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デジカメ、2003年以降の動向 パソコンテキストの目次へ

 私が感じた2003年末のデジカメの動向を下記によりまとめておく。 
 (それらは、いずれ「デジカメの隠れたヒント」に含めるが、取りあえず、ここでで別個に紹介する。)

1.2002年度は200万画素の機種が多かったが、今年は高画素化が進み、200万画素の機種は
 限られた数になった。 高画素を追求する意義としては、コンテストなどに応募するときや、パーティの記念
 撮影など、大判の写真を印刷するときに有利である。

2.低画素(といっても200万画素以上)の機種で、ファインダーなしの機種が増えた。 それと、レンズ
 と液晶モニターが回転するタイプでは、たいていファイダーがない。 回転部分にファインダーが付けにくい
 せいであろう。
  ただし、これには私は反対である。 液晶画面は手ブレにより常にブレてぼやけており、人間の目はそれに
 追従できない。 撮影した瞬間、撮影された画面が一瞬現われる機種もあるが、その画面はシャープである。
  シャッター速度の、たとえば100分の1秒だけの画像なのでブレてない。 
  ファインダーなら人間の目は十分追従できる。

3.高画素化に伴ない、1画素のあたりの受光面積が小さくなり、受ける光量が減り、撮影感度は逆に小さく
 なっている。 普通のL版に印刷するのに、200万画素があれば十分であるが、最近は撮影感度を犠牲に
 して高画素を競っている傾向がある。 撮影感度が下がると、暗いところの撮影には不向きである。
  勿論、高級機では自動的に画素数を減らしたり、画質を落として撮影感度を上げる機種もあるが、さもないと
 確実にブレる。

4.レンズの間にプリズムを入れ、光軸を下向きにして、ズームレンズでもデジカメの厚さを薄くする方式は、
 ミノルタのディマージXシリーズで採用しており、それなりに人気があるが、レンズの間にプリズムを入れる
 のは無理があり、収差が見られるという悪評も聞える。

  プリズムを1個入れると左右逆の鏡像となるので銀塩フィルムの普通のカメラでは裏焼きになるので
 不適当であるが、デジカメならメモリー上で左右入れ替えるだけで元の画像に戻せる。

  ただ、私は薄い対物レンズとその後にプリズムを入れられる間隔を明けたレンズ構成を見たことがない
 ので、ミノルタは、レンズの設計に無理をしているかもしれない。 

  しかし最近ソニーの高画素機種、サイバーショットT1でこの方式を採用し、しかも有名なテッサーレンズを
 売り物にしている。 有名なテッサーレンズの間にプリズムが入るのかと思っていた。 その後発売の三洋
 のXacti も同じであり、また2004年5月発売予定のオリンパスAZ−1 もそのようである。

  そこで気がついたのが、プリズムをレンズの間ではなく、レンズの前に置いているのではないかということ
 である。 プリズムで下方に曲げた光軸に、レンズが垂直に配置しているのではないか、ということである。
  それならば、有名なテッサーレンズも使える。 

5.コンパクトなズームカメラとは別に、新しい傾向としてズームなしで200万画素くらいで、携帯電話くらいの
 大きさ、重量の機種を各社発表しており、常時携行のサブカメラとしての市場を作りつつある。
  一方、カメラ付き携帯電話の画素も最高200万画素まで上ってきて、区別がつきにくくなっている。 しかし
 これを行き過ぎと見る意見もあり、電池の寿命からも同感である。 携帯電話は30万画素くらいで落ち着き、
 サブのデジカメは、上記の簡単な機種が手頃となる。 オーディオを附属することもある。 

6.リコーのカプリオG4は外見はダサいデジカメであるが、世界最短の0.14秒というレリーズタイムラグを
 誇っており、シャッターチャンスを逃す恐れが少ない。 リコーがIT市場での業績が良いとのこと、案外この
 デジカメが貢献しているかもしれない。 いま店頭ではこの機種と次のニコンの機種が、同じ約25,000円と、
 お買い得である。
  ほかにカプリオ・シリーズには、一眼レフ内臓の高級機を除いて、初めてズームの最広角がワイドのデジカメ
 が発売されている。 35mm換算で28mmとは、便利である。

7.ニコンのクールピクス2100(200万画素)は、形はニコンの高級機と同じ、ずんぐりした形をしているが、手の
 ひらに入るほど小さく、厚くてもあまり邪魔にならないので、サブのデジカメとしてはお勧めである。

8.バードウォッチングなどに手頃な、コンパクトな高ズーム倍率のデジカメが、以前からオリンパス(10倍)と
 パナソニック(12倍)から発売されていたが、高画素ではなかった。 しかし、最近ようやくCCDが小型化して、
 400万画素と、高画素になってきた。 これ以上の高画素はあまり必要ないだろう。

  高倍率になると、もはや光学式ファインダーは無理である。 昔の二眼レフのようなズーム式ファインダーが
 あれば別であるが、金がかかる。 液晶画面を見るファインダーはついているが、各セルが識別できるほど粗く、
 使い物にならなかった。 しかし最近の機種は、ファインダーもかなりファインになっってきた。

  私は手振れが嫌いなので、液晶画面があってもファインダーを覗くほうだが、最近は液晶画面だけで、ファイン
 ダーなしの簡易機種も増えている。 しかし、バードウォッチングなどに使う高ズーム倍率の機種は光学式で
 なくとも、ファインダーは必要らしい。 三脚を構えたデジカメの液晶画面に日光が当たって見えにくいとき、手で
 日光を遮るのは面倒だ。 だから画面が粗くとも、ファインダーで画面を確認する。 

  もっとも、最近は液晶画面の明るさを変えられる機種が出始めているので、それが普及すれば、液晶画面に
 日光が当たっても、被写体が暗くても、はっきり見えるので、ファインダーも、一眼レフも必要なくなるかもしれない。

  これ以上の高画素を使うとすれば、撮影する画素は、たとえば200万画素に設定しておき、あとはデジタル
 ズームで最高画質まで使うことである。 400万画素だと、さらに1.4倍までズーム倍率を上げられる。
  オリンパスなら14倍、パナソニックなら17倍となる。
  デジカメのヒントで、デジタルズームは意味がないと書いたが、このように使えば利用価値がある。

9.光学式がファインダーをなくした機種が増えているが、2004年春になって液晶モニターの明るさが変えられる
 機種がポツポツ出てきている。 つまり、デジタル・ビデオ・カメラのモニター並に、暗い場所でも明るく見える。
  電池は早く消耗するだろうが、ずっと見やすくなる。 これが可能になったのは、電池の性能の進歩と液晶
 モニターの省電力化があると思われる。 液晶の大きさも2インチと、大きく見やすくなっている。 当然、
 液晶モニターの画素も上がり、ピントが合っているかどうかが、分かりやすくなっている。

10.動画機能が進歩し、動画の性能だけなら、デジカメと、デジタル・ビデオ・カメラの境界が分かりにくくなって
 いる。 その差は、記憶媒体が何かと、電池の持続時間くらいである。 いずれも短時間の撮影なら問題ない。
  大体、一般人は、一日にそんなに長時間、撮影はしないので、それで十分かもしれない。 撮影して、その晩
 のうちにパソコンに取り込んでおけば、記録媒体は空にできる。 電池の充電は、携帯電話と同じ要領である。
  デジカメの性能的には高価なデジカメは、多分動画機能がすごいのだろう。
  SMAPの草薙剛がCMに出ている、三洋のDMX−C1 ザクティ・デジタル・ムービー・カメラがそうである。

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