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一般相対性理論について
 
 
 アインシュタインは光の振る舞いに関して、2つの相反する要請をして特殊相対性理論を作りましたが、一般相対性理論に於いても、特殊相対性理論の基本的な考えは引き継がれています。
 
 アインシュタインは講演などで、しばしば「エレベーターのロープが切れて自由落下するエレベーター内部の様子を例にとって一般相対性理論を説明」 したようですので、ここでも、分かりやすく、その「等加速度運動している系」の話をしましょう。
 
 
 
 等加速度運動している系(上図の自由落下するエレベーターを考えてください)の、内部の観測者はAからCに向けて光を発射すると、Cに到達するとアインシュタインは考えました。なぜそう考えたかは特殊相対性理論の場合と同じで、「すべての物理法則は同等である」としたからです。
 毛利さんがスペースシャトルの中で、リンゴを投げたら、真っ直ぐに飛んでいったのを見た人は多いと思います。物体ならば、「ガリレオの相対性原理」によって「そうなる」からです。
 そこでアインシュタインは「光でもそうなるはずだ」としたのです。
 
 一方、この現象を外の系から観測すると、光は「曲がってDに行く」とアインシュタインは考えました。なぜそう考えたかは、やはり特殊相対性理論の場合と同じです。
 特殊相対性理論の場合は等速直線運動ですので、「静止系でAからCに向けて発射した光は、運動系ではAからDに(またはA’ からDに)直線的に行く」(トップページFig.1参照)とされていることを思い出してください。
 
 等加速度運動の場合は、「曲がってAからDに行く」となっています。この曲がりは「重力によって空間と時間が曲がっているからだ」としてリーマン幾何学を使って理論を作りました。それが一般相対性理論です。
 AからDへの曲がりはリーマン幾何学の「測地線」といって、直線でも曲がっている非常に難しい数学です。アインシュタイン自身、本当に分かっていたかどうかは疑問です。ポアンカレの著書『天体力学の新しい方法』の中の一部を丸写ししただけですから。
 
 ところで、この数学の極致は物理学でしょうか。否(いな)です。数学ですが、物理学ではないと私は思っています。
なぜかと言いますと、光はこういう振る舞いをしないからです。自由落下するエレベーターの中(等加速度運動している系)で、AからCに向けてレーザーを発射するとCには行きません。
 したがって勿論Dに行くことは絶対にありません。
 それは現在では優れたエレクトロニクスの成果あるリングレーザージャイロが証明済みの物理現象です。AからCに向けてレーザーを発射するとCには行かず、ズレます(どちらにズレますか?そう、上方です)。そのズレを検出してロケットの姿勢制御やジェット戦闘機の自動操縦をやっています。
 04年10月23日の読売新聞に、NASAがスペールシャトルの中でレーザーを飛ばして実験したら「若干ズレた」という記事が掲載されていました。
 
 重力によって時間と空間が曲がっているなどということはないのです。
 
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2018年6月24日 久しぶりに追加更新いたします。
 最近、東大の香取秀俊教授研究室で光格子時計を開発し、原子時計よりも遥かに精確な時間を刻む装置であることから一般相対性理論の検証が可能である、という事案がネット拡散しています。二つのピタリ合っている光格子時計A、Bを用意して、一方のBを1m持ち上げるだけで重力ポテンシャルの差を検出し、Bの時間が遅れていることを示すことが可能だ、ということです。
 そうですか?。高度が高いほど時間は進むというのが一般相対性理論でしょう。地上と富士山の頂上では富士山の方が進むと一般相対性理論の本に書いてありましたよ。
(駐:2023年10月27日/友人から「某TVを見ていたら、地上よりも東京スカイツリーの展望台の方が時間は進むという番組がありました」とのメールがきました。)
 
 私は一般相対性理論による重力ポテンシャルによって時間が遅れるとか進むとかではなく、地上から高くなるほど、線速度が大きくなるので、原子の単位時間における波長λ、または振動数νが変わるためだと思っています。簡単に言いますと、線速度が大きくなれば単位長における振動数νは少なくなります。時間はνの逆数ですから、時間は進みます。
 
 二十数年前でしたか、日本航空電子工業で開発・製造しているリングレーザージャイロを取材したことがあるのですが、担当者が「リングレーザージャイロは地上に置いておくだけで干渉縞が変化します。これは地球の自転を検出していることに他なりません」と教えてくれたことがあります。
 地球の自転で干渉縞が変化するということは、地上の線速度を検知している事なので、当然、これは地上1mであっても、634mでも、富士山の頂上でも構いませんが、とにかく地上とは線速度は異なり、高度が高くなればなるほど線速度は大きいですから、干渉縞も大きく変化することになります。
 これは、いわずと知れた「νの変化」ですので、「計測時間が変わる」のは当然です。ただし、時間が変わったといっても、それは高度によって、線速度が速くなり、そうなっただけのことで、「一般相対性理論によって時間が進んだ」のではないと思います。
 
 相対性理論というのは、もともと数学的に間違っているものです。貴重なご研究ですので、過去の遺物を掘り起こすのではなく、「電波の飛距離時間を直接測る」など物理学に役立つ事にご使用ください。そうすれば「地球の非常に正確な運行方程式が得られる」でしょうし、「月が地球を一周するごとに何ミリづつ遠ざかっているかなどが正確に判明する」でしょう。またレーザージャイロほど精度は高くなくても「ハンディ測定器」として “高度計” が出来ます。まだまだあります。光を結晶格子の中に止める(閉じ込める)ことなど、将来の量子ネットワークの基礎研究になります。量子論にお使いください。応用範囲はいくらでもあります。
 
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 話を戻しますが、アインシュタインは一般相対性理論を作るにあたって、2つの仮定を設けました。
一つは、上述した「すべての物理法則は同等である。つまり加速度系でも光は物体と同様の運動をする」という仮定です。これを「アインシュタインの一般相対性原理」といいます。「特殊相対性原理」を加速度系にも押し進めたものです。
 もう一つ、「重力による加速も、自動車が発進するとき体に受ける加速も同じである」という「等価原理」という仮定を設けました。ニュートン力学の「重力定数」を方程式の中に入れるためです。
 これら2つの “原理”、いや普通は “仮定” といいますが、これらをリーマン幾何学に導入して理論を作ったのが「一般相対性理論」です。
 
 もともと “相対性原理” というのは、物理法則の座標変換に対する不変性を述べるもので、ガリレー変換に対する不変性が “ガリレーの相対性原理” であり、ローレンツ変換に対する不変性が「アインシュタインの特殊相対性原理」です。また私の提唱する相対光速度説(仮称)はガリレー変換に対して不変性を保っています。
そして、これらは慣性系相互の変換です。K大学M物理学名誉教授は、その著書で「加速度系でもローレンツ変換は成り立つ」との記述がありますが、それは間違っています。非慣性系相互の変換は不変ではないのが、普通の物理学です。
 
 ポアンカレやアインシュタインらの作った理論は「特殊相対性理論」も「一般相対性理論」も、非常に神秘的で、しかも面白いので、庶民は怖れを抱き、大天才として崇拝してきましたが、冷静になることが大切です。
 
「亜光速等速直線運動するとコンピューターが縮んで時間もゆっくり進むので計算速度もゆっくりになる。ロケットエンジンも縮んで噴射速度もゆっくりになり、乗組員は歳を取らない」とか、「一般相対性理論によれば、この宇宙は素粒子より小さな一点で瞬間に爆発して誕生した。その瞬間に時間と空間が出来た。現在も地球を中心にして半径137億光年の空間と時間は膨張し続けている。空間の膨張速度がちょうど光速になって時間がゼロになっている端っこが宇宙の果てだ。その向こうは何か、という疑問を持ってはならない。」などの摩訶不思議な天動説に対して「ウッそ〜!」と疑問を持ちましょう。
 
 ちなみに、時間というのは実在するものではなく、地球人類が生活上便利に過ごせるように作った尺度です。地球の自転の1回転を24時間と定めて、1時間の1/60を1分、1分の1/60を1秒としています。ET星の人々は、地球人とは違った尺度を作って生活しているでしょう。
 
 また空間というのも実在するものではなく、「無」だと私は考えています。つまり宇宙空間は「無」であり、「どこでも中心である」と考えています。直線をどこまでも伸ばして、無限に伸ばせば、元へ戻るというのがリーマン幾何学ですが、これは数学です。物理学ではないです。
 これらをごちゃまぜにして「時間と空間は重力で曲がる」と言っても、それは物理学ではないです。私は心底、そのように日頃考えています。
 メビウスの輪にも方程式があります。「これが我々の住んでいる未来永劫の宇宙だ」と言っても誰も信じないでしょう。
もしアインシュタインが言ったら信じるのかな。
(窪田登司/2000年6月8日、05年2月20日、2023年10月27日
 
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 反論者Y氏から、「アインシュタインの一般相対性理論は “水星の近日点移動” や “太陽の近傍を通る光の曲がり” などで既に実証されている理論だ。これは既に多くの科学者によって認められていることなので、間違っているはずはない」という、反論には格好の材料と思われたのでしょう、お便りがきました。
 しかし、そこのところをグッと我慢して前向きにお考えください。
 
 一般相対性理論による「水星の近日点移動」の計算はほとんどニュートン力学の軌道方程式と同じで、かなり無理をした近似計算ののち、
(2π×3M)/cα
という式(Mは太陽の質量、Kは万有引力定数、α は面積速度の2倍、c は宇宙空間における光速)から、42.9” という値を得ています。それまでの観測で43” という値が知られていたので、あまりにも見事な一致です。
 ご参考までに述べますと、この計算には太陽系自体が螺旋運動しながら銀河渦巻き中を運動していることなど全く入っていません。太陽は宇宙空間に絶対静止しているとして計算されています。また太陽は真円ではないし、その質量や光速 c は現在では当時よりもっと正確な数値が分かっています。眉に唾を付けてお考えください。
 なお、それまでにニュートン力学の計算で、ニューカムが41.2” 、およびシャジーが43.5”という値を発表していたこともご承知おきください。
 
 次に太陽の近傍を通る光の屈折作用ですが、アインシュタインは太陽の周囲は空虚で何もない真円として、重力によって空間と時間が曲がっているからだとしてピタリ曲がりを予言しました。“本当に” そうでしょうか。
 あんな小さな星・太陽で “そんなに時間と空間が曲がる” なら、私たちの棲んでいる銀河や、アンドロメダ銀河は、もう無茶苦茶に曲がりくねって、あんなにきれいな渦巻きには見えないですよ。冷静になって美しい宇宙を見ましょう。
 エディントンの捏造論文が全世界の科学者を惑わしたわけですが、「科学史」を勉強するのも大切な学問の一つです。
(窪田登司/2001年5月9日、06年6月17日)
 
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次のような説明をする先生は、徐々に少なくなっています。相対論には疑問を持つ先生が増えているからです。
 でもまだ、アインシュタイン原理に固執している例として、“同時の相対性” に関して、ここで少し述べておきます。
05年8月24日記/窪田登司
 
 知人の赤星栄次さんから先日メールがきまして、“同時の相対性” に関して某大学物理学教授の先生に質問したら、次のような回答がきたとの事でした。原文を掲載しておきます。
 
「左から右に向かって走っている電車の中央から光を発射したとします。
電車の中では、右に進む光も、
左に進む光も同時に端に届くでしょう。
電車の中で考えると全く問題ありません。
電車の中心から両端までの長さをLとしますと、
光はL/c だけかかって、同時に着きます
これは電車の中に固定した座標系の話です。
 
それでは、地上に固定した座標系で考えましょう。
右に進む波は、L/c 経つとLだけ進みますが、
その間に右の壁(最先端部)は動いていますから、
もっと進まなければなりません。
その時間をt としますと、
c t = L+Vt となります。
故に(c−V)t =L
したがってt =L/(c−V)
 
最後部に向かう光は反対ですから、その時間をt としますと、
ct +Vt =L
(c+V)t =L
=L/(c+V)
V>0 と考えていますから、よって、
>t となります
つまり右と左が同時でなくなるのです」
というものです。
 
 この大学物理学教授の先生は、のっけから間違っていることに気が付いてないです。
 
 光は、電車の中で上記のような振る舞いはしません。つまり次に示したアニメのような伝播の仕方はしません。それはレーザージャイロの設計の基礎として、すでに証明済みのことです。100年前と現在では科学の発展には雲泥の差がある事を知るべきです。
 ただし電車の中で “物体” を投げたのなら、こうなりますよ。「ガリレーの相対性原理」と言います。アインシュタインは “光” でも、こうなると、ごちゃまぜにしたのです。それが「特殊相対性原理」です。1905年の論文の第1頁に書いてあります。そして、「これを原理としよう」と書いてあります。ここから特殊相対性理論が出来たのです。
 
 
 この例は運動系が光速の約58.7%、秒速17万6千km/secで運動している図です。絶対に光は同時に両端に着く事はありません。両端に窓があり、そこから自由空間に光が出る事を考えてご覧なさい。左へ発射した光がうしろ、うしろへとさがっていますが、こんな伝播の仕方は絶対にしません。光(電磁波)はEとHが相互エネルギー変換しながら光速 c で進むものです。そして光速 c は光源の運動には依存しません。発射したポイントから光速 c で伝播します
“固定座標がどうの” という特殊相対論的ワケの分からない事を言う前の問題です。
 
追記(05年8月26日)
 早速多くの読者から、「では、どうなるのですか?」という質問が相次いでおります。他ページでも説明しておりますが、ここでも分かりやすいアニメを示しておきます。
 
 
 「光は自由空間を光速c で伝播する」というのが、私の基本的な出発点です。そして、“その光を基準” にしましょう、というのが相対光速度説(仮称)です。座標変換はガリレー変換となります。
 
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 熊本県の安武さんへ:その通りです。もし、光源が光速で運動すると、光源の前方に発射された光は光源から抜け出られなくなり、光源内の光密度は極度に上昇し、一瞬にして光源は爆発するでしょう。そういう現象はまだ人類は経験していませんが、粒子加速器内では起きている可能性があります。高速で衝突した荷電粒子が光速になった瞬間に爆発している現象はすでに観測されているそうです。それがビッグバンの源であるかどうかの話は今後、優秀な科学者の研究に待たなければならないでしょう。
 
 私の考えているビッグバンは、小説『火星消滅』の中でも書きましたように、小規模であれ(星の爆発)、大規模な爆発であれ(ブラックホールがやがて大爆発する現象)、連鎖反応によって「プラズマ粒子が光速になった瞬間の大爆発」としていますので、アインシュタイン宇宙論のビッグバンとは異なります。
 名称を変えた方がいいですね。他項で、burst とかblast などと書いた部分もありますが、「Light Burst」はいかがでしょうか。小規模なライトバーストの例として原子爆弾が挙げられるでしょう。
 
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 追記/06年1月29日:町田市のIさんへ
 その通りです。よく理解してくださいました。嬉しく思います。
 アインシュタインの光速度不変の原理や特殊相対性原理などの “原理” について、K大学M物理学教授など相対論を擁護する人々は、「これらは原理である」と主張していますが、本当は「原理である」ではないんですね。アインシュタイン自身も「原理である」とは述べていません。1905年の論文は「これを原理として理論を作る」となっています。普通の言い方をすれば、これらは “仮定” なんですね。実際には、この1905年の論文はポアンカレの著書の丸写し(?)でして、いわゆる “盗作” ですので、 “仮定” が “原理” になったり、ちょこちょこと変わっているところがあります。
 (ジャン ラディック著「アインシュタイン、特殊相対論を横取りする」もご参照ください)
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