ないでしょう。生体学上の事です。または冷凍人間にするとか。
 
 なお、この番組の中にも本ホームページのトップページFig1が登場しました。(下図参照/NHKスペシャル「アインシュタインロマン」でも同様のアニメがありました。特殊相対性理論の出発点となっている説明であり、多くの特殊相対性理論の教科書に載っています。)
 
 
 『静止系でAからCに発射した光は、運動系ではAからDに飛んでいく』というものです。
または同じことですが、相対論の教科書によっては、
『部屋の中の観測者は光は上下運動する(ように“見える”)が、部屋のそとの観測者は光は斜めに飛んでいく(ように“見える”)』
と書いてあるものもあります。
 
 これが光を物体と同様に扱っている“アインシュタインの特殊相対性原理”と呼ばれる仮定です。しかし、リングレーザージャイロが示しているように、あるいはブラッドレーの光行差の現象が証明しているように、光は上図のような運動をしないのです。
 AからC方向に発射したレーザー光はそのままC方向に直進するので、斜めD方向に光速度c で行ったりしません。
あるいは「斜めD方向に光速度cで行ったように“見える”」ことはないのです。
 根本的に、こういう図は数学的にも物理的にも存在しないことを考えてください。
 
 光は“見えない”のですが、アインシュタインは“見える”と思ったようです。全国版読売新聞の朝刊一面中央およびある相対論の教科書で、「アインシュタインは、光が止まって見えたらいけないので、常に観測者に対して光速c で走っているように考えた。これが光速度不変の原理である」という記事を読んだことがあります。
 私の見解は「そういう事はない」としています。仮に(仮にですよ)光速と同じスピードで観測者が並進運動しても、光は“見えない”ので、“止まって見えることはない”です。観測者が光の存在を確かめようとして、鏡を差し出しても、「光は反射しない」でしょう。
(そもそも「光速度不変の原理」というのは、上述のような滑稽話ではありません)
 
 私は相対論を擁護する人々から、どんなに愚弄、中傷、異端者扱いされ、嘲笑されても(私のことを、オカルトオーディオをやっているオカルトクボタと中傷している人がいます)、相対論は根本的な出発点が数学的に間違っていることを訴え続けます。
 
 現在はアインシュタインによって物理学が支配されている真っ只中ですので、そういう真っ只中で「アインシュタインに疑問を持つ」というのは、勇気がいります。太平洋戦争中の真っ只中で、「この戦争はいけない」というのは多大の勇気が必要だったでしょう。下手をすると銃殺されましたから。
 それと同様で、現在のアインシュタイン原理教は絶対だとされている真っ只中ですので、なかなか学者先生は勇気を持って「相対論は間違っている」とは口に出せないのかも知れません。勇気を持つ事から始めてください。
 
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再度、再度ご説明します。
 
先日、W大学のO教授(テレビによく出演される有名な先生/著名な先生ではなく有名な先生です)が、民衆に相対論の講演をされました。その中で、特殊相対論は正しい理論だ、と次のような説明がありました。
「特殊相対論は2つの原理から作られている。
@ すべての物理法則は同等である。つまり光も物体を投げた時のような運動をする。光源の速度をV、光速をc とすれば、光源の前方に発射された光の速度は、(V+c)となるはずだ。
A 光速度不変の原理。つまり光は物体を投げた時のような運動はしない。光源に対しても、受光者に対しても光速度はつねに一定値c である。
 これら2つの原理から相対論が創立された。そして有名なアインシュタインの速度の加法則 『V+c はc となる』 が導かれた」
というものです。
 皆さん方は、これを聞いてどう思いますか?
これら2つの“原理”いや普通は“仮定”と言いますが、これらは互いに矛盾していますね。
 
 矛盾している2つの仮定から構築された理論が、なぜ矛盾のない立派な理論なのでしょうか。
相対論は出発点が間違っているのです。
 上述の@もAも間違っています。
@ (V+c)となるはずだと言われますが、「なるはずはない」のです。なぜなら光速は一定値c であり、光源から発射されるとき、すでに自由空間を一定値c の伝播をするようになっています。これはマックスウェル電磁方程式からの理論的な結論でもあり、また多くの科学者の実験や測定から得られた事実です。
だから光源との相対速度はc−Vcosθ =c−Vとなります。(この場合、光源は光を追いかける方向だから)
 極端な場合、V=c では、光は光源の前方に抜け出られないので、光源内の光密度は極度に大きくなり、危険ではないかと想像できます。場合によっては、一瞬のうちに光源は大爆発するのではないかと考えられます。人類はまだ、こういう実験をした事はないし、経験もしたことはありません。
(ただし、素粒子の生成消滅過程では、これに類した現象が起きている可能性があります。また原子爆弾や中性子爆弾、核融合爆発などは、荷電粒子やプラズマ粒子が連鎖反応によって光速になった瞬間の現象として説明できる可能性があります)
A 光速度が一定ということはあり得ません。光速は一定だから、光源も観測系も、つねに光に対して相対速度を有しています。その大きさは (c−Vcosθ) です。
(1999年9月3日/窪田登司)
 
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真剣に考えましょう。ここで、今までの拙著で発表した説をまとめておきます。
 
*1 光速は一定であるため、受光側の動きで相対光速度は変わるということ。その大きさは、
 
       c−Vcosθ
 
です。
(アインシュタインの特殊相対性理論では、“光速度不変の原理” という仮定によって、“相対光速度” なる概念は否定されています。)
 
*2 宇宙の彼方からやってくる光の赤方変位の現象は、ドップラー効果と量子エネルギー効果(筆者呼称)によるものと考えています。
 量子エネルギー効果は、宇宙空間に浮遊しているガスなどによって、光のエネルギーが吸収され、その波長λ が伸びることを述べたもので、ガスなどディスターブ物質の屈折率をn、光のエネルギーをE、真空中の光速をc、プランク定数をh とすれば、光の波長λ は、
 
       
 
で与えられます。
(アインシュタインの一般相対性理論(等加速度運動を扱う理論)では、重力によって時間と空間がゆがんでいるから赤方変位を起こすのだとされています。)/追加します。本日(07年6月18日)放送大学の宇宙論講座で、『空間が伸びているから光の波長は伸びるのだ』と説明されていました。そしてその伸びる波長の計算は特殊相対性理論(等速直線運動を扱う理論)のローレンツ因子で計算されています。
 
*3 太陽や銀河などの近傍を通る光の進路が曲げられるのは、周辺に集まったガスや宇宙ダストなどによる屈折作用であり、宇宙規模の蜃気楼です。屈折角θ は、r を光の曲率半径、 dn/dx を屈折率の傾斜とすれば、
 
       
 
で与えられます。
(アインシュタインの一般相対性理論では、重力によって時間と空間が曲がっているから、光は曲がるのだとされています。)
 
*4 光は自由空間では、物体を投げたような運動法則には従わないということ。これは、リングレーザージャイロが証明していることであり、量子オプトロニクス、量子エレクトロニクスの勝利です。
(アインシュタインの特殊相対性理論は、2つの相反する仮定から構築されています。
一つは、すべての物理法則は同等であるとして、“光(電磁波)も物体と同様の運動をする”という仮定。これを『アインシュタインの特殊相対性原理』と言います。
 もう一つは“光(電磁波)は物体と同様の運動をしない。光速度は常に一定値c である”という仮定です。これを『光速度不変の原理』といいます。)
 
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ありがとうございます
早速、本ホームページによるお便りを3通頂戴いたしました。拙著もお読みくださって、「相対性理論は根本的に間違っている」と、ご理解を賜ったものです。
その中に、「アインシュタインイコールE=mc2イコール大天才、というイメージしか持ってなかった。しかし、よく考えてみると、このE=mc2というのも傑作な、ねつ造品、工作品ですね」とのご理解がありました。
 まさにその通りだと思います。
 エネルギーには、風の力によるエネルギーあり、水力によるエネルギーあり、熱エネルギーあり、運動エネルギー、位置エネルギー等々、ありとあらゆる種類のエネルギーがあります。
 そしてエネルギーとは“仕事”であり、外界に顕在化されてはじめて測定できる物理量です。それが“質量m”と等価だという、この式ほど20世紀物理学の失敗はないと思います。フィクション以外の何物でもないでしょう。
 
 ちなみにアインシュタインの論文を紹介してみましょう。
「ある物体の運動量をmvとする。もう一つの輻射複合体の運動量を(E/c2)v とする。これらを足すと
Mv =mv+(E/c2)v
である。両辺をv で割ってc2 を掛ければ、
E=(M−m)c2 =m’c2
となり、質量とエネルギーは等価であることが証明された」
というものです。
 アインシュタインは、とてもこういう論理展開が得意だったらしいです。
初めに(E/c2)を質量だと決めてから、周り回って元に戻して、エネルギーと質量は等価であることが証明された、と述べているのです。
 
 エネルギーと質量は等価だという、この式は別の“計算”でも導き出せます。動く物体は質量が増加するというアインシュタインの式から近似的に誘導することが可能です。動く物体は運動エネルギーを持っていますが、質量までが増加し、更にその質量がエネルギーと等価だというわけです。こういう“いかさま”に疑問を持ったのは世界中で私だけだったかもしれません。
 
 私は、原子爆弾の質量欠損は、次のように考えています。
 電磁波は、その波長が短くなると粒子性を帯びてきますが、この運動エネルギーは当然、
 
したがって、
これは、電磁波のエネルギーを質量に換算したら、こうなるという意味であり、従来の慣性質量とは異なり、“電磁波質量”
または“光子質量”、あるいは“量子質量”と名付けたいものだと考えています。
 もちろん現在は、この“量子質量”という概念は学界で認められているものではありません。あくまでもアインシュタインによって“光子”の質量はゼロであるとされています。ゼロでなかったら無限大になってしまうからです。
 
(特殊相対性理論では“光子”の質量はゼロであるとされています。したがってE=mc2 におきまして、m=0ですので、E=0となります。でも光子にはエネルギーがありますね。どういう事でしょう。だからE=mc2 は物理学ではないと述べているのです)
 
 緊急追加(06年6月25日):名無し氏より次のような反論(?)がありました。
『E=mc2  は“静止エネルギー”なのだ。光子は静止してない。だから光子にE=mc2  を適用してはいけないのだ!まぬけめ!』
窪田より:ああ、そうですか。とにかく大天才アインシュタインをヨイショするためには、どんな理不尽な事でも通そうというのが見え見えです。
 私から質問します。特殊相対性理論における“静止”とはどういう事ですか?。動いていても、それが“等速直線運動”ならば、それを“静止”と定義しているのが特殊相対性理論ですよ。
 次に原子爆弾のエネルギーはE=mc2 で説明されていますが、“静止している”ものから、よくあんな凄いエネルギーが出てきますね。あの莫大な放射能や光エネルギー、音エネルギー、熱エネルギー、爆風エネルギーなどを全部足したら“静止質量m”と等価だというのを誰が測定したのですか?
「質量欠損が、その膨大なエネルギーになっている!」?。だから「誰がそんな等価エネルギーを測定したのか」って言っているのです。
・・・・誰もやってはいないのです。単なる“お話”であり、物理学ではない事を悟ってください。
 
 原子爆弾は量子論からのヒントで開発が進められたものです。アインシュタインは時の大統領ルーズベルトに「ドイツよりも早く原子爆弾を作れ」と手紙を出しました。戦争が終わると「私は平和主義者だ。核兵器反対」。
 
(“光子”や“ニュートリノ”には質量があるという観測が得られた記事を読売新聞だったか、朝日新聞だったか見たことがあります。この論文が正しければ、その時点で特殊相対性理論は崩壊です)
(1999年3月29日/2016年9月5日/窪田登司)
 
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 ある大学生から、「自分は相対論は間違ってると思っていますが、物理の授業で教授が執拗に『相対論は間違ってない。ローレンツ変換はシンクロトロンなど粒子加速器で実証されている』と述べて、息巻いていました」とのお便りを頂戴しました(08年1月12日)。
 この件に関して若干私見を述べておきます。参考にしてください。
 私は『ローレンツ変換はシンクロトロンなど粒子加速器で実証されている』とは思っていません。近似式から合わせ込み計算をしているだけです。そもそもローレンツ変換は等速直線運動系での座標変換なので、加速系に持ち込む事はできません。
 特殊相対性理論によれば、等速直線運動する物体の質量m は増加するとされ、ローレンツ変換によって、
  
であるとされています。しかし、こういう事はあり得ないというのが私の見解です。例えば、素粒子の速度v が限りなく光速c に近づくと、質量は限りなく無限大になるわけですが、加速器内の素粒子の振る舞いは決してそのような事態にはなっていません。
 加速された素粒子の質量m の上限は、m≒2E/cでしょう。ここでEは【eV】(エレクトロンボルト)など電磁場の加速エネルギー。光速になった瞬間に素粒子は爆発し消滅したり、他の複数の素粒子に変化する可能性があります。
 加速器内の素粒子の振る舞いはニュートン力学とマックスウェル電磁力学、および量子力学で記述すべきというのが私の強い信念です。(08年1月12日/8月1日記)
 
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それでも地球は動いている
2001年5月3日/窪田登司
 ガリレオ・ガリレーは牢獄の中で、「それでも地球は動いている」と叫びました。
 いま、私は相対論を擁護する人々から愚弄、嘲笑され続けていますが、
 
「それでも相対論は根本的な出発点が間違っている」
 
と訴えています。
 アインシュタインは1905年に、「絶対静止のエーテル系とか、エーテル基準系というものはない」と否定しました。その代わり「すべての慣性系は同等で、それらを“絶対静止系”と見なすことが可能だ」としました。なぜそう考えたかは皆さんすでによくご存じのように、「等速直線運動(慣性系)は絶対静止と区別できない」としたからです。
 たとえば、地球上で、外の見えない部屋の中にいると、地球は動いているのか、動いてないのかは判断できないとしたからですね。他の天体、たとえば太陽や恒星などと比較しなければ、つまり“目で見える”相対的な位置関係を観測しない限り、地球は動いているのかどうかは決められないとしたわけです。
 本当にそうでしょうか。
 
 じつは20世紀ハイテクレーザー技術は、この考えをくつがえしています。21世紀物理学は真剣にこの事態を考えなければいけません。
 他の天体と比較しなくても、つまり外の見えない部屋の中にいても「地球は動いている」ことを証明することができます。このことを次の図で説明しましょう。
 
 
 地上に置かれた真空チャンバー内に、XY座標を設けましょう。この座標は“目で見て”確認することができます。たとえば紙に書いたものでもよいし、十字に置かれた柱でもいいですから。
 
 次に原点O(ポイントA)から、Cに向けてレーザーパルスを発射します。AC間距離をあらかじめ決めておきましょうか。いまは思考実験をしているので、いくらでもよいです。300mでも、30万kmでも、1億5千万kmでもかまいません。
30cmとしておきましょう。
 
 1ナノ秒後にCでレーザーパルスの先頭を受光できますか?
アインシュタインにこの質問をすると、「できる」と答えます。なぜそう答えるかというと、「物体なら行くのだから光も同様だ。そんな事は常識だ」と。
 でも、20世紀ハイテクレーザー技術では、「できない」のです。光は速度のベクトル合成はされることなく直進する性質があるので、レーザーが飛んでいくあいだにCは動いていてC’ にあるからです。絶対にCには届かないのです。
 
 次に、「1ナノ秒後に“目の前にある”座標はXY座標ですか?」、アインシュタインにこの質問をすると、「そうだ」と答えます。なぜそう答えるかというと、「等速直線運動は絶対静止と区別できないからだ。そんな事は常識だよ」と。
 しかし、20世紀ハイテクレーザー技術では、1ナノ秒後に実際に“確認できる”座標はXY座標ではないです。X’Y’ 座標です。なぜなら、1ナノ秒後のCはC’ の位置に、発射したレーザー機器はAではなくA’ の位置にあるからです。
 “1ナノ秒前”に定義したXY座標は、もはやどこか宇宙空間の見知らぬ“場所”においてきぼりなっています。今の例では“1ナノ秒”という非常に短い時間ですので、その見知らぬ“場所”は何ミクロンという、すぐそばでしょうが、正確には決して最初に定義したXY座標ではないです。分かりますか?私の言っていること。
 
 このXY座標のことを私は「静止系(基準系)」と定義しているのです。
 
 ちなみに特殊相対性理論では系が動いていても、それが等速直線運動ならば“静止系”と定義しています。いわゆる“絶対静止系”の定義です。それに対して私は“光そのものを基準”にして、それを“静止系(基準系)”と定義したわけです。両者の違いをご理解ください。
 
 そしてこのことは日本の開発したリングレーザージャイロの設計の基礎となっています。
 ズレCC’ は地球の動きによって、あるいはチャンバーの向きによって、いかようにでも変化します。ジェット戦闘機に搭載している日本航空電子工業のリングレーザージャイロは、1辺が約30cmのほぼ正三角形をしたものですが、この非常に小さなズレCC’ は回転角速度の変化として得られ、干渉縞の源として利用されています。
 
 分かりますか?図のv というのは、太陽を基準にした公転速度30km/sでもなければ、銀河中心を基準にした地球の(太陽系の)速度350km/sec〜400km/sなどではありません。そういう他の天体を基準にした速度ではなく、測定するレーザー光に対する変位速度です。
 
 ところで、次に重要なお話をしましょう。1ナノ秒後に“目の前にある”座標X’Y’ 座標のC’ ポイントで実際に受光したとします。この光はAからC方向に発射した光ではないです。あくまでもAからC’ に届くように光軸を精密に調整した光です。
 “1ナノ秒後にレーザーパルスの先頭は云々”と考察を進めないで、「連続した光」を使って実験をすると、必ずC’ で反射して干渉縞が出来るように装置を “調整”します。CC’ は何ミクロンという微小距離ですが、調整した30cmというのは“光源と受光部までの長さ”であるAC’ 間距離であり、絶対にAC間距離ではないです。
 
 いかがでしょう、マイケルソン・モーリーの実験解析に一考を投じた私の頭の中が少しでも見えてくれたでしょうか。
(2001年5月5日、2002年2月3日/窪田登司)
 
追記:正直言って、25歳の特許局に勤めていて“ピタゴラスの定理”しか知らなかった事務員アインシュタインが上述のような難しい事を考えたとは思えません。決定的にアインシュタインが間違えたのは、(10)静止系と運動系についての反論者への説明に書いてあるct’ です。
 
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