懐かしの思い出話集
第2話 ワイルド・ボーイ
いよいよ 最終章
修学旅行。みんな良い思い出が残っているだろうか?
楽しい思い出。しょっぱい思い出。みんなは?
それは、ある一人の少年が発見したホテル内のお店から始まった。
(スナック モモコ)
洒落好きの小学生たちが、その名前に食いつかないはず無いだろう?君もそうだったじゃないか。
そして、訳もわからず、おっきな人に誓いをたてさせられたハズ。
(マサさんの紹介でっ)
て突然始まるハイテンション。よるはこわ〜い。マサさんの紹介だったんだ。
(誓う〜誓う〜おいらは〜誓う〜っ)
だから何を誓ったわけ?
(おいらにゃ〜モモコの〜)
て、モモコさんとお知り会いな訳・・・。
その頃、悪がき以外の、俺ら健全な青少年たちは、部屋のテレビで具志堅用高を応援してました。
ワイルド・ボーイといえば・・・
もちろん、チーム・モモコの真っ只中にいらっしゃいました。みんな呪いを解きなさ〜い。
そんな小学6年生の頃のワイルド・ボーイの話。
卒業間近の彼と俺。
その日は、音楽の授業最後のリコーダー(縦笛)のテスト。曲目はなんだったかな?忘れてしまった。
音楽室の窓の下には、学校の中庭が見える。そして、飼育小屋。
チャボや、ウサギや、はせべっちが飼育されていた。
何の為かって?もちろんチャボを、から揚げにするためさ。うそ〜。
(調子こいてっと、動物虐待反対って船につっこまれんぞっ。このホームページ、レンホウとかに仕分けされんぞっ。)
みんな、卒業前の最後のテストだから、カンノセンセのため、いいトコ見せねばと一生懸命だったんだ。
君も、そしてあなたもそうだっただろう?
だけど、アイツときたら・・・・。またまたやっちまった・・・・・。
テストはもちろん出席番号順。俺がHでアイツもH。
だけど実際、俺と彼の間にはFくんがいた。長髪のFくん。
でも、俺の記憶の中には、その日のFくんは登場してこない。
休みだったのかな〜。Fくん。その日出席していたらごめんなさい。腹を切ってお詫びします。
さぁ、反逆の舞台の始まりです。
俺の記憶の中ではこう。
ひとりひとり発表を終え、いよいよ俺の番。
いっぱい練習したじゃないか!
おまえはやれば出来る子じゃないか!
おれは天才だ。おれは天才だ。
手のひらに(人)という字を書いて飲み込むんだ。
いっけね〜っ。(入)飲んじゃった。
今まで黙ってたけど、お前の父親はオザワセイジなんだよ。だからきっと出来るハズ。
と、自分を励ましながら、ステージへ。
無我夢中のまま演奏を終え、みんなの歓声と拍手の中、深く一礼し、ステージ中央にリコーダーをそっと置いた。
(おまえは、山口百恵かっ!)
そして、次に演奏するワイルド・ボーイとすれ違う。ちょっと目配せ。あれっ。なんかおかしい。
いつもは、表情が柔らかいハズなのに・・・・・。
それは、俺が着席するかしないかのタイミングだった。
カンノセンセの悲鳴にも似た声が耳をつんざいた。
(エッ、なにが起きたの?)
俺がまず目にしたのは、ステージを通り過ぎ、窓を開け放つ彼の姿。そして・・・。
女子新体操、いや、南ちゃんがこん棒を天井高く投げると、クルリ・クルリと回転してとってもきれいな弧を描く。
まさにそれ。そのときワイルド・ボーイの投げはなったリコーダーは、きれいな弧を描いた。
俺にはそう見えた。
そして、吹かれること無く投げ放たれたリコーダーは、寂しげに飼育室の屋根へと落下した。
そのときの様子。おれの瞼の奥には、唖然とするカンノセンセの姿が今も離れない。
W・Bよ。なぜにそこまで大人社会に背を向ける。大人になったらどうするよっ?
あず・てぃあーず・ごー・ばい
時は流れ、みんないい大人になりました。
彼は、今や米沢を代表する鉄工所の社長です。時は人を育てる。
俺と彼は、高校も一緒。専門学校仙台で一緒。現在、仕事でも一緒になる仲です。
俺が仕事なくしたとき、(ウチの仕事手伝っちゃえば〜っ)
って、ジャニーさんのように気さくに誘ってくれ、働かせてくれました。
そして俺は、鉄工所アルバイトとして、某テレビ局の(SASUKE)の征服を目指すこととなります。
それはまた、別の話。
つい、先日も俺の現場手伝ってくれました。
俺のミスを一生懸命カバーしてくれました。
面と向かっては照れくさいので、この場をお借りして御礼申し上げます。いつもありがとうございます。愛してます。
彼も、一人でも多くの同級生のみんなに、お会いできることを楽しみにしております。
忙しいくせに、みんなのため一生懸命頑張っています。
きっと、みんな、いい大人に、なったんだろ〜なぁ〜。じゃぁ、また会う日まで。 シー・ユー・アゲイン by W・Bアフター
(この話は、仮称:本間広幸様の、98.25%実話をもとにつくったはなしでした。)