懐かしの思い出話集
第2話 ワイルド・ボーイ
続きました
トモダチって何だろう?
どっかの小学生が書いたマンガが、実際に起こる映画じゃないけど・・・。なんか目ん玉お化けの・・・。
Kのみ幼稚園を卒園するとき、[ともだち100人できるかな?]なんて楽しそうに歌っていたけど・・・。そんなこともなかろうに・・・。
相生町グループに溶け込めず・・・。
ダ・ケ・ド・モ・・・。
実際そうでもなかったみたい。
だって、みんなこうやって遊びに来てくれんジャンね。楽しんでもらえれば光栄です。ほめれば伸びる子なんだから。
だから、彼ともいつの間にか、そんなこんなで、トモダチになっていたんだ。みんなだってそうだろう?
それが、4年生の頃の話。すっかりお友達になった彼との話を聞いてくれないか?
あの頃の俺らの隠れ家といえば、(ワイルド・ボーイ)んちの車庫の中。
そう。ちょうどとなりがGさんち。この頃はまだ居なかったけど。その裏手にMくんちとSちゃんちがある高級住宅街。庶民の俺には別世界。
授業が終わると、ランドセルを背負ったまま、隠れ家に集合。
だけど俺たちには、必ず通うルートがあった。どんなルートかって?ヨシッ、トモダチの頼みだ!教えちゃおう。
学校の正門を出ると、パンチだの、キックだの、ジャレ合いながら歩いていると、まず見えてくるのが米沢市民のオアシス(ばばみせ)だ。
ここが第一中継地点。店内に入り、とりあえずひと通り遊びまくる。もちろん店員さんの白い目なんておかまいなし。
一人がゲームに熱中し始めると、みんなじっとそれを眺める。口を半開きにしてね。
「あ〜。飽きた。」
次へ移動。Mちゃんちを横目に通り過ぎ、見えてくるのが、あなたは家族を愛してますか?(ファミリーデパート)。第二中継地点。
お金がある時は、外のお店で(アイシー。そんななまえだっけ?)を小粋に決める。俺達のお勧めは、なんと言ってもレモンライム味。
チュウチュウしながら、とりあえず、店内一周。ゲームセンターで、あわてな〜い。あわてな〜い。一休み、一休み。
「一階に戻りま〜す。」
中央公園の噴水で、とりあえず水をかけあい、ひとしきり濡れた所で、次なる第三中継地点(ジャスコだず。)
階段を駆け下り、とりあえず食品売り場をグル〜リ、グルリ。
試食品を食べ歩くなんて、そんな野暮なマネはしない。心だけはいいとこ育ちなのだ。判ってもらえるかな〜。
そして、おすし屋さんで、マスの押し寿司の鮮度を確かめると、おもちゃ屋さんに行き、プラモデルのチェック。
「う〜ん。ここ半年何も変わっちゃいない。ばばみせに負けちゃうぞ。」
そんなこんなで、次に向かったのは、第四中継地点、高級が売りなのよ。Cちゃんもいるのよ(大沼デパート)。
何も用がないのに、道路向かいの本屋さんを通り抜けてから大沼デパート店内へ。これ常識。
子供たちに高級なんて判りませ〜んよ〜だ。ってな感じで大暴れ。
エスカレーターのベルトに横ばいになり、上までのぼり詰めると・・・。
「誰が一番早いかな〜。」
と、エスカレーター逆走早駆け下り競争。
みんなくだりきったところで、お金のあるときは、お〜っきな串刺し、だんご三兄弟のようなたこ焼きをパクリッ。
「今日のたこはおっき〜どっ!」
さっ。出ましょ。
Hちゃんのパーマやに向かって一言。
「元気ですか〜!!!」
も少し歩き、キコキコ、シャキシャキ(あらいや)の前で休憩。
「生レモン食いてぇ〜。」
「モスバーガー食いてぇ〜。」
それはもう少しお金がたまってから・・・。
Mちゃんの親父さんの後援会看板を過ぎ、次の信号を左に曲がると、もう少し。
そう、そこが悪ガキのワンダーランド・・・・・。さぁ、夢のお部屋へいらっしゃ〜い。
竹馬が流行ったの、みんなは覚えているかな?
竹馬流行の発祥の地。それがこの隠れ家なんだ。彼の親父さんの作ってくれた竹馬。誰が一番上手に乗れるか競争だ!
だけどみんなすぐに飽きちゃった。たった一人を除いて・・・。俺なんだけどね。
他のトモダチタチは何して遊んでいたかって?
もちろん、素敵な遊びを発明してたさ。そういうことにかけては天才なんだ。ここだけの話だよ。
みんなで隠すように、車庫のコンクリートの上で、硬貨を一生懸命潰していたんだ。
何の為に?だって?それは俺の口からは言えない。
どうしても知りたいなら(ワイルド・ボーイ)に直接聞いておくれ。同窓会の時にでも・・・。
俺達の小学生だった頃、雪ってとっても多かったよな〜。
誰が一番なが〜いツララを持ってくるか、競争したりしてたもんな〜。
冬がやってくると、(冬期間は営業していません。)って感じで、隠れ家は、強制閉鎖されてしまった。
トモダチは、一人減り、二人減り。
彼と俺は、コタツにチョコンと座り、彼のおふくろさんの淹れてくれた(あま〜いカフェオレ)を飲みながら毎日テレビを見ていた。
何を見ていたかって?みんなも判ってるジャン。
あの頃、楽しみに見ていたものといえば、大相撲中継、そして。
(遠山の金さん)に決まっているじゃないか。もちろん杉さまバージョンさ。
今思えば、あの頃から彼は、あんなことを想像していたのかもしれないなぁ。
つづく・・・かしら・・・