熟成
蒸留したばかりのスピリッツは、アルコール度数が高く 刺激が強く荒々しい。よって熟成させ味・風味を丸くする。
この時おなじみの樽が使われる。樽の隙間から不快臭となる硫黄化合物等を水分と一緒に蒸散させる。この蒸散により
中身は段々と減っていくのだがこの分だけアルコールは凝縮される。蒸散は年2%〜3%でこれを有名な言葉で
天使の分け前とも呼ぶ。熟成を長きにわたり続けると中のウィスキーは酸化熟成を始める。又樽材から溶け出した
香味成分・アルコール・脂肪酸がエステル化 特有の香りが生まれるのだ。更に熟成が進むとアルコール分子に
水の分子等が混ざりこみまろやかになっていく。最初は無色透明なスピリッツはだんだんと琥珀色へ変化する様子は
熟成のバロメーターにもなっています。また熟成期間が長いと香味成分の分子も段々とバラけては組み直しより複雑な
味わいへと変わっていきます。よりまろやかによりオイリーな味わいへと変化していきます。
樽が熟成に与える影響
熟成において樽が与える影響はとても大きい よってウィスキーに使われる樽には規定がある。以下は使われている4つ
樽の特徴を書いています。材質は、耐久性・強度に優れるホワイトオーク材を使う。
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ボグスヘッド型 使いふるしたバレル型をばらして側板を再利用した物 スコッチで最も使用されている。 名前の由来は樽の重さが豚一頭分の重量と等しい事からついた。 容量:230リットル 最大径720mm 長さ820mm |
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バレル型 容量が小さので香りが移りやすい。その代わり長時間の貯蔵には向かないのが特徴。 バーボンによく使われる事からバーボン樽とも言われる。華やかな木の香りやバニラ香をも移す。 容量:180リットル 最大径650mm 長さ860mm |
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シェリーバット 材料はスペインのアンダルシア特産の酒シェリーに使われていた樽の事をいう。 シェリー樽で熟成したウィスキーはシュリーの香りや甘みがほのかに移り、又色もやや赤みかかる。 樽の大きさも大きい。 容量:480リットル 最大径890mm 全長1280mm |
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パンチョン型 この中で最大径の樽 その為にもっともゆっくり熟成が進む。長期熟成に適している。 味わいの特徴はすっきりとした物になる。 容量:480リットル 最大径960mm 長さ1070mm |
樽の部品は以下の様になっています。
ここでスコッチウィスキーは、バーボンやシェリー樽の古樽を使います。新樽は滅多に使用しません。熟成後に有名な
ワインシャトーやコニャックの樽に移して更に短期間熟成させるウッドフィニッシュという手法を使う場合があります。
バーボン樽は中身が焦がしてあります。写真はボクスヘッド作成においてチャーを行う様子です。
焦がし具合で味も変わり軽く焦がせば甘い香りのする物へ 強めに焦がせば華やかな香りのするウィスキーになります。
樽は木材を言う事を利かせる事から始まります。
蒸気熱を与えて柔らかくしている所とアイアンレディと呼ばれる機械で樽に帯鉄をはめる機械