トウモロコシの結実
トウモロコシは雌雄同株、夏に花を開く。茎の先端にある雄花序は雄穂とよばれる。雄穂は中央の長い軸から十数本の枝柄に分かれ、小穂が多数つき、各小穂にある小花に3本の雄しべがある。実になる雌花序(雌穂)は茎の中ほどに生じ、 何枚もの包穂に包まれた円柱形となる。穂軸の表面には雌小穂が縦に10〜20列並ぶ。小穂は2小花からなり、下位の花は不稔[ふねん]で上位の花だけが結実する。
上位にある小花からは、雌しべの花柱と柱頭が糸状に長く伸び、これを絹糸という。開花時には雌穂全体の絹糸が束となって、包葉の先から現れる。これがいわゆるトウモロコシの毛である。
絹糸の先端部は無数に枝分かれし、表面が粘り、花粉が付着しやすくなっている。風に運ばれてきた花粉がこの絹糸に付着することを受粉という。受粉後、花粉から花粉管が絹糸の中を伸び、一夜から一昼夜で雌穂の胚に達し受精が完了する。受精により絹糸の生長は止まり、その後は水分が減少して絹糸は枯れていく。
受精した小花は分裂して粒に生長する。トウモロコシの粒1個にはかならず1本の絹糸(トウモロコシの毛)がある。
同じ個体では雄花が雌花より2日ほど早く開くので、他家受粉する。開花後、雌穂は長さが14日ころまで、太さは20日ころまで発達し、約50日で完熟する。
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