ウィスキーの原料ピート


よくウィスキーの味わいの表現でピートが利いてるとか言われていますね。このピート又はスモーキーフレーバーとも
表現されます。ピートですが日本語では泥炭とも言います。そう石炭の1歩2歩手前の状態でスコットランドでは、
石炭の代わりに暖炉で焚かれる事もあります。シダやコケ類が、草などの枯れた植物が堆積した物です。
ピートの主成分はヒースという植物です。

ヒースはヘザーとも呼ばれるスコットランドの国花でもあります。このヒースがなぜ国花となったかというと13世紀ノルウェー軍が
スコットランドに侵攻奇襲の為 秘密裏に行動したノルウェー軍がヒースを踏みつけた事でスコットランド軍が奇襲に気づき
スコットランド軍が勝利 その為スコットランドを守る花としてスコットランド人に親しまれているそうです。
左がベルヘザー6月から7月に赤・ピンクの花を咲かせます。エリカ・キレネアともいいます。右がリングヘザー
小さい可憐な花を8月の終わりに咲かせます。スコッチの中にはこのヒースを思わせる香りを持つ物もあります。
ピートができるまで図に表すと

ぼこぼことした丘陵が多く土地が痩せている。
このような丘陵地に草やコケが生える。
シダやコケ ヒースなどが枯れその上に又新しく
若いコケなどが生え堆積していく。
やがて左のサイクルが繰り返され何百年・何千年
と続きピートが生成されていく。

ピートは、写真のように切り出していきます。

この写真のピートは大体700年前のもの 15cm堆積するには約1000年かかるそうです。この後ピートは3月〜4月に
かけ天日干しにする。アイラ島では川にも溶け込み水は茶色になっている。
ピートがウィスキーに与える影響は、麦芽を乾燥する時 ピートを一緒に焚きこめ 麦芽にピートの香りを移す。
その為にスコッチには、特徴のあるスモーキーフレーバーを感じるのです。
麦芽に水分がまだ残っている状態で焚きこめば 麦芽自体が煙を吸収しやすいので香りが強くなる。
反対に乾燥が進んだ状態では香りは控えめになります。
ピートを焚く時間やタイミングで完成品の香りに変化が生まれ 又ピートの産地や切り出した深さ炭化の
進み具合 植物の種類でもフレーバーは変わっていきます。